気になるニュースまとめ #44[出版関連・電子書籍](2012年12月10日~12月16日)

(※写真:写真素材 足成より)

「紙書籍・電子書籍」関連でボクが気になった先週のニュースについて、コメントをつけてまとめていきます。毎週月曜配信。

BookLiveが電子書籍リーダー端末「Lideo」発売 記念イベントにはピースの2人も – ITmedia eBook USER ※2012年12月10日

端末レビューを寄稿しています。

Kindle ダイレクト・パブリッシングを考える : ARTIFACT ―人工事実― ※2012年12月12日

Amazonと直接やる場合、面倒な手続きをしないと源泉30%引かれてしまうのと、ドル建て支払いなので送金手数料が意外とでかい点が痛いです。パブーを通じても同じ35%ですが、月額500円かかるのと5冊までという上限があるので、著書が少ないうちはパブーを使うのがいいかも。

『FLASH』が発売日に40%オフで読めるAndroidアプリ登場 – ITmedia eBook USER ※2012年12月12日

紙版と同じ日に40%オフで配信するというのは、相当な冒険だと思います。頑張ったなあ。あとは、バックナンバーを少しづつでいいので安くして欲しいですね。過去記事でどうしても1つだけ読みたいという場合に、100円くらいなら「まあいいか」と思えますけど、定価の250円を古い週刊誌に支払うというのはかなり抵抗感があります。

紙より本当に魅力的? 電子書籍「10の疑問」 :日本経済新聞 ※2012年12月12日

意外と良記事でした。やはり日経の購読者層に分かりやすく伝えようと思うと、「自社端末を販売しているところ」というのを取っ掛かりにして組み立てるしかないのかなあ……自社端末あるのにスルーされたGALAPAGOS(ノД`)シクシク

Koboが目指す電子書籍のオープンな未来とは? – ITmedia eBook USER ※2012年12月12日

まつもとあつしさんによるKoboのマイケル・サビニスCEOインタビュー。確かにEPUBはオープンフォーマットだけど、DRMで囲い込んでたらオープンじゃないよね?という問いかけに対する答えがこれ。

われわれが提供する読書体験は、Koboだけでなくサードパーティーにも提供していきたいと考えています。そこでは確かにDRMの有無が問題となりますが、それを選択するのはわたしたちではなく、出版社や著者(コンテンツクリエイター)です。

「そりゃそうだ」と苦笑い。しかし、プラットフォームとしては、「出版社や著者の意向」に沿いつつユーザーに不利益にならないような別の手段を提案しなきゃならないのでは。「ウチのせいじゃないもーん」って逃げてるようにしか見えないですよ。

eBook USER読者調査結果:電子書籍ユーザーが期待を寄せるのはiPad miniとKindleストアだった – ITmedia eBook USER ※2012年12月12日

プレゼントキャンペーン応募時のアンケートなので、無作為抽出ではないことに留意する必要があります。つまりこのデータは、eBook USERの読者傾向であるということです。つまり、iPad mini関連の記事を書くと読まれ(ry

それにしてもKindleストアに対する期待値高いなあ……。

iPad版「ebiReader」が.bookやXMDFに対応 – ITmedia eBook USER ※2012年12月13日

eBookJapanが独自フォーマットだけではなく、他社フォーマットのコンテンツも配信するようになりました。次はEPUB対応と、トランクルームの改善かな?

それは“ライブ会場”のような電子書籍――「ぷよぷよ」米光氏らが作る「電書カプセル」とは (1/2) – ITmedia eBook USER ※2012年12月13日

紙へ印刷したら取り返しがつかないので、印刷する前の段階でなるべく完成度を高めておくというのが従来の出版でした。「電書」の場合アップデートは容易いので、むしろプロセスまで見せちゃう形にして集客に利用した方がいいのかもしれませんね。面白い試み。

角川、全作品をGoogle図書館プロジェクト対象外に – ITmedia eBook USER ※2012年12月13日

GooglePlayブックスの中身がほとんど更新されていないという事実と、このニュースを関連付けて考えてみました。今このタイミングでこれをわざわざ発表する意味がきっとあるはず。

