毎週月曜恒例。出版業界関連の先週のニュースで、ボクが気になったものにコメントをつけてまとめていきます。電子出版界隈が中心です。先週は「Amazonによるアダルト作品の排除強化」「抗議で中止していた国会図書館の資料公開を一部再開」などが話題になっていました。
それは、まだ誰も見たことのない、消費税増税の物語:消費税増税がよく分かるマンガ「消費税8% きたか☆マダカ」 – ITmedia eBook USER ※2014年1月6日
トキワ荘プロジェクトによる「魔法少女まどか☆マギカ」パロディの、消費税増税がマンガ家に与える影響を描いた漫画です。1月28日まで期間限定でダウンロードできます。
【新文化】 – 文教堂GHD、ソニーMDとコラボ ※2014年1月6日
文教堂の、紙の雑誌を買うと電子版が無料で貰える「空飛ぶ本棚」の、ちょっと違った展開。店頭で配布されるしおりに記載されたクーポンコードで、平井堅のプロモーションビデオが見られるそうです。
詩と短編を集中的に取り上げるAmazonのDay Oneレーベル – ITmedia eBook USER ※2014年1月7日
Amazon公式の文芸雑誌「Day One」が始まりました。日本にはいつくるか。いまのところアマゾン・ジャパンが編集まで踏み込んだケースはない(Kindle連載は出版社系と自己出版)ので、しばらくないかな? と思っているのですが。俳句・短歌・詩を発表する場として機能すると、結構喜ぶ創作者が多い気がするのですが。
ヴィレッジVの14年5月期、最終赤字10億円 既存店不振 :業績ニュース :企業 :マーケット :日本経済新聞 ※2014年1月7日
書籍と雑貨の複合店、ヴィレッジヴァンガードの収益が悪化しています。決算資料によると「書籍」の売上構成比は1割強といったところで、「遊べる本屋」ではなく「本も売ってる雑貨屋」というのが正しい姿でしょう。
(重要)ダ・ヴィンチ電子ナビ 会員サービス終了のお知らせ | ダ・ヴィンチ電子ナビ ※2014年1月7日
本棚サービス、書籍レビュー投稿サービス、記事コメント投稿サービスが終了するそうです。過去データはファイル(CSV形式/文字コードUTF-8)で提供されるとのこと。ブクログにはCSVのインポート機能があるので、スムーズに移行できるかな?
電子書籍で月100万円超売り上げる主婦も登場! 日本でも見えてきた“稼げる個人出版”の可能性|デジライフNAVI|ダイヤモンド・オンライン ※2014年1月8日
エブリスタの話題が、経済誌系ニュースになっています。印税率が期間限定で80%だった(1月1日から49%)とはいえ、月100万円は凄い。ケータイ小説系を基盤としているだけあって、人気のジャンルは「サバイバルホラー」「大人の恋愛系」「キャラクターミステリー」だそうで。ユーザー層は20代~40代の女性が中心かな。
hon.jp DayWatch – Amazonによるアダルト電子書籍の排除強化、「Eroticaカテゴリに移動し、検索対象から外す」という手法を活用 ※2014年1月8日
小説内にセックスシーンがあることから「Erotica」カテゴリに変更されたことを知り、Amazon社KDP窓口に再考を促したが受理されず、検索対象からも外されたとのこと。
Amazonもやはり、アメリカ企業だな、という感じ。Appleと同様に、アダルト系は迫害される傾向にあるようです。いきなり消されるよりマシ?
