ソニーReader for Androidがついに登場、ソニー製品専用ストアからようやく「マルチデバイス対応」へ進化

キタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!

実は eBook USER に寄稿している「電子書店完全ガイド」の順番が、次は Reader Store なんです。そう、まさに原稿書いている真っ最中でした。なんという素晴らしいタイミング。Xperia専用アプリからかなり仕様が変わっており、画面デザインも変わっているので、相当部分が書きなおし&スクリーンショットも撮り直しです。それでも、記事が完成して公開されてからリニューアルより遥かにマシなわけで。

というわけで、Reader Store の詳細レビューは来週後半くらいになると思いますので、もうしばらくお待ち下さい。ここでは Reader for Xperia との違いについて簡単にまとめておきます。

Reader(PRS-T2)端末は、お世辞抜きで素晴らしい出来だと思います。

文句を言うとしたら、ストアでの購入時に毎回MySonyIDとパスワードを入力しなければならないのが煩わしいくらいでしょうか。購入はパソコン・ブラウザからやれば、端末へはダウンロードするだけで済むのでその煩わしさも無くなります。

問題は、Reader for Xperia です。いや、正確には「でした」ですね。

昨日リリースされた Reader for Android の更新情報から引用します。

  • お好みの本棚(コレクション)を作成できるようになりました。
  • 同じタイトル、著者、ジャンル、出版社の場合に自動でまとめて表示する機能に対応。
  • 実際の本のようなページめくりを含む多彩なアニメーションページめくりに対応。
  • 最後に読んだページ位置やブックマーク(しおり)、ハイライトなどの情報を他の端末と共有できます。
  • 購入した書籍について書名や書影を添えて”Twitter”と”Facebook”に投稿することができます。
  • 機内モード時のWi-Fi接続の動作を改善しました。
  • アプリ内から直接”Reader Store”にアクセスできるようになりました。
  • フォントサイズ設定に以前のバージョンより更に小さいサイズを用意しました。
  • 小説をスマートフォンで閲覧する際の周辺余白を調整し、より多くの文字を表示できるようにしました。
  • 本体メモリー領域をなるべく消費しないように改善しました。

※太字下線はボクが追加しました。

つまり、これまでの Reader for Xperia にはこれらの機能が無かったのです。他の機能はともかくとしても、他の端末とブックマークや最後に読んだ位置が同期されないのは痛かった。だって「これからマルチデバイス化をしまーす」っていう最初の一歩で、複数端末で利用する大きなメリットの1つが欠けてたわけです。

Xperia でテストしてから他デバイスに展開して良かったね!!

と嫌味の一つも言いたくなるわけです。


微修正ですが嬉しかったのは、ブラウザでパスワード保存が効くようになったこと。

いままでは、ブラウザの設定でパスワード保存を有効にしていても、なぜか毎回 MySonyIDを入力しなければならなかったのです。アプリ内から直接アクセスする形に変えたからでしょうか。これで購入のたびに入力し直すという煩雑さから解放されることになりました。ID・パスの入れ直しって、萎えますよね。


そしてもう1つ。これは Reader for Sony Tablet の更新情報にだけ記載されているのですが

  • ファイルの取り込みを”Reader”フォルダに限定することにより、意図しないコンテンツが本棚に表示されないようにしました。

これ、「Readerフォルダからしか取り込みできないのは不便だ」というような意見もあるようですが、Xperia Tablet がどういう状態だったかというと……

上図は最初に Reader for Sony Tablet を開いた画面です。下段に書影が無いファイルがありますね。最初、何だこりゃ?と思いました。

ライブラリを開くとこんな状態でした。

再度開き直したら下図のようなエラー表示が出たので、原因がわかりました。BOOK☆WALKERのファイルを勝手に自動読み込みして、DRMがかかっているから情報を取り込めずに代替表示しているんですよ。つまりただのゴミ。

削除すればゴミ書影は消えましたが……

Reader for Sony Tablet を開くたびにエラー表示が出ます。サポートに問い合わせたところ、「仕様です、ごめんなさい」と言われました(;^ω^)

