電子書籍ストアレビュー「honto」リニューアル(bk1融合)後 ※追記アリ

※末尾に重要な追記があります。

以前レビューをした「honto」が昨日、オンライン書店「bk1(hontoへリダイレクトされます)」と融合しリニューアルしたので、再度レビューします。ドコモ向け専用の「2Dfacto」は、今回はチェックしませんのでご了承下さい。

案内メールから、リニューアル内容を引用します。

今までの電子書籍サービスに加えて、下記のサービスが登場しました。

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1.hontoポイント

電子書籍・通販サービスの他に、提携書店でも貯まる!使える!サービス実施

店舗は順次拡大中です。

2.通販サービス

紙の本、CD、DVDなどの通販サービスが利用可能に!

3.書店サービス

丸善・ジュンク堂・文教堂の店舗検索はもちろん、

イベント情報や店舗情報もサイトからチェックできる!

4.電子書籍ギフト

お好きな電子書籍を、家族や友人にプレゼントできるサービスを追加!

5.マイストア・マイ本棚

あなただけへのおすすめ書籍を紹介する「マイストア」、

hontoや提携書店で購入した書籍が自動的に反映される「マイ本棚」など、

本好きに嬉しいサービスも!

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さらに、ビューアアプリの操作感も改善。

機能も強化されており、ご利用いただきやすくなりました。

リアル書店、ネット通販書店、電子書籍ストアを融合した形のサービスに生まれ変わった、ということになります。同じようにハイブリッド型の書店になっているのは、かなり評価の高い「紀伊國屋BookWeb」があります。後は他のシステム・サービスがどの程度改善されただろうか?というのが焦点になるでしょう。

レビューは今までどおりこちらの記事の

・ラインナップが充実していること

・読みたい本を簡単に探せること

・簡単に買えること

・いつでもどこでも簡単に読めること

・いつまでも保管できること

という5つの要素に基づいて行わせて頂きます。

※このレビューは投稿時点でのサービス内容に基づいています。

ラインナップは充実しているか?

相変わらず総数はどこにも記載されていません。ただ、ジャンル別に絞り込んだ時に「以上」という表記が無くなり、実数が表示されるようになったようです。ただ、やっぱりジャンルは重複登録されている(詳細ページの一番下に表示)ので、下記の数字を合計すると延べ件数になってしまいます。

大ジャンル 中ジャンル 件数
小説・文学 小説 8,661
日本の小説・文学 131
アジアの小説・文学 12
欧米の小説・文学 175
その他海外の小説・文学 9
小説研究・書き方 32
詩歌 68
戯曲・シナリオ 23
文学論 29
エッセイ・自伝・ノンフィクション エッセイ 1,526
人生訓・人間関係・恋愛 123
紀行・旅行記 140
伝記 343
姓氏・家譜・家紋 1
ノンフィクション・ルポルタージュ 2,035
経済・ビジネス 経済 445
経営・ビジネス 2,029
マーケティング・広告 4
金融・通過 202
投資・資産運用 1
産業 77
コンピュータ・IT・情報科学 システム開発・設計 1
オペレーティングシステム 4
ソフトウェア 16
ネットワーク 5
インターネット 34
ハードウェア 13
IT産業 235
コンピュータ資格 1
社会・時事・政治・行政 社会思想・政治思想 1
社会・文化 115
社会・時事 561
地域社会・地域開発 1
政治・行政 178
外交・国際関係 68
国防・軍事 33
コミック 少年コミック 784
青年コミック 1,773
少女コミック 1,356
女性コミック 1,777
その他 52
内容別ジャンル 8,124
フィルムコミック
イラスト集 12
エンタメ・テレビ・タレント 芸能・タレント 3
テレビ番組 2
タレント写真集 908
暮らし・実用 家計 70
工作・手芸・クラフト 2
食・料理 243
住まい・インテリア 47
妊娠・出産・育児 175
健康・家庭医学 250
美容・ダイエット 122
ファッション 30
冠婚葬祭・マナー 57
ペット 45
生き方・ライフスタイル 514
芸事・お稽古 2
ガーデニング・園芸 11
占い 110
雑誌 総合誌・文芸誌 34
経済・ビジネス 168
コンピュータ・情報科学 45
女性誌 32
家庭・生活誌 110
児童誌 1
男性誌 43
コミック・ゲーム・アニメ 37
スポーツ 28
乗り物 4
趣味 119
エンタメ・アート 32
旅行・観光 80
教育・語学・学習 31
社会・政治・時事・法律 22
自然科学 2

(※2012.5.18時点)

以前は大ジャンル・小ジャンルという形でしたが、中ジャンル分類が追加され、小ジャンルは以前よりさらに細かく分類されています。上の表では細かくなり過ぎるので小ジャンルは省かせて頂きました。

ちょっと「アレレ?」と思ったのが、以前は「ライトノベル」が1,174件あったはずなのに、今回は613件に減っています。また、以前は数千件数あった「官能」「ボーイズラブ」「ハーレクイン」などのジャンルが消滅しています。本が無くなったわけではなく、例えば「青年コミック」「ラブコメ」のジャンルにエロ漫画が登録されていたりします。

ちなみに上図の書籍は、年齢認証する前から見られました。いいの?これ。

読みたい本を簡単に探せるか?