Googleブックス訴訟、Authors Guildが控訴 | カレントアウェアネス・ポータル ※2014年1月8日
フェアユースとして認定されたことで、長年の訴訟もついに決着か? と思われたのですが、結局 Authors Guild が控訴して裁判継続に。
オーディオブック配信サービス「FeBe」、10万ユーザー突破 – ITmedia eBook USER ※2014年1月9日
オーディオブック市場は、ドイツでは電子書籍市場より伸びているそうですが、日本でもじわじわと広がりつつあるようですね。
国会図書館、出版社の抗議で中止していた資料の公開を一部再開へ – ITmedia ニュース ※2014年1月7日
このニュース、J-CASTでは「著作権切れ書籍データのネット公開停止 出版社側からの抗議に国会図書館が折れる」というタイトルで話題になっていましたが、事実関係を的確に表しているのはITmediaのタイトルだと思います。国立国会図書館の報告書を見ると、苦労が偲ばれる……。
米テキサス州にオープンした“紙書籍フリー”な電子図書館「BiblioTech」、年間来場者10万人のペース – ITmedia eBook USER ※2014年1月8日
結構繁盛しているようです。ただ、最初は物珍しさで人が集まると思うので、このままのペースで行くことはないと思うのですが。「建設コストや維持コストが大幅に安い」というのも、どうなんだろう? 電子図書館サービスの利用料(コンテンツの仕入れ)や、端末の経年劣化や故障がどの程度になるか次第だと思うのですが。
【新文化】 – トーハン「c-shelf」キャンペーン、電子書籍にも付録 ※2014年1月9日
これは面白い試み。「リアル書店で電子書籍を販売」だからこそ、できることです。ただ、付録の在庫数というネックがあるので「先着×名様」になってしまうとは思うのですが。
まどか☆マギカ特別号、電子書籍化――全表紙収録と声優対談増量 – ITmedia eBook USER ※2014年1月10日
取り扱いがhonto、GALAPAGOS STORE、mibon(未来屋書店)の3店舗だけ。なぜだろう? と思ったら、どうも報知新聞社と取引があるのが現状ではこの3店舗だけのようで。
mibonでの配信が一番早かったようですが、アカウントを持っていないので、2番めに配信されたGALAPAGOSで買ってみました。画質がめっちゃ良いです。たぶんこれ、4K画像じゃないかな?
1面左下の「報知新聞」ロゴやバーコードがある辺りを拡大してみました。この画像で表示されているのが、全体の16分の1くらいです。この細かい字まで全く破綻なく読めるというのは凄い。
電子書籍を独力で出版して1年で100万円以上を売り上げた著者が語るコツ7つ – GIGAZINE ※2014年1月10日
メーリングリストが有効的に機能しているというのが興味深い。Twitterで直接買ってもらうのではなく、メーリングリストへの登録を促すというやり方だそうで。日本だとあまり聞かないやり方ですね。
フランスの‘反Amazon法’が成立すると送料無料がなくなる–それで個人書店は持ち直すのか? | TechCrunch Japan ※2014年1月11日
1981年の制定当時は、個人書店を大型書店チェーンから守ることが目的とみなされていた。法律は功を奏し、今でもフランスでは個人書店が健在だ。それにその後、イタリア、ポルトガル、スペイン、ドイツなどでも本の定価制を法律で保護するようになった。
日本はずっと前から定価販売なのですが、個人書店はどんどん潰れてしまってますね……何が違うんだろう?
入手困難資料のデジタル版、全国の図書館で閲覧可能に 国会図書館が配信 著作権法改正で – ITmedia ニュース ※2014年1月10日
従来は「国立国会図書館の端末で閲覧」か「ウェブで無料公開」の2択だったのですが、「国会図書館が承認した公共図書館の端末」でも見られるようになります。11月の図書館総合展で国立国会図書館の方がアピールしていましたが、93館から利用申請があったのですね。電子図書館サービスよりは、前向きに受け止められているということかな?
Google Play ブックス Android版が、EPUBのサイドロードにようやく対応 ※2014年1月10日?
ボクが気がついたのは1月10日だったのですが、年末辺りのアップデートで対応していたようです。AndroidでEPUBを開こうとしたとき、Google Play ブックスもインテント機能の連携対象になりました。
上図はDropboxからEPUBをダウンロードした状態。いままでこの画面に Google Play ブックスがなかったのです。正直「やっとかよ!!」という感じ。
しかし、やっと対応したとはいえ、すぐ開くのではなくGooglePlayのマイブックスへアップロードするというステップを踏まなければならないのがストレス。その場ですぐ開けて、バックグラウンドでアップロードする形にすればいいのに。