毎週月曜恒例。出版業界関連の先週のニュースで、ボクが気になったものにコメントをつけてまとめていきます。電子出版界隈が中心です。先週は「マンガボックス インディーズ」「新しいKindleパブリッシング・ガイドライン」などが話題になっていました。
週刊誌や雑誌、書籍の支出額をグラフ化してみる(家計調査報告(家計収支編)・総世帯版)(2014年)(最新) – ガベージニュース ※2014年3月24日
文中で「メディアのターニングポイント」と呼ばれる2005年は、3Gサービスと定額制が始まった年です。外出先でもそれなりに高速の通信で、しかも使い放題という環境が手に入るようになったインパクトは大きかったということになるでしょう。
やめたい時にやめられる:Reader Store、「新刊自動購入」など雑誌を楽しむサービス提供 – ITmedia eBook USER ※2014年3月25日
新刊雑誌のプッシュ配信サービス。GALAPAGOS STOREのMAGonみたいに、有料メルマガ系と組むと面白いと思うのですが。ほぼ同時に、新刊通知メール機能なども追加されています。
電車の中吊り広告の気になる記事をすぐ読める「中吊りアプリ」 – ITmedia eBook USER ※2014年3月26日
昨年7月の電子出版EXPOに出展していた内容とずいぶん違うな? と思ったら、中吊り広告を電車内で撮影してARで……というのは「マナー違反になる懸念」があるから導入を見送ったとのこと。
ところでこの記事に対し eBookJapan の中の人が「中吊りも記事バラ売りも10年前からやってたんですけどね(´・ω・`)」とおっしゃってます。時代を先取りしすぎたんだ!
楽天、「楽天いどうとしょかん」の活動地域を4県に拡大することを発表 | カレントアウェアネス・ポータル ※2014年3月27日
ボクが個人的に高い評価をしている「楽天いどうとしょかん」の活動地域が、4月から岐阜、2014年中に島根、群馬に拡大するそうです。Good Job!
【第13回】KADOKAWAのウェブコミックサービス「ComicWalker」がついに発進 | ダ・ヴィンチニュース ※2014年3月28日
まつもとあつしさんによる中の人インタビュー。マネタイズは電子と紙の単行本販売でとのこと。
ComicWalkerの各掲載作品からは電子書籍の売り場として唯一BOOK☆WALKERにリンクを設定しています。
ん……? リンクある?
JEPAの「マンガボックス」セミナーレポート記事とあわせて読んでいただくのがいいと思います。
DeNA、「マンガボックス」にマンガ投稿機能–賞金付きランキングイベントも – CNET Japan ※2014年3月28日
JEPAの「マンガボックス」セミナーで明かされていた、誰でもマンガが投稿できる「インディーズ」が登場。位置づけとしては、Consumer Generated Media(CGM)が中心の「pixiv」や「TINAMI」に対し、公式連載や単行本販売と一緒にCGMも展開している「ニコニコ静画」と「マンガボックス」という感じでしょうか。スキマ時間の奪い合いがどんどん熾烈になっていますね。
電子書籍利用者の3割がスマートフォンで閲覧――MMD研究所の調査 – ITmedia eBook USER ※2014年3月28日
n=551の「無料コンテンツの利用率は21.8%」「有料コンテンツの利用率は14.5%」は比較的信頼性が高いデータ。要するに、お金を出して電子書籍を買うという行為は、まだキャズム(16%)を超えていないわけです。
タイトルになってる「3割がスマートフォンで閲覧」はn=110、「利用している電子書店」はn=67なので、あくまで参考程度に。Kindleストアが44.8%といってもたったの30人ですから、n=551から見ると5.44%です。Kindleストアを利用している人は、世の中的には20人に1人程度なのです。
また、この数字は「シェア」ではなく「利用率」なので、複数の電子書店が重複して利用されてます。この辺りを勘違いした人が、勘違いしたデータ引用して「Kindleストアのシェア44.8%」みたいな放言記事を撒き散らすんだろうな……。
[日本語版]新しいKindleパブリッシング・ガイドラインの変更点(バージョン2014.1) | eBook Strategy Magazine ※2014年3月30日
境祐司さんが、早速新旧比較記事を用意してくれました。KDPの容量制限はどうなったんだろう?
(たぶん月内には新ガイドライン日本語版が出て、KDPも上限650MBになると予想してるんだけどなあ)
— 鷹野 凌/月刊群雛4月号発売中 (@ryou_takano) 2014, 3月 7
もうすぐ月末だな…… と思って、昨日チェックしてみたら、差し替わっているのに気づきました。
あ! Kindleパブリッシング・ガイドラインが2014.1.1に変わってる!!| Amazon Kindleダイレクト・パブリッシング:AmazonのKindleストアでのセルフ出版に関するヘルプ http://t.co/jGkvU1BiJT
— 鷹野 凌/月刊群雛4月号発売中 (@ryou_takano) 2014, 3月 30
正確にはいつ変わったか分かりませんが、少なくとも上のツイートの時点ではまだ2013.3でした。ちなみにPDFの作成日は2013年11月11日になっているので、3ヶ月半寝かされていたことに……なぜ(;^ω^)