出版業界関連の気になるニュースまとめ #89(2013年10月21日~2013年10月27日)

Nexus 7のhonto

出版業界関連でボクが気になった先週のニュースについて、コメントをつけてまとめていきます。電子出版界隈が中心です。先週は、Kindleストア1周年と「Kindle連載」開始が話題になっていました。

電子書店完全ガイド2013:ソニー「Reader Store」を徹底解剖する (1/5) – ITmedia eBook USER ※2013年10月21日

自分の記事ですが。1年前と比べれば進化しているのは間違いないのですが、相対的に比較するとどうしても「うーん」となってしまうという。

ももクロぴあ「印税虚偽報告」問題 内部告発文の一部を公開 : J-CASTニュース ※2013年10月21日

先週も取り上げた、ぴあの印税虚偽報告問題続報。内部告発によってバレたということのようです。とある漫画家の方がこの記事を見て、「もう信頼できないよね」と言っていたのが印象的でした。

16歳以上の米国人の43%はタブレット端末か電子書籍リーダーを所有(米国) | カレントアウェアネス・ポータル ※2013年10月21日

調査結果によると、回答者の35%がタブレット端末を、24%が電子書籍リーダーを所有しており、いずれかを所有している回答者は43%に上りました。

参考リンクに2012年1月時点の同機関による調査報告があり、その時点でも「いずれかを所有している」は29%だったようです。以前、米国での電子書籍リーダー出荷台数が急減しているという記事(縮小する電子書籍端末市場 消滅まであと何年?)がありましたが、普及率24%というのは凄い。

本日から:アップルが最新OS X「Mavericks」を無料配信 – ITmedia PC USER ※2013年10月23日

世の中的には「Mavericks」が無料配信されたことの方が大きなニュースだったようですが、ボクには「iBooks Mac版」が配信されたことの方が重要でした。これでMac OSには、公式のEPUBビューワが搭載されることになったわけです。WindowsやAndroidもはよ!

弐瓶勉『シドニアの騎士』に「同人OK」マークが付きました! – アフタヌーン公式サイト – モアイ ※2013年10月23日

赤松健さんの作品以外では初? でしょうか。

そして、漫画家として活躍しながら「同人マーク」の提案のため精力的な活動をされた赤松健氏に深い敬意を表します。

講談社アフタヌーン編集部がここまで踏み込んでいるというのが凄い。ただ、赤松健さんは知り合いのメジャー作家に「TPP(非親告罪化)が決まってからで良い」と説明しているそうです。

まだテスト期間中だから、ということなのだと思います。

消える書店:ネットに負け相次ぎ閉店 地域中核店も- 毎日jp(毎日新聞) ※2013年10月23日

倒産した書店の店長が「大きいのはネット書店の影響だ」とおっしゃっていますが、ネット通販経由で売れてる本は全体の8.2%(ガベージニュース)らしいのですけどね。元データは日販の「出版物販売額の実態」なので、信頼性は高いと思われます。いろんな数字を見る限り「雑誌が売れなくなったことや全国チェーンの大型書店の影響」の方が大きいのではないかと。

「電子書籍の父」富田倫生さんが遺したもの–日本が目指す方向性とは(前編) – CNET Japan ※2013年10月24日

「電子書籍の父」富田倫生さんが遺したもの–日本が目指す方向性とは(後編) – CNET Japan ※2013年10月25日

朝日新聞の林智彦さんによる、富田倫生さんへの弔辞。「青空文庫はオープン・プラットフォームである」こととの対比で、官僚主導や官民合同による数々の「日の丸電書プロジェクト」や、「コンテンツを商売のタネとしか見ていない」メーカー(シャープのXMDF制作ツールが仕様を急に変えたり有償化したり)を批判しています。

海外からの電子配信に消費税、14年4月に間に合わず :日本経済新聞 ※2013年10月24日

むしろコンテンツは非課税にして、流通促進を図るべきなのではないでしょうか? 欧州がそういう方向性を検討しているようですが。

ソニーの新型電子書籍リーダー「PRS-T3S」を使ってみた (1/2) – ITmedia eBook USER ※2013年10月25日

これまた自分の記事。反響で「ライトにこだわりすぎ」と言われてますが、人間の目は暗い場所では読めないのですから、こだわるのは当然の話だと思います。「ライトを内蔵する」という新提案をしてきた他社に対し、ソニーはあえてライト付きカバーという形で対抗してきたわけですから、比較をするのも当然、だと思うのですが。暗い場所でも照明が要らないとか、別途持ち運ぶ必要がないというのは、かなり重要なポイントじゃないですかね?

Amazon.co.jp: Kindleストア1周年・人気作家の皆さんからのメッセージ ※2013年10月25日

Kindle日本上陸1周年にお祝いメッセージを送った作家は、池井戸潤さん、伊坂幸太郎さん、横山秀夫さん、石田衣良さん、夢枕獏さん、湊かなえさん、五木寛之さん、大沢在昌さん、桜木紫乃さん、貴志祐介さん、森見登美彦さん、朝井リョウさん、赤川次郎さん、米澤穂信さん、冲方丁さん、桜庭一樹さん、心屋仁之助さん、池上 彰さん、押切蓮介さん、押見修造さん、嶋木あこさん、青木琴美さん、谷川ニコさん、若木民喜さん、乃木坂太郎さん、燈谷朔さん、松沢まりさん、 おがきちかさん、杉基イクラさん、武田弘光さん、赤松中学さん、石踏一榮さん、ひろやまひろしさん、平坂読さん、左京潤さん、竜ノ湖太郎さん、弓弦イズルさん、橘公司さん、松岡圭祐さん、あざの耕平さん、石田あきらさん、 榊一郎さん。なかなか壮観。

藤井太洋、うめらも参加:Amazon、Kindle Serialsの日本版「Kindle 連載」を開始 – ITmedia eBook USER ※2013年10月25日

最初にお金を払えば、新しいエピソードが自動配信されるという仕組み。連載終了後は、通常の本として販売されるようです。編集は出版社がやっていて、Amazonはノータッチみたいですね。雑誌の連載だと、「連載を読むためだけに雑誌を買わなきゃならない」みたいなことが起こるわけですが、これなら気になる作家、気になる作品だけを買うことができる。

人気漫画、電子書籍で170カ国に即時配信 講談社 :日本経済新聞 ※2013年10月27日

雑誌掲載と同時に英語版を配信って凄いですね。正規版がなかなか手に入らないから海賊版が横行するわけで、これは正しい海賊版対策になると思います。

本と街の案内所公式ブログ » 「電子書籍体験コーナー」今年も好評開催中です! ※2013年10月27日

神田古本まつりで、電流協が「電子書籍体験コーナー」をやっています。

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