本(HON)のつくり手をエンパワーするウェブメディア「HON.jp News Blog」の編集長に就任しました

HON.jp News Blog

私、鷹野凌は、2018年10月1日に正式運用を開始したウェブメディア「HON.jp News Blog」の編集長に就任しました。紙だけでなくデジタル出版も含めた、広い意味での本(HON)のつくり手をエンパワーすることを目的とし、国内外のさまざまな事例を紹介し、意見を交換し、仮説を立て、新たな出版へ踏み出す力を与えるメディアです。

本(HON)というのは、情報、知識、経験、思想、感情といった「人の叡智」を詰め込んで、他の人、あるいは次の世代へ伝えていくためのものです。つまり、本(HON)の存在というのは、人類の営みをより豊かなものにします。人類がここまで発達してきた理由は、本(HON)があるからだと言ってもいいでしょう。

ところが現状、出版市場は1996年の2兆6500億円をピークに、昨年には電子出版を合わせても1兆5400億円と、20年以上ずっと縮小傾向が続いています。要因は、人口動態の変化やインターネットの普及など、いろいろです。

読者を増やすための活動は、たとえば学校での「朝の読書運動」など、すでにさまざまな団体が行っています。そのおかげもあってか、不読率はここ10年くらいずっと半分くらいを維持し続けています。

ところが、本(HON)をつくる側、つまり、著者、編集者、校正者、デザイナー、イラストレーターといった、本(HON)のクオリティを担保する側への働きかけというのは、どんどん縮小しています。

出版社のほとんどは営利企業ですから、生き残るために儲からないことから手を引くのはある意味で正しいことです。しかしここ最近、中身は二の次で、話題を集め売れさえすればいい、という風潮が目立つようになっているようにも感じます。

粗製濫造された本(HON)は、果たして人類の営みをより豊かなものにするのでしょうか? そういう本(HON)は、100年先まで残るのでしょうか?

私は、出版が持続可能な経済活動であり続けるのと同時に、人類の営みをより豊かなものにする本(HON)を1冊でも多く次の世代へ残していきたいと考えます。

そのために「HON.jp News Blog」というメディアが、少しでも本(HON)のつくり手の役に立てば嬉しいです。

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