恐らく、GooglePlayブックスになかなかコンテンツが集まらないのは、GoogleBookScanプロジェクトによって日本の出版社にはGoogleに対する強い不信感があって、「GooglePlayブックス」はアレとは別なのだということを説明しても耳を傾けてくれないというような状況があるのではないかと想像します。

そこで、比較的Googleとは関係が良好な角川グループと相談して、「お付き合いのある角川でも、Googleブックス図書館プロジェクトは参加しませんよ」というのを明示することで、少しでも他の出版社に対し疑念を晴らそうという努力をしているのではないかと。あくまで想像です。

デジタル時代に「出版=清貧」は通用しない « マガジン航[kɔː] ※2012年12月13日

アメリカの出版社と図書館の関係についての記事。貸し出し回数はベストセラー本でも年間14回程度とか、図書館で借りた人が同じ本を購入する率が35%というデータが興味深いです。図書館はプロモーションの役割を果たしているわけですね。

hon.jp DayWatch – 京セラ丸善システム、法人向け電子雑誌配信サービス「qlip it!(クリップ イット)」をスタート ※2012年12月13日

ビジネスとして考えると、企業向けに特化した形のサービスというのは「上手い」と思います。

iSuppliがE-Readerに“死亡宣告” « EBook2.0 Magazine ※2012年12月13日

「IHSはたんに出荷統計からの外挿(がいそう)でものを言っているに過ぎない。」という批判記事。「iPhone1台でなんでもできるようになった」のはいいけど、電池が切れたらオシマイというのもまた事実。iPhoneが登場しても、iPodは生き残っているわけですもんね。

「子供より親」のアマゾン定額サービス « EBook2.0 Magazine ※2012年12月13日

Kindleが定額制サービスを展開し始めたことの意味に関する考察。上記の「qlip it!」もそうですが、特定のターゲットを狙ったサービスは定額制と相性が良いのではないかと思います。

2013年のE-Book大予想(1) « EBook2.0 Magazine ※2012年12月13日

3番目の「プラットフォーム間の移動が問題となるだろう。」が、来年の最も大きな問題になると思います。恐らく来年は、いまは乱立している電子書店が、小さくて特徴の無いところから潰れていくと思います。閉店電子書店の顧客を奪い合う(サービス競争になる)ことで、うまく救済されるようになるといいのですが……。

SONYがドイツで電子書籍配信ストアを開設-DRMではなく電子透かしでの著作権管理に注目 | 電子書籍NOW! ※2012年12月13日

日本でもはよ! まだAmazonがやってないことだからこそ、活路ですよ。

電子書籍利用率、タブレット端末保有者では約4割に – ヒット研究所 – 日経トレンディネット ※2012年12月14日

末尾の調査概要見る限り、無作為抽出ではないことを留意する必要があります。が、それにしたって、タブレット端末を持っていても、電子書籍を読むのに使わない人が6割いるというのが衝撃。回答者はほぼiPadだと思うんですが、じゃあどういう用途で使ってるんだろう?という疑問が。

Amazonのゴリ押し大量物流で、佐川・日本郵政が限界に!?(1/3) | ビジネスジャーナル ※2012年12月14日

ダイヤモンド編集部によれば、Kindleとkoboの端末性能もコンテンツもほぼ同じだという。

えっ

……まあ、ダイヤモンド編集部にとってみたら、「どんぐりの背比べ」ってことなのかも。

日本とどう違うのか 米国の電子書籍生活 :日本経済新聞 ※2012年12月14日

ともかくシンプルに読書だけしたい人、1週間に何冊もの本を読む人は、かえって単一機能の電子書籍リーダーを好む傾向がある。

汎用端末だと、例えばメールのお知らせやらなんやらで、本への没入を妨げられてしまうという感じがします。専用端末だとめっちゃ読書が捗る。だからやっぱり、専用端末は「本読みのための端末」なんだと思います。

新潮社、電子書籍配信を一時停止 キンドルストアに対し – 本のニュース | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト ※2012年12月15日

大騒ぎになって慌てて戻したという感じですね。恐らく、新潮社はホールセールモデル(Amazon側に販売価格を委ねている)でやってるのを、やっぱりエージェントモデル(出版社側に販売価格決定権がある)が良い! と、ちょっぴりゴネた、というところではないでしょうか。

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