出版業界関連でボクが気になった先週のニュースについて、コメントをつけてまとめていきます。電子出版界隈が中心です。先週は、「一太郎 徹」「マンガボックス」「BUYMA Books」などが話題になっていました。
毎日新聞、紙の定期購読者に紙面を配信、PC/スマホ/タブレット5端末まで -INTERNET Watch ※2013年12月2日
「出版」ではなく新聞ですがピックアップ。朝日新聞デジタルや日経新聞デジタルは、宅配紙面+1000円/月でのオプション契約(または単独契約)ですが、毎日新聞は紙の読者への無料サービスというやり方に。同時に「毎日jp」がリニューアルして名称が「毎日新聞」に変わり、「続きを読む」には会員登録が必要になりました。無料のウェブ会員登録は比較的簡単にできますが、ちょっと面倒。過去記事は今まで同様、消しちゃうのかな?
三省堂、神保町本店で「朝日新聞デジタル」とレノボ製Androidタブレットのセット販売を開始 – ITmedia eBook USER ※2013年12月2日
BookLive! Lideoのコーナーとは別に、タブレット&朝日新聞コーナーができたということになるのかな? いろいろ考えますね。
ベストセラーは「多崎つくる」と「医者に殺されない…」 – 本のニュース | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト ※2013年12月2日
「多崎つくる」の発行部数105万部って、6月13日時点の数字から変わっていないのです。ミリオンは達成していますが、村上春樹氏の過去作品に比べるとかなり少ない気がしますね。電子版もないし。
ちなみに「医者に殺されない47の心得」の方は、電子版も出ています。
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電子書籍市場、成長続き2018年に約5000億円規模へ――NRI調査 – ITmedia eBook USER ※2013年12月2日
野村総研による2012年11月21日時点の市場規模予測では、2012年が1372億、2013年が1780億円だったので、今回の数字で1729億円(電子雑誌・電子新聞含む)というのは昨年の予測よりやや下方修正していますね。昨年の予測は電子雑誌・電子新聞の内訳が書いていないので、書籍・雑誌・新聞のどれを修正したのかわかりませんが。というか、雑誌と新聞を混ぜるなという気も。
徹底したこだわりの表現を可能に ジャストが「一太郎2014 徹」発表 – ITmedia eBook USER ※2013年12月3日
某社の方にくっついて記者会見に行き、お試し用CDを貰ったのですがまだ試せていません。固定レイアウトのEPUBで、目次の設定ができるようになったというのは、なにげに大きいかも。KC2も早く対応して下さい。
E Ink、重量・厚さを半分に減らした電子ペーパー「Fina」を発表 – ITmedia eBook USER ※2013年12月3日
ソニーと共同開発した「Mobius」はプラスチック基板ですが、こちらはガラス基板。13.3インチで60グラムって凄いですね。
人気マンガ家の作品が無料で読める週刊のマンガ雑誌アプリマンガボックス12月4日創刊!~講談社、小学館などとの提携で人気マンガ家の描き下ろし28作品を連載~ | 株式会社ディー・エヌ・エー【DeNA】 ※2013年12月4日
DeNAによる、連載形式の漫画雑誌アプリ。試みとしては非常に面白いと思うのですが、Webマガジンでの連載と何が違うのか、というのが問われることになるでしょう。編集長は樹林伸さん。「な、なんだってー!?」
世界中の本をクラウドソーシングで翻訳、電子書籍化する「BUYMA Books」 | TechCrunch Japan ※2013年12月4日
面白い試みなのですが、運営会社のエニグモというのは2009年に無許可の雑誌スキャンデータ販売サービス「コルシカ 」をやろうとして、出版社から抗議を受け中止している会社なんですよね。日本雑誌協会に加盟している出版社は、二の足を踏むんじゃないかなあ。
新たな少年漫画誌刊行計画も:講談社、「月刊少年ライバル」休刊を発表 – ITmedia eBook USER ※2013年12月5日
また一つ漫画誌が消えていきます。「新たな少年漫画誌の刊行に向けた研究を進めて」いる段階みたいなので、いま連載している作家がどうなるかはまだ分かりません。気になりますね。
サンマーク出版、Amazonでの電子書籍の月間ダウンロード数が紙の書籍の販売部数を上回る (1/1):MarkeZine(マーケジン) ※2013年12月5日
紙の書籍の月間販売部数の1.4倍とのことです。紙がどれだけ売れているのか、販売額だとどうなのかが気になります。
出版不況の時代になぜ? ニューズウィーク誌、紙媒体復刊の戦略とは | NewSphere(ニュースフィア) ※2013年12月6日
以前は、広告収入が中心(その代わり購買価格を低く設定)だったのを、今後は定期購読収入を中心としたモデルに切り替えるそうです。端的に言えば「以前より高くなる」ということでしょう。
電子出版権:意見募集で「総合出版権」か「新設」に割れる- 毎日新聞 ※2013年12月6日
日本書籍出版協会の「電子出版の97%が紙と同一の出版社によって出されており、出版権は紙と電子一体の規定が重要」という主張の根拠は、出版社40社の「電子書籍における自社発行コンテンツの割合」(※PDF)のようです。つまり、ボーンデジタルの出版を完全に無視した話をしているということ。なんだかなあ。
なお、「電子書籍と出版文化の振興に関する議員連盟」の基本方針は、基本的に現行の出版権を電子出版にも拡張する方法(いわゆる総合出版権)で、契約当事者間の合意に基づきバラバラにする特約契約も可能という形に落ち着いたようです。
公正取引委員会から見た電子書籍市場の動向 « マガジン航[kɔː] ※2013年12月6日
自分の記事ですがピックアップ。現時点における電子書籍市場の状況を正しく把握するとともに、今後を考える上でも有意義なセミナーでした。