出版業界関連でボクが気になった先週のニュースについて、コメントをつけてまとめていきます。電子出版界隈が中心です。先週は、KADOKAWA合併記念フェアや、ソニーReader PRS-T3Sの発売とiOSアプリリリースなどが話題になっていました。
書籍の電子化代行２業者に差し止め命令 著作権侵害で東京地裁 ：日本経済新聞 ※2013年9月30日 
予想通りの判決。しかし、Myブック変換協議会と日本蔵書電子化事業者協会から、最近あまり情報が出ていないのも気になるところです。
ACCESS、EPUBをサーバサイドでレンダリングする「PUBLUS Cloud Renderer」を発表 – ITmedia eBook USER ※2013年9月30日 
eBookJapanのリフロー型EPUBに採用されている仕組み。サーバーサイドでレンダリング処理するというのが興味深い。
藤井太洋「電子書籍」のつくり方 デジタル時代の重要人物に訊く「実践マーケティング戦略」第1回：PRESIDENT Online – プレジデント ※2013年9月30日 
藤井太洋さんのインタビューがプレジデントに！
日本で電子書籍は普及しないのか？ | マイナビニュース ※2013年10月1日 
ちょっとアレアレ？と思うような記事。「規格」が乱立しているというより、DRMでストアに縛り付けているところが問題。「音楽配信のデファクトスタンダードをアップルに握られている状態」というのも、2年ほど前までiTMSの国内シェアは数%だった（着うた市場がでかかった）はずなんですが、スマホシフトでiTMSが急激に伸びたという話は聞かないのですが。「電子出版権」ができたからといって、出版社が主体的に課題解決をするようになるとも思えず。「Kindleでは当初、9.99ドルというリアルな本より圧倒的に安い値段設定をしていました」というのも、日本で売られている電子書籍の大半はそれよりもっと安い。
出版状況クロニクル65（2013年9月1日～9月30日） – 出版・読書メモランダム ※2013年10月1日 
毎月楽しみな、小田光雄さんの出版状況クロニクル。「JPOなどが唱える2016年に2000億円という市場は絶対に出現しないと断言していい」と厳しいお言葉ですが、さてはて。
hon.jp DayWatch – 出版デジタル機構、電子書籍取次子会社のビットウェイ社との統合を正式発表 ※2013年10月日 
既定路線ですが。
学研ＨＤが電子書籍で新会社 名作を電子化、他社からも受注 ：日本経済新聞（※有料記事） ※2013年10月1日 
新会社は「ブックビヨンド」という名称。電子書籍の制作と、「学研電子ストア」の運営、セルフパブリッシングの窓口も用意するようです。ゴマブックスの「BookSpace」みたいな感じになるのか？
それにしても、430文字で有料記事とか勘弁して欲しいんですけど、日経さん。
Happy Birthday KADOKAWA：KADOKAWA、合併記念で1日だけほぼ全作品が半額に – ITmedia eBook USER ※2013年10月1日 
KADOKAWA主催のフェアは10月1日限定でしたが、他の電子書店では最大で7日間開催されていました。
Reader StoreのiOSアプリ、ついにリリースされる – ITmedia eBook USER ※2013年10月3日 
やっとかよ！と言いたいところですが、それでもまだフィックス型EPUBしか対応していないという。進化しているのはいいことですけども。しかし、これで主要な電子書店はだいたいマルチデバイス対応になりました。iBookstoreを除けば。
10月3日｜はせ浩 オフィシャルブログ「はせ日記」Powered by Ameba ※2013年10月3日 
違法ダウンロード刑罰化を積極的に推進した衆議院議員の馳浩氏が、今度は電子書籍議連で何やら不穏な動きを。ちょっと気になる……。議員立法を否定するつもりはないですけど、一部業界団体の思惑だけで突っ走るのはやめて欲しい。
【山口真弘の電子書籍タッチアンドトライ】ソニー「Reader PRS-T3S」 ～ライト付カバーも用意された電子ペーパー端末。白黒反転もほぼ皆無に – PC Watch ※2013年10月4日 
いつも辛口な山口真弘さんが、結構好評価。コミックですらほとんど反転がないというのは凄い。ハードウェアとしての完成度は、さすがソニーという感じがします。しかし、メルマガの受信するチェックは、ボクみたいに受け取る人は気にならなかったポイントなのでは。楽天みたいに、嫌になるほど送られてくるわけではないですし。
イーブックイニシアティブジャパン、マザーズから市場変更へ – ITmedia eBook USER ※2013年10月4日 
IR資料によると、市場変更と同時に行う新株式発行は、全額を設備投資資金に充当するそうです。攻めますね！
電子書籍販売用ウェブサイト及び電子書籍閲覧用ブックリーダーの改良等に伴うシステムのリニューアル、機能追加及び改修に係るソフトウェアへの投資として270,000,000円、電子書籍利用者増加に伴うトラフィック量増加に対応するためのサーバーの新設及び増強、電子書籍販売用ウェブサイトのリニューアルに伴うサーバーの新設及び増強並びに災害時等に対応するためのバックアップ機器の導入に係るハードウェアへの投資として140,000,000円を予定
サイトのリニューアルや、「トランクルーム」の改修などかな？
アップル、電子書籍価格問題で上訴 – CNET Japan ※2013年10月5日 
これも既定路線ですが。