上記からの続きになりますが、わざわざジャンル分類をしなおしたわりには、「何でこのカテゴリーが中ジャンルなの?」とか「なんでこの本がこの小ジャンルなの?」と首をかしげたくなります。

とくに、売れ筋であるアダルト系ジャンルが消滅していて絞込みできないのは、わりと致命的なのではないかという気がします。もしかしたら、見た目だけアダルトジャンルを無くしたように偽装しておく必要があったのか?と思えるほど不可解です。

ちなみに絞込みをしていくと、左カラム「商品の絞込み」の一番下に、「アダルト商品を含めて再検索する」というリンクが表示され、クリックすると年齢認証の画面にになるのですが、前述の通り年齢認証する前からどう見ても18禁の書籍が普通に見られるので、無意味な状態になっています。どうしてこうなった!

はっきり言って、「セーフサーチ」のロックまで対応している「BookLive!」と比べると、親が子どもに利用させることはあまり考慮していないのだろうな、という気がします。個人的には、エロや暴力を子どもの手の届かないところに隠したところで子どもの好奇心を抑えることなんかできないと思っているのでこういうシステムでも構わないのですが、恐らく世の中の大半の親御さんたちは、きっちりゾーニングされていないと嫌がるでしょうね。ただのバグであることを祈ります。

トップページは[ネットストア][電子書籍ストア][店舗情報]という3方向に別れており、[ネットストア]では通販を、[店舗情報]では提携している丸善・ジュンク堂・文教堂のキャンペーン情報が見られるようになっています。

[ネットストア]側から検索すると、このように「本」と「電子書籍」が混在する形で検索結果が表示されます。

検索結果の上のタブから、「本」または「電子書籍」の絞込みができます。紙と電子版の両方が存在する場合、紙には「電子版で購入する」というリンクが、電子版には「紙書籍で購入する」というリンクが表示されます。価格もばっちり同時に表示されているので、どっちがお値打ちかを簡単に比較できます。これは便利。

ちなみに[ネットストア]の一番上には「本」「雑誌」「コミック」「Music」「DVD」「その他」というタブがあるように、音楽CDやDVD・BDの購入もできるようになっています。Amazonに対抗するつもりでしょう。試しに「ゼロ魔F」のブルーレイをチェックしたら、定価(7,140円)のままでした。同じ商品がAmazonだと4,870円です。残念!

[電子書籍ストア]から検索すると、このような画面になります。

こちらの場合、最初から[電子書籍]で絞られた状態の検索結果が表示され、「本」への誘導はありません。

さて、いろいろ試していたら、年齢認証以外にも妙なバグ(?)を見つけてしまいました。

こちらは[ネットストア]から検索して開いた「ゼロの使い魔」電子書籍版の詳細画面です。

そしてこちらが[電子書籍ストア]から検索して開いた「ゼロの使い魔」電子書籍版の詳細画面です。

[電子書籍ストア]から開いた詳細画面には、「立ち読み」ボタンがありません。対応デバイス一覧がありません。「ギフト購入する」ボタンがありません。「欲しい本に追加する」ボタンがありません。SNSへの共有ボタンがありません。紙書籍の価格や紹介ページへのリンクがありません。お気に入り登録もできません。逆に、[ネットストア]から開いた詳細画面には、「このシリーズの最新商品」や「このシリーズの商品ラインナップ」などのリコメンドが表示されません。なんだこりゃ。……ただのバグであることを祈ります。

ちなみに「本」の詳細画面では、電子書籍が存在しない本の場合「電子書籍化を希望する」というボタンが付いています。ここからリクエストすると、出版デジタル機構での電子書籍化が早くなる、のかもしれません。

あと、「バリューコマース」のアフィリエイトサービスに対応したようです。

簡単に買えるか?

ここまでのところでぐったりしてしまったので、新規会員登録は試していません。ヘルプを見たら、支払方法からWebMoneyが消えていました。なんでやねん。

いつでもどこでも簡単に読めるか?

ヘルプを見る限り、対応デバイスは変わっていません。端末登録最大3台の制限も、変わっていません。

いつまでも保管できるか?

ヘルプを見る限り、1年間のダウンロード期間を過ぎると再ダウンロードできなくなる仕様や、ダウンロードした端末から移動できない仕様も変わっていません。


結論

「bk1」と一緒になって、本と電子書籍が同じ土俵で比較して選べるようになった、という点以外は魅力がありません。バグなのか仕様なのかわかりませんが、サイトも使いづらい。申し訳ないけどこのリニューアルは、本当にひどい。レビューのためだから我慢してあれこれ触って試しましたが、そうじゃなかったらすぐに放り出したくなるレベルです。バグならさっさと直さないと、ユーザーがどんどん逃げていくと思いますよ。そして二度と戻ってきません。「紀伊國屋」や「BookLive!」が採用している「クラウド本棚」に対応しないのも、ユーザーのことを考えていないからでしょう。いや、ほんとにダメ。

[2012.9.21追記]

ずっと「ダメだ」「ダメだ」といい続けていたhontoですが、そのダメな最大の理由である再ダウンロード期限がついに撤廃されました!!これ、評価ガラリと変わります。

以前の[マイページ]の[ダウンロードリスト]はこんな感じでした。

これが、こうなりました。

つまり、今後新しく購入する書籍だけではなく、過去購入した書籍の期限も撤廃され、期限切れになっていた書籍も今日から再ダウンロード可能になったのです。これは嬉しい。

これで完全に「使ってはいけないストア」リストから外れました。今後、ストア横断型レビュー(アニメ原作とか)をやる際には、対象に加えることにします。

いやほんと(シャレじゃなく)、やっとオススメできるストアになりましたよ。

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