「アメリカ離脱のTPP11で著作権保護期間延長は凍結対象なのに政府方針で延長へ」「ニコ動会員減少加速」など出版業界関連の気になるニュースまとめ #309(2018年2月5日〜2月11日)

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先週は「アメリカ離脱のTPP11で著作権保護期間延長は凍結対象なのに政府方針で延長へ」「ニコ動会員減少加速」などが話題に。毎週月曜恒例の、出版業界関連気になるニュースまとめ、2018年2月5日〜2月11日分です。

講談社、マンガ投稿サイトで才能発掘 編集者が全作品にコメント〈ITmedia ビジネスオンライン(2018年2月7日)〉

講談社もマンガ投稿サイトに参入。あれ? DeNAとタッグを組んでた「マンガボックス」はどうするんだろう?

「ニコ動」有料会員、減少ペース加速 3カ月で14万人減〈ITmedia ビジネスオンライン(2018年2月8日)〉

記事では「ニコ動」有料会員の減少ペース加速という事象に重点が置かれていますが、昨年末に発表された「niconico」の新バージョン(く)がユーザーからの失望感を招いていたので、会員減少ペースが加速したのはある意味予想通り。IR資料を確認してみると「Webサービス」部門は前期比大減益ですが、辛うじて利益は出ています。「出版」部門の売上は前期比微増ですが、所沢への投資(POD印刷機の導入)などでやはり減益になっています。なお「所沢プロジェクトへの設備投資は今年度第4四半期に集中」とあり、次の決算発表も厳しい数字が出てくることが予想されます。ただ、大幅投資は今期で終わるはずなので、来期(2019年3月期)では大幅改善されるのではないでしょうか。

違法サイトにどう対抗?『ドラゴンボール』鳥嶋さん、マンガ好き吉田尚記アナの答え〈ダ・ヴィンチニュース(2018年2月9日)〉

「ドクターマシリト」こと白泉社社長・鳥嶋和彦氏と、「マンガ大賞」発起人でニッポン放送アナウンサー・吉田尚記氏、弁護士・桶田大介の座談会。立ち読み防止のシュリンクが、書店から読者の足を遠ざけているかもしれない、という意見には賛成。ただ、作品発表の場としてウェブマガジンやアプリが登場しているが? という問いかけに対し「より愛着があって面白いと感じる作品はどちらに多いですか? ほとんどの人はマンガ誌に連載されてきた作品のはず」とか「ウェブコミックや同人誌のオリジナルものできわ立ったキャラクターの魅力を感じたことはまだあまりないかもしれない」という意見が出てくることには、ちょっと疑問を付けたいところ。ちゃんと編集者が伴走しているウェブ発作品も、いまではいろいろ出ていると思うのです。

岐阜)関市が県内初の電子図書館オープン〈朝日新聞デジタル(2018年2月9日)〉

「電子図書館オープン」のニュースを見たら、どこが運営しているか気になるのでウェブサイトを確認するようにしているのですが、こちらは「OverDrive Japan」でした。ラインアップは英語の絵本が中心。

TPP、10法の改正案提出へ 施行日修正が中心、常任委で審議〈SankeiBiz(2018年2月8日)〉

小説や音楽の著作権「作者の死後70年」に延長〈読売新聞(2018年2月10日)〉

小説や音楽の著作権、作者の死後70年に 20年延長方針〈日本経済新聞(2018年2月10日)〉

著作権保護期間の延長には反対論も多いのに、結局、改めて国内ではろくに議論することなく延長が決まってしまいそうです。TPP協定時の秘密協定で、なし崩し的にアメリカの要求に対し譲歩した路線が、そのまま日欧EPAでも、TPP11(もしくはCPTPP)でも踏襲されてしまいました。こういうやり方するんですねぇ……。


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