つまり、「Readerフォルダからしか取り込みできないのは不便だ」と感じてる人、ごめんなさい。たぶんボクがこの件でサポートへ問い合わせをしたから、仕様を変えたのだと思います。

ただ恐らく、ストレージ全体から自動的に対応フォーマットのファイルをチェックして取り込むというこれまでのやり方だと、どういうDRMなのかはファイルによって違うので、他ストアのファイルを読み込もうとして失敗するという事態を完全に防ぐのはかなり難しいのではないのかな? と想像します。


では、DRMフリーのファイルはどうか?

<対応フォーマット>

  • ”Reader Store”配信コンテンツ(.mnh):表示するには機器認証が必要です。
  • XMDF (.zbf)
  • ドットブック (.book)
  • EPUB (.epub):日本語EPUBフォーマットは、ファイルによって表示できない場合があります。
  • PDF (.pdf):PDF1.6仕様に準拠しています。

これら対応フォーマットのファイルを「Reader」フォルダに突っ込んで、メニューから「取り込み」をすれば、普通にビューアとして使うことができます。

残念なのは、JPEGやPNGなどの画像ファイルや、ZIPで固めたファイル(CBZ)には非対応なこと。要するに、自炊ファイルのビューアとしては使えない(PDFにするしかない)ということです。PRS-T2は画像ファイルにも対応しているんですけどねぇ……残念です。


最後。これは新バージョンで解消されているかどうか、まだわかりません。かなり面倒なので、試す気が起きません。たぶん解消されていないと思います。それは、機器登録の解除方法についてです。機器登録は最大5台までという制限になっています。

Readerアプリからログインすると、自動的にそのデバイスが機器登録されます。ログアウトすると、機器登録は解除されます。下図のように、マイページに登録機器の一覧がありますが、ここからは解除ができません。

そして、ログアウトせずにアプリを削除してしまうと、機器登録が残ったままになってしまうのです。再度インストールし、ログインしなおし、ログアウトすれば機器登録解除されるという仕様だったはずなのですが……

本機はすでに他のユーザーによって機器認証されています。

!?

どうやら、1台を複数のアカウントで重複して使うことができない仕様になっているようです。

ボクは記事を書くために新規アカウントを作成し、初めて利用する時のプロセスをスクリーンショットする、というような工程をあちこちの電子書店で繰り返しているので、正直言ってわけがわからなくなっています。ただ、記憶が確かならば MySonyID は1つしか作っていないと思うんです(※アテになりません)。

というわけで、よくわからないうちに5台の枠を全て使い切ってしまい、そのうち3台分は自分では解除ができないという状態に陥ってしまいました。サポートにメールをしたら、登録機器のID番号を送れば解除して貰えるとのことでした。ただ、そのやり取りと解除までには何日かかかりました(;^ω^)

ボクみたいにXperiaを通算3台持ってる人も珍しいでしょうけど、恐らく対応デバイスがAndroid全体(とVita)になったことで、今後こういう事故は珍しくなくなるのではないかと思われます。例えば、水没などで壊してしまった場合は、ログアウトして機器登録を解除なんてことはできないわけで。


この辺りの制限は、厳しくすればするほど普通に使っている人が不自由するという状況に陥りがちです。恐らくメーカーとしては、ユーザーが不便な端末など作りたくないはずです。だって、売れないから。

あくまで想像ですが、コンテンツを提供する側が「”絶対に”コピーや不正をされないような仕組みでなければ、コンテンツは提供しません。」というような理不尽な要求をメーカー側に突きつけているのではないでしょうか。以前、山田奨治さんの「日本の著作権はなぜこんなに厳しいのか」を読んだのですが、著作権審議会著作権分科会のメンバーでは、メーカーの意見はユーザー寄りなのです。メーカーはユーザーと著作権者の板挟みなんだと思います。

日本の著作権はなぜこんなに厳しいのか

日本の著作権はなぜこんなに厳しいのか

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山田 奨治

人文書院

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