(※写真:写真素材 足成より)
価格.com – No.065 電子書籍についてのアンケート!? 新製品続出!電子書籍専用リーダー使いたい?- [価格.comリサーチ]No.065 ※2012年9月20日
【調査パネル】
調査エリア:全国
調査対象:価格.comID 登録ユーザー
調査方法:価格.comサイトでのWebアンケート調査
回答者数:5,847人
男女比率:男性91.1%、女性8.9%
調査期間:2012年8月28日~2012年9月3日
調査実施機関:株式会社カカクコム
価格.comのユーザーというバイアスと、9割男性という問題はあるものの、先日の「書籍および電子書籍に興味のある20~69歳の960人を対象」とした調査よりはかなり世の中の実態を反映しているのではないかと思います。
せっかくなので、気になる部分を抜粋してコメントしてみます。
現時点で電子書籍を利用している割合は全体の2割弱にあたる19.9%。
「興味のある人」を対象とした調査では利用率58.0%ですから、全く結果が異なります。「世の中の実態を反映しているわけではない」と断定したとおりです。偏った標本だというのを理解した上で分析するならいいのですが、往々にして「利用率58.0%」だけが伝播してしまうから怖いのです。
価格.comのユーザーという偏りがあるので、2割という数字も若干割引いて考えた方がいいような気がします。つまり、現段階ではアーリーアダプターまでしか利用しておらず、キャズムを超えていないということです。
電子書籍の利用者を対象に、電子書籍で不満な点を複数回答で聞いた。ダントツで多かったのは「コンテンツが少ない」ことで49.4%。
数さえ稼げばいいというわけではないのは Kobo がこれだけ批判されているのを見ても明白ですが、ボクが一番我慢ならないのは、以前も書きましたけど、ほとんどの場合新刊が紙書籍の発売と同時に電子書籍化されていないこと。紙と電子が同時に出ているなら、例えコンテンツに差があってもどっちを選ぶかはユーザー次第です。しかし現状ではほとんどの出版社が、紙を先に出して数ヶ月後に電子を出します。
例えばボクは、津田大介さんの「情報の呼吸法」を発売から間もなく購入してレビューも書いているのですが、先日こんなツイートが流れてきました。
RT @booklogjp: 津田大介さん『情報の呼吸法』がパブーにて【580円】で発売スタート!書籍版にはなかったオリジナルコンテンツとして、東浩紀さんとの特別対談「政治をアップデートをする」を収録しています。ぜひご覧ください! bit.ly/QaFAlm
— 鷹野 凌さん (@ryou_takano) 9月 6, 2012
かなりイラッとしました。
後から電子書籍化して、価格は紙より安くて、オリジナルコンテンツも追加されて……って、目先の電子書籍化したコンテンツを売るためにはいいかもしれませんが、紙書籍版を買った人を愚弄してますよね。しかも発行元は紙書籍版と同じ朝日出版社ですから。ガンガン宣伝ツイートをしているので頭にきて、こんなツイートを送りました。
紙書籍版を買った読者向けに、そのオリジナル部分だけの版をご用意頂けませんか?タダとはいいませんから。 RT @asahipress_com: 電子版オリジナルコンテンツ ―― 東浩紀氏との特別対談「政治をアップデートをする」を収録(約2万7千字)!
