楽天koboにiOSアプリが登場しました。昨年11月初旬にkobo miniやkobo gloを発表した時「iOSも近日中に」という話だったのですが、そこから半年かかったということになります。
それでもソニーReaderよりiOS対応が早かったことは素直に評価したいところ。また、随所でガイダンスが表示され、初心者にも優しい設計になっていると思います。
ただ、使ってみて1点だけ非常に残念なところがありました。
これはボクの本が横書きだから気がついたことなのですが、横書き文書を横向き画面で見たときに、見開き表示にならないのです。設定で切り替えることもできません。
iBooksの場合、[ブック]と[フルスクリーン]であれば見開き表示になります。
Kindleの場合、見開き表示にするか1画面を1ページにするかを設定から選べます。
Kinoppyの場合は、見開き表示のみです。
横書き文書を横向き画面で見たときに見開き表示にならないのが何が問題になるかというと、横が長くて縦が寸詰まりになってしまうため、ボクの本のように図版が多いと表示がかなり苦しいことになってしまうのです。
同じページをiBooksで表示すると、ページが縦長なので見た目が全く違う状態になることがわかると思います。
リフロー型の書籍の場合、縦画面や横画面、文字の大きさや余白や行間が変えられるとか、制作者側で見た目をコントロールすることが非常に困難です。この上、縦方向より横方向の方が長い表示になることまで想定したデータを作るのは無理です。
縦書き文書であれば、ページの区切りがあるかないかだけの話なので、実はこの問題は発生しません。横書き文書だけの問題なのです。「じゃあ縦書きで作れよ」という声が聞こえてきそうな気がしますが、文章だけの本ならボクだって縦書きにします。図版が入る解説書的なものは、横書きじゃないと厳しいのです。
実際にBCCKSで第2章までは縦書きで作ってみたのですが、画像を配置すると文字を回り込ませることができないというEPUBの仕様[※訂正:「できない」のではなく、「できないことはないけど、ビューワによってうまく表示できなかったり、綺麗に表示されなかったりする」です]があるため、図版が多くなる第3章以降は無理だという判断をしました。日本語は縦書きでも横書きでもいけるという柔軟性を持っていますが、図版の多い解説書的なものは横書き、小説や論説文などは縦書きが多く用いられる理由がよくわかりました。
閑話休題。
kobo for iOSの話に戻ると、ここ以外の部分は結構いいできだと思うのです。で、実際には縦書き文書の方が圧倒的に多いですから、ボクと同じような不満を持つ人というのは正直言って少ないと思います。ボクも、自分の作った本が横書きじゃなかったら、たぶん気が付かなかったでしょう。非常に惜しい。できれば見開き表示にできるよう、対応して欲しいと思います。
ちなみに、「××で開く」にもちゃんと対応しているので、DRMフリーのEPUBファイルを読み込ませることもできるようになっています。
結構いいできですよ。「kobo騒動」で悪いイメージを持ってしまった人も、使えば評価が変わると思います。それだけに、惜しい。非常に惜しい。
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