出版(紙・電子問わず)関連でボクが気になった先週のニュースについて、コメントをつけてまとめていきます。先週は、児童ポルノ禁止法改定案提出と、出版デジタル機構が電子取次のビットウェイを買収というニュースで業界が揺れていました。
BookLive、「男塾」の世界観で撮影できるカメラアプリ~コミック無料配信も -INTERNET Watch ※2013年5月27日
コンテンツの面白い2次利用事例。写真に吹いた。
「電書1兆円」は正夢か悪夢か? (1)はじめに – EBook2.0 Forum ※2013年5月27日
楽天・三木谷会長がぶち上げた「2020年電子書籍市場1兆円」の夢に対し、視点や考え方を変えれば実現可能かもしれない、というところで記事が終わっています。ここからどういう論理展開になるのか、今後が楽しみ。
高橋留美子作品が、初の電子書籍化……「うる星やつら」「めぞん一刻」など | RBB TODAY ※2013年5月27日
こんな大物作家の作品が、まだ電子化されてなかったんですねぇ……。
児童ポルノ禁止法改定の真の目的は何か? 単純所持禁止、マンガ・アニメ「調査研究」への懸念 (1/3) – ITmedia ニュース ※2013年5月27日
児童ポルノ禁止法改定案の何が問題なのか、非常に明快でわかりやすい記事です。ボクもこれに関しては言いたいことが山ほどあるのですが、ひとまず「被害者のいない”表現”に対する規制には反対です」と意見表明だけしておきます。単純所持禁止は表現規制と合わせ技になると恐ろしいですが、被害者が存在するケースもあるので、ちょっと単純に反対とは言い切れない。
Kindle Worldsの限界 | Dan Kanemitsu’s Paper Trail ※2013年5月28日
「Kindle World SUGEEEE!!」という世間一般の論調に一石を投じるエントリー。兼光ダニエル真さんは、日本のアニメの翻訳をやられてきたので、海外のコンテンツビジネス事情にもかなり詳しい方です。「ファン・フィクション」と「二次創作」の違いや、二次的著作物の著者は権利をほぼ放棄する形になるという規約について解説しています。Amazonがこのやり方を日本へ持ってくるのは、簡単ではなさそうですね。
KENPON – 電子書籍の献本サービス | 電子書籍サーチ – 電子書籍と紙書籍の価格比較と検索サービス ※2013年5月28日
作品の告知・PRを目的とした、電子書籍の献本サービスです。現時点ではPDFのみ対応なのが残念ですが、試みとしては面白いと思います。ちなみにボクは、Googleドライブの共有機能を使って、メールで献本しました。
【第4回】リアル書店は生き残りのためにどんな戦略を描いている? ―国内最大級の紀伊國屋書店に聞いてみた | ダ・ヴィンチ電子ナビ ※2013年5月29日
まつもとあつしさんによる、「業界の中の人に聞いてみた」シリーズ第4弾。海外展開の話が興味深い。
読みたいトコだけ買える電子書籍配信サービスオープン – ITmedia eBook USER ※2013年5月29日
「powered by GALAPAGOS STORE」です。最近のシャープ(電子書籍周り)は、消費者向けの小売よりもB向けのシステム提供展開に力を入れている印象があります。
電子書籍アプリ「Yahoo!ブックストアビューアー」を無料ダウンロード! – Yahoo!ブックストア ※2013年5月29日
ブラウザ閲覧だけではなく、ダウンロードして読めるビューワがiOSにも登場。
Kobo、第1四半期は前年同期比+98%の売上増、「Kobo Aura HD」も好調 – ITmedia eBook USER ※2013年5月29日
日本の数字は公表されていないのですが、考えてみたらまだkoboは日本上陸して1年経ってないのですよね。なんかこの1年の変化が激しすぎて、もう何年も経っているような気がしていた……。
電子出版サービス「forkN」でプロと合作? ――「ショートショートオチコンテスト」開催 – ITmedia eBook USER ※2013年5月30日
forkNはn次創作もできる個人作家向けのプラットフォームですが、nanovelはプロ作家専門のプラットフォームということで、面白いコラボだと思います。
講談社が本気だ:モーニング・アフタヌーン・イブニングの合同Webコミックサイト「モアイ」オープン – ITmedia eBook USER ※2013年5月30日
5月25日発売のアフタヌーンに予告が出ていました。
モーニング、アフタヌーン、イブニングの合同公式サイトだそうです。5月30日オープン。「逮捕しちゃうぞ」のアンコール連載があるとか(アフタヌーン本誌に告知が載ってた)。
「モーニング」「アフタヌーン」「イブニング」3誌合同の新しいウェブサイト 5.30 OPEN!!!
