献本頂きました。ありがとうございます。ボクは「LINEはやらない」と決めているのですが、ここまで流行るのはどういう理由で、どう普及して、実際のところどう使われているのかには関しては興味があります。そういう意味で参考になった1冊です。
とはいえ、本書の内容と、ボクが見聞きして想像していた認識とに、さほどズレはありませんでした。
本書で述べられている「アーリーアダプターのいない流行」や「ボトムアップからの流行」というのは、ボクの実感ともピッタリ合致しています。ギーク層の多いGoogle+ではLINEが敬遠され(※ボクの観測範囲の話です)、逆に田舎の友人(非IT系)は飲み屋でLINEの話をしているといった状況を、ボクも目の当たりにしてきました。
本書ではその流行理由を、スマートフォン普及期に絶妙なタイミングでTVCMをうち一気に有名になったとか、同じグループチャットでもSkypeは3G回線でダウンロードできない(20MB超)けどLINEはダウンロードできた、スタンプが斬新、アドレス帳付き合せで自動的にすぐ繋がれるという要素を上げています。ボクはそこにもう1つ「不便なキャリアメールを代替した」というのを付け加えたいと思います。
IT系ジャーナリストの石川温さんが日経ビジネスに、「最近、困ったことに『Androidの品質が悪い』という理由でiPhoneを購入する人が増えているんですよ……」というドコモ関係者の声を記事にしていました。
ドコモの関係者には「Androidスマートフォンの品質を下げているのは、他ならぬドコモ製アプリだ」という認識はないのでしょうか。Androidのバージョンアップについていけず、古い端末が置き去りになっているのは、キャリアによってAndroidがカスタマイズされているのが原因です。「iPhone売りたいけど、日本メーカーが苦境に」なんて言ってますけど、キャリアの縛りがメーカーを苦しめているという認識はないのでしょうか。
ボクはAndroid1.6のXperia(SO-01B)を購入し、spモードが始まった当初から使っています。はっきり言って、spモードはクソです。spモードのGooglePlayユーザーレビューは大変な状態になっているのですが、とても妥当だと思えます。
半分以上のユーザーが星1つですよ。こういうユーザーの声は、ドコモの関係者には届いていないのでしょうか? だからLINEのような新興サービスにやられてしまうのだ、という憤りを感じます。
閑話休題。
ボクがLINEを使わないと決めている理由はとても単純で、「電話帳データを付きあわせて勝手に繋がる」のが嫌だからです。いま使っている携帯番号は会社勤め時代に仕事でも使っていたため、縁を切りたい方面と繋がってしまう可能性が非常に高いのです。
電話帳には、仲のいい友人だけが入っているわけではありません。でも、そういう番号を消すのも面倒です。新しい電話番号を取得するか、そういう方面とは縁が切れてるFacebookアカウントで認証すればいいのかもしれませんが、今のところTwitterやGoogle+といったオープンネットワークの方が好きなので、さらに新しいもの(それも既に大流行しちゃってるモノ)へ積極的に手を出そうという気にはなれません。
しかし、LINEを敬遠している人には、「韓国製だから」という理由で手を出さない人も多いようです。ボクの思想はどちらかと言えば左寄りで、「文化相対主義」的な考え方をしているので、別に製造国がどこだろうと構わないと思っています。
本書では嫌韓的思想に抗するためか、繰り返し「LINEは日本発のサービスだ」ということが強調されているので、逆に違和感を覚えてしまいました。日本法人で企画・開発されたサービスだとしても、「だからこれは国産なんだよ!」と主張することにどれだけ意味があるのでしょう。むしろ逆効果になっているような気が……。
そんな思いを抱いた1冊でした。
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