毎週月曜恒例。出版業界関連の先週のニュースで、ボクが気になったものにコメントをつけてまとめていきます。電子出版界隈が中心です。先週は「マンガ少年画報社アプリ」「Kobo Aura ONE発売」などが話題になっていました。
【新文化】 – JPO、公共図書館などで近刊情報の提供実験へ ※2016年9月5日
JPOの面白い取り組み。「選書や事前注文できる環境を整え」とあるので、司書向けのサービスですね。「OverDrive」が電子書籍でやっている仕組みを、紙版でやる、みたいな感じでしょうか。
「アワーズ」最新号など無料配信 「マンガ少年画報社」アプリ公開 海賊版対策も – ITmedia ニュース ※2016年9月6日
iOS版アプリで試してみたのですが、シークバーによるページめくりが超高速かつページ内容も判別可能で、感動するレベルでした。「紙の雑誌をぺらぺらめくる」感覚がほぼ再現できています。どこが作ったアプリなんだろう?
楽天、「Kobo Aura ONE」発売、「より完璧に近い読書体験を提供」 -INTERNET Watch ※2016年9月6日
私も取材に行って現地からライブ記事化しました。特徴はでかい、薄い、防水。コミックが売上の半分、というのが興味深い。
なぜ集英社は雑誌・書籍の売り上げ減でも増収増益を達成できたのか? : 出版・書店業界がわかるWebマガジン KOTB[コトビー(ことびー)] ※2016年9月6日
8月29日のまとめでピックアップした、集英社の決算についての詳報です。雑誌減、書籍大幅減、広告減だけど、その他が大幅増で増収増益。その他の内訳は、「Web」が121億8200万円(約48%増)、「版権」が121億3300万円(約13%増)、「物販等」が75億7500万円(約25%増)とのこと。「Web」には電子コミックが含まれているようです。
ITpro Report – Kindle Unlimitedの使い勝手を検証、便利な機能もロックインの恐れあり:ITpro ※2016年9月8日
前半は単純に使い勝手の話ですが、4ページ目から「ベンダーロックイン」のデメリットに踏み込んでいます。まあ、これはKindleに限った話ではなく、強いDRMを使っている電子書店(つまりほぼすべて)に言える話なのですが。
ちなみに私の周囲では、Kindle Unlimitedの継続率はこのくらい。意外と高い。ですが、無作為抽出ではないので参考まで。
「Kindle Unlimited」の30日間無料お試し期間が終わった方にお尋ねします。
— 鷹野凌 (@ryou_takano) 2016年9月6日
読み放題サービスの利用経験者は9%(マクロミルが8月12日に調査実施)なので、裾野が広がってくると継続率も下がると思われます。
無料マンガアプリと広告 インプレス総合研究所「電子書籍ビジネス調査報告書2016」より<第1回> – INTERNET Watch ※2016年9月8日
なんと、CD(PDF)版6万8000円(税別)の中身を一部公開。全4回の1回目は無料マンガアプリと広告について。2016年で85億円と、伸びてはいますが販売に比べるとまだ小さい市場。リワード広告が多いというのは、AppleやGoogleからリジェクトされる危険性と裏腹な気が。
電子出版ビジネスの「今」と「これから」 ~破壊ではなく創造へ~ 日本編集制作協会 AJEC ※2016年9月8日?
林智彦さんの講演書き起こし。一般公開は前半のみというのが残念。titleタグに講演名入ってないとか、公開日が書いてないとか、OGP設定されてないとか、講演の内容は良いのに編集制作面がいろいろ残念。って、主催者ェ……。
「楽天マンガ」、第三者に電子コミックをプレゼントできる機能を追加 -INTERNET Watch ※2016年9月9日
「楽天マンガ」にプレゼント機能が実装。私の知ってる限りで他にプレゼント機能が実装されている電子書店は、iBooks、honto、紀伊國屋書店ウェブストア(Kinoppy)くらい。もうちょっと広がって欲しいところです。
「Weekly 見て歩く者 by 鷹野凌」というGoogleグループを作りました。登録すると、毎週この「出版業界関連の気になるニュースまとめ」がメールで届くようになります。ときどき号外を配信するかも? ブログの更新チェックが面倒な方はぜひ登録してください。無料です。