コメント欄で +Nori Ciron さんが「朝と午後と晩が一つになったらエブリディ」「0時更新のミッドナイト」という予想をしていたのですが、このどちらかの方が秀逸な気が。「モアイ」って、頭文字とっただけじゃん!
出版デジタル機構、電子出版の取次最大手を買収 :M&Aニュース :企業 :マーケット :日本経済新聞 ※2013年5月30日
第一報が日経だったので眉唾で見ていたのですが、当の出版デジタル機構からプレスリリースが出てて「本当だったんだ!」と二重に驚いたニュース。「最悪の愚策」とか「民業を圧迫」とか、既に様々な視点からの批判が噴出しています。ビットウェイから小売部門が切り離されてBookLive!へ吸収された時点で予測していた方もいらっしゃるようです。
ボクはあまり業界の裏側を知らないのであまり語る言葉を持たないのですが、出版デジタル機構の植村八潮会長は、WIREDのインタビューで「わたしたちのなかではAmazonも対等に付き合っていくリテイラーのワンオブゼムに過ぎません」と語っていたという事実と、現状ではまだ出版デジタル機構からKindleストアへの配信が始まっていないという事実は指摘しておきたい。文字モノのスキャン画像をAmazonが拒絶したという事情もあるようですが。
ホリエモンのコレいいかも! 第4回 電子書籍の市場を変えた専用端末 – 週アスPLUS ※2013年5月31日
「EPUBはクソ」だけど、Kindle Paperwhiteはいいんだ……ちなみにバックライトじゃないですよ。こういうの、編集が指摘してあげなきゃいけないと思うんですけどねぇ……。
電子書籍1年分プレゼントも――koboフェス2013始まる – ITmedia eBook USER ※2013年5月31日
かなり大規模なセールです。「電子書籍がバナナの叩き売り状態になってきた」と評した方がいらっしゃいましたが、まさに消耗戦の様を呈してきた感があります。
「中二病」をこじらせて……キンドルで話題の『架空の歴史ノート』著者に会ってみた – 林 智彦 – 本のニュース | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト ※2013年5月31日
5月8日に「変な電書を掘り出そう」という結社・変電社の決起集会に行ってきたのですが、そこで話題に挙がってすぐにインタビューに行ってしまう林さんの行動力が凄い。設楽さんは、現代美術の方なのですね。
ボクは、イベントレポート書いておくべきだった……とりあえずすぐに、Google+へコミュニティだけは立ち上げたのですが。決起集会は、楽しむことを目的として参加したので、何もメモとってなかったのですよね。ボクは記憶力に自信がないので、記憶だけじゃ書けないのです。
しかし、同時多発的に2ちゃんねるまとめブログでも話題になっているというのが、いろんな意味で面白い。うん。
テスト結果は変わらない?ー紙vs 電子書籍、米・大学院生が研究 ※2013年6月1日
先週ピックアップした英NPO団体による「画面上でしか読まない子どもの読解力は低い」という調査と逆の結果が。「反射光と透過光の違い」というような主張もたまに見かけますが、これはiPadによる調査なのでそういう主張も否定する結果になっていますね。興味深い。