2013年最後のエントリーは、年初に書いた「2013年に電子書籍関連でどんな動きがあるか予想してみる」がどれだけ当たっていたかを検証してみます。
予測:「iBooks Store」が早々にオープンする
もう少し早いかな?と思っていたのですが、Appleから公式発表があったのは3月6日でした。まあ、3月頭なら「早々に」と言えるのではないでしょうか。正解ということにしておきます。
予測:iBooksのAndroid対応なんていうサプライズは無い
Mac OSに対応はしましたが、AndroidやWindowsに対応するようなサプライズは、やはりありませんでした。ちょっと残念ですけど、これも正解。
予測:iBookstoreにエロが載ることはほとんど期待できない
「iBookstoreはひとたび配信開始した作品を、後で配信停止する場合がある(そして復活する場合も)」という記事で書いたとおり、「To LOVEる ダークネス」くらいのエロでも突然消される(そして復活することもある)という審査基準の厳しさです。これも正解。
予測:他に会員基盤を持っていないGALAPAGOS STOREや紀伊國屋書店Kinoppyほか独立系の電子書店は、正念場を迎える年
予想通り、Amazonは強かったし、iBooks Storeや楽天Koboはそれなりに健闘していると言えるのではないでしょうか。独立系の電子書店は、まさに正念場の年だったと思います。印象として、独立系ではBookLive!の攻め方が一番激しかったかな? 2014年に息切れしなければいいのですけど。NECビッグローブの「TOP BOOKS」が9月26日でサービス終了しているのが、ほとんど話題になっていないというのも印象的でした。
予測:中堅どころのどこかが今年の早い段階で、ソーシャルDRMの導入に踏み切る
これは予測を外しました。まあ、著作権者側の意向もあるので、電子書店側だけでやれることではないですよね。たぶん裏ではどこかが検討して、打診に回ってるのではないかと淡い期待をしておきます。
予測:リッチコンテンツ化が進む
目立ったところでは、Renta!のストーリー体感型”感じる電子コミック”「ReComic」や「MANGAPOLO」による漫画の再編成動画が挙げられますが、正直、まだあまり大きな動きにはなっていないような気がします。
予測:セルフパブリッシングのサービスが脚光を浴びる
KDPがいろいろ話題になったのは確かですが、「サービスが脚光を浴びる」というのはもっと様々なサービスが出現することを予測していたので、あまり「当たった」とは言えないかも。
ただ、JEPAが12月20に開催した、電子出版関連メディアの方々によるパネルディスカッション(「電子出版関連メディアの編集長が熱弁、2013年のトレンドと来年注目すべき点」を参照)でも、みんなが口々にセルフパブリッシングのことを言っていたのは印象的でした。期待が大きいというのもあるんでしょうね。
予測:文章を書ける人、イラストを描ける人、音楽のできる人、プロデュースができる人を、うまくマッチングするようなサービスが生まれてくる
「クラウドワークス」や「ランサーズ」といったクラウドソーシングサービスが伸びてきていますが、「うまくマッチングするようなサービス」と言ってもいいんでしょうかね? 正直、「創作」という方向とはちょっと違うので、イマイチな感じがしているのですけど。ハズレということで。
予測:SNSで出会った、実際に顔も合わせたことがないようなメンバーで、ひとつの作品を生み出しそれがヒットするという事例が、「電子書籍」「電子出版」という枠組みを超えてどんどん出てくる
事例がないわけではないと思うのですが、「ヒットする」「枠組みを超えてどんどん出てくる」というところまでは至っていないような気がします。これもハズレということで。
予測:そんな中で、ボクも一端を担えたらいいなと思います。というか、そういう一年にしたいです。
9月1日に日本独立作家同盟を設立し、呼びかけ人として活動を始めました。年明けから定期刊行物の発行など、本格稼働予定です。元旦に立てた自分の今年の目標が、いちおう形になりつつあると言っていいのではないでしょうか。これは当たりということにさせて下さい。
さて、2014年はどんな年になるでしょうか。みなさま、よいお年を。