毎週月曜恒例。出版業界関連の先週のニュースで、ボクが気になったものにコメントをつけてまとめていきます。電子出版界隈が中心です。先週は「NTTソルマーレの『地球書店』サービス終了」「Sony『Reader Store』北米から撤退」などが話題になっていました。
【新文化】 – CCC、書籍売上高1130億円で過去最高に ※2014年2月3日
大型店を相次いで出店したわりに、前年比3.0%増(+21億円)というのは良いのか悪いのか。ちなみに紀伊國屋書店の第119期(H24.9.1~H25.8.31)売上高は1071億7251万円なので、CCCがリアル書店国内1位ということに(2012年以降2年目かな?)。
スマホ向け電子書籍ストア「地球書店」終了 購入代金を「コミックシーモア」ポイントで返金 – ITmedia ニュース ※2014年2月4日
ローソン「エルパカBOOKS」との大きな違いは、サービス終了後も購入済み作品の閲覧は可能なところと、同じ会社が運営している「コミックシーモア」への移行ができるという点。同じ会社なんだから、購入履歴からデータを引き継いでくれよと思わなくもないですが、そこに労力をかけるよりポイントで還元する方法を選んだということでしょう。
というか、同じ会社で同じようなサービスを、別チャンネルで運営していたのがおかしな話だったような気もするのですが。
hon.jp DayWatch – 楽天グループの加Kobo社がCEOを交代、楽天本社の相木孝仁氏が着任か ※2014年2月5日
どうやらそろそろストック・オプションの行使時期らしく、創業メンバーの入れ替わりが起きそう。今後ますます楽天色に染まっていくのでしょうね。
お知らせ|Reader™ Store|ソニー: 今後ご提供予定のサービスのほんの一部をご案内 ※2014年2月7日
春から夏にかけて、iOSの書籍対応と自動配信・パソコン対応・Vitaの雑誌や書籍対応が予定されているそうです。このお知らせ、2月7日の0時ジャストに配信されています。今後のロードマップ的なお知らせが出るのは珍しいな、と思ったら……
ソニー、電子書籍ストアを北米市場から撤退。ReaderユーザはKoboへ移行対応 – Engadget Japanese ※2014年2月7日
3時間後にこういう報道が。こちらは引き継ぎ先がちゃんと手当されているのが従来のサービス終了との大きな違い。新型端末PRS-T3は北米だけ発売されなかったので、既定路線ではあったのでしょう。KoboはBorders Groupが倒産した時にユーザーを引き継いでいる実績がありますし、同じDRM(Adobe RMSDK)を使っているから引き継ぎやすいというのもあるでしょう。これが日本国内だとDRMがバラバラなので、そう簡単にはいかないという……。
しかし、Engadget Japanが酷いのは
更新:日本の Reader Store に、「今後ご提供予定のサービスのほんの一部をご案内」なる告知が掲載されました。
「今後ご提供予定のサービスのほんの一部をご案内」はEngadget Japanの第一報より先に出ているのに、この書き方はないと思う。
でも、あちこちの反響を見ていると「日本でもいずれ撤退するだろう」とか「よりによって楽天Koboかよ」という意見がかなり目について、一般ユーザーの受け止め方ってどうしてもそうなっちゃうよなーという気も。
「これだからAmazon以外は信用できないんだ」という声もありますけど、Amazon Kindleは垂直統合型システムで独自フォーマット・独自DRMですから、もし何かあったら囲い込まれたユーザーが逃げられない状況に陥るのは他の電子書店と大差なかったり。
( ´-`).。oO(どうすれば皆さんが安心して電子書籍を楽しんで頂けるかをずぅ~~っと考えている、電子書籍事業を始めた15年位前から、ずぅ~~~と…
答えははっきりしている、でも一社では出来ない…まだ、時間は掛かるかもしれませんが、そんな遠い先ではないと思っています)
— SHARP GALAPAGOS【公式】 (@SharpGalapagos) 2014, 2月 7
この問題を解決するには「本棚連携」とか「DRMフリー(もしくはソーシャルDRM)」といった手段が考えられるのですが、それには電子書店側ではなく著者や出版社側の意向が大きく関わってくるのですよね。