— 鷹野 凌さん (@ryou_takano) 9月 13, 2012
RT @asahipress_com: @ryou_takano 朝日出版社営業部です。ご指摘、もっともなことと思います。現状、対応できるかどうかわかりませんがご意見は参考にさせて頂き、社内検討いたします。 @idea_ink
— 鷹野 凌さん (@ryou_takano) 9月 13, 2012
他にも、電子書籍版を先に出して、加筆修正があったら購入者には安価にアップデートできるようにして、完全版を紙で出すとか、いろいろ方法はあると思うんです。とにかく、電子書籍を選択できない状態でしばらく置いておくのはやめてくれ、と声を大にして言いたいです。本を置くスペースに困っているので、紙書籍をあまり買いたくないのですよ。
電子書籍の利用者を対象に、電子書籍を利用しているデバイスは何かを聞いた。もっとも多かったのは「タブレット端末」で45.5%。最近のタブレット端末の普及拡大によって、電子書籍自体もより利用されるようになってきたことがわかる。
利用者2割の45.5%ですから、タブレット端末の普及率は1割弱ということになります。昨年末の総務省調査で世帯普及率8.5%ですから、まあまあいい数字が出ているリサーチだと思います。ちなみに恐らく大半がiPadでしょう。それが次の調査に如実に現れています。
電子書籍の利用者を対象に、電子書籍をダウンロードしたことのある電子書籍ストア名を聞いた。もっとも多かったのは、アップルの「App Store」で33.1%。これは「iPad」や「iPhone」向けの電子書籍ストアであるため、利用者はほぼアップルの「iPad」や「iPhone」ユーザーに限られる。この割合がダントツで高く、「iPad」や「iPhone」ユーザーの多くがこの「App Store」をメインに電子書籍を利用している様子がうかがえる。
これでは電子書籍専門ストアの立場がありませんね。
ちなみに2番手は
このほかでは、楽天が子会社化した「kobo」が16.8%で次点につけた。「kobo」は日本ではまだ知名度が低い電子書籍サービスだが、楽天が2012年7月6日より発売した電子書籍リーダー「kobo Touch」の登場により、日本国内でもかなり利用されるようになったようだ。
これ、今まで持っていた楽天ポイントを使ったユーザーが多かったのではないでしょうか。予約特典でも最大3000ポイント貰えたわけですし(付与まで少し時差があったとはいえ)、始めの数ヶ月は売れて当たり前の状態だったことを忘れてはならないと思います。うまくコンテンツを拡充できておらず、いろいろ斜め上の対応をしたことによって悪評がだんだん広まっているので、今後はなかなか厳しくなるのではないかと思われます。
なお、ソニーの電子書籍専用リーダー「Reader」向けのストアである「Reader Store」、シャープが手がける「GALAPAGOS STORE」、東芝が中心となって運営する「BookLive!」など、家電メーカーが主体となって運営するストアは軒並み4~6%程度の利用率にとどまっている。
※太字・下線はボクが追加しました。
ちょっと待った!BookLive!には確かに東芝(だけじゃなくNECも)出資してますけど、母体は凸版印刷の子会社のビットウェイですよ。何か、東芝BookPlace(Powered by BookLive!)と混合しているのではないでしょうか。まあ結局、ユーザー認知が低いのが利用率が低い根本的な原因ではあると思いますが……。
日本上陸前の Kindle Store に利用率で負けている総合ストアは……できたばかりのTSUTAYA.com eBoooksや、角川専門でやっていた BOOK☆WALKER はともかく、GALAPAGOS STORE と BookLive! は、もっとユーザー認知を高める努力をしなければならないと思います。どちらも、サービスの質はかなりいい部類に入るのですから。
現在電子書籍を利用していない人を対象に、電子書籍を今後読んでみたいかどうかを聞いた。結果としては、ほぼ半数でハッキリと意見が割れており、52.8%が「読みたい」、47.2%が「読みたくない」と、読みたいという人が半数をやや上回る程度となった。電子書籍への期待値はそう高くないという結果だ。
紙・電子関係なく「書籍」に興味がない人も一定数いるので、この結果は「まあそうだろうね」という感じでした。まだ利用していない人の47.2%が利用してみたいと思っているということは、今利用している2割の人と合わせて考えればユーザー数は今の3倍くらいにはなるということになります。
電子書籍を利用している人および利用したいと思っている人を対象に、電子書籍コンテンツの価格についての感想を聞いた。こちらについても、「高い」が63.6%でもっとも多く、「高すぎる」の21.8%を加えると、実に全体の85.4%が、電子書籍コンテンツの価格について高いと感じているという結果になった。
これ、実際に紙と電子の価格を比較した上で判断している人ってどのくらいいるんでしょうね?確かに、紙と同じ価格で配信されている電子書籍も多いですが、モノによってはかなり安く配信されてたりもするんですよね。タイムセールとか、キャッシュバックサービスとか、ポイント3倍!とか、紙の書籍には無いような購入特典をやっているストアもあるのです。
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BOOK☆WALKERはこういうのが本当にうまいと思います。
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