主要電子書店の配信ファイル形式を出版社別に調べてみた

リクエストを頂き、主要電子書店の配信ファイル形式を出版社別(というかタイトル別)で調べてみました。対象は以下の10ストアです。

とりあえず、講談社、集英社、小学館、角川系列の、書籍と漫画を両方調べました。

ウェブストアの書誌情報にファイル形式が明記されているhonto、BookLive!、Kinoppyは、特に調査に支障はありませんが、GALAPAGOS STOREはウェブストアに表記されていない場合がある(.bookとEPUBだけ表記されているので、恐らく表記がないのはXMDFだと思われる・購入してアプリで詳細を見ればわかる)のと、Reader Storeはウェブストアには表記がない(サンプルまたは購入してダウンロードして詳細を見ればわかる)のが苦労しました。

eBookJapanはモバイル版ウェブストアで、リフロー型なのか画像型なのかだけは表記されています。なぜPC版では表記していないのか……。また、KoboとBOOK☆WALKERはすべてEPUB、KindleストアはすべてAZWで配信されています。ニコニコ静画(電子書籍)は、ファイル形式がわからないため配信されているかどうかだけを調べてあります。

この表は、縦より横で見ていただくと面白いと思います。とくに小学館が、同じ作品なのに電子書店によってかなりファイル形式がバラバラになってしまっているというのが興味深い。

あと、「人類は衰退しました」の廉価版はXMDFで、イラスト完全版は基本的にEPUBなんですが、GALAPAGOSだけイラスト完全版が1~7巻まではXMDFで8巻はEPUBというわけのわからない状態になっていました。なんだこれ。

同じ作品で配信ファイル形式が違うということは、それだけ制作に手間が余計にかかっているということになります。出版社側は1つのファイルで電子書店側で変換しているケースもあるでしょうし、出版社側で別々のファイルを作っているケースもあるでしょうし、それぞれの細かな事情まではわかりません。ただ、本来であれば1つのデータを作ったら、それでどの電子書店でも対応可能になっているのが1番ですよね。

で、とある事情通の方から聞いたのですが、実はまだビューワがEPUB 3に完全対応できていないところが何ヶ所かあるそうです。漫画はとくに問題ないですが、書籍の表示が崩れてしまうらしいのです。だからEPUB 3で制作するフローができているのに、EPUB 3では納品できずにXMDFやドットブックも作らざるをえないとか。なかなか難しいですねぇ……。

[追記]

大事なこと書き忘れてた。XMDFやドットブックを使うと、別途ライセンス料がかかるそうです。EPUBはオープンライセンスだから、今後のことを考えればできればEPUB1本にしたいと。でもビューワ側でEPUBにちゃんと対応できていないから、同じEPUBでもビューワによって表示が違っちゃったりする場合が結構あるみたいなんですね。だからそれぞれのビューワ向けにローカライズしたEPUBをいくつも作らなきゃいけなくて、結局なんか手間が増えてるぞ、みたいな悪循環に陥っているとか。

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