毎週月曜恒例。出版業界関連の先週のニュースで、ボクが気になったものにコメントをつけてまとめていきます。電子出版界隈が中心です。先週は「アマゾンが出版社を格付け」「12.9型iPadの噂再浮上」などが話題になっていました。
時間制で全巻無料・読み放題!! ドリコムが漫画アプリ「ドロップコミック」を今秋リリース – ねとらぼ ※2014年8月26日
ちょっと変わった読み放題モデルで、無料なのは1日30分だけ。3冊が限界かな? たぶん有料会員になると、時間制限が外れる形でしょう。今秋リリース予定です。
Kobo、防水機能を備えた「Kobo Aura H2O」を正式発表 – ITmedia eBook USER ※2014年8月27日
正式発表。やはり防水仕様でした。IP67なので、水深1メートルに30分沈めても大丈夫。希望小売価格179.99ドル。日本での発売は未定。かぽーん。
【新文化】 – 紀伊國屋書店、「武蔵小杉店」を11月に出店 ※2014年8月27日
セブン&アイのカフェ「白ヤギ珈琲店」併設で、電子雑誌のバックナンバーが無料で読めるようになるそうです。Wi-Fi使うのか、端末貸出なのか。
米アップル、12.9型「iPad」計画か 米メディア報道 :日本経済新聞 ※2014年8月27日
大型iPadの噂が再浮上。何度も噂は出ていて、ボクも年初に「タブレットの大型化と高解像度化が更に進む」という予測をしています。13インチで解像度3840×2160ピクセル(339ppi)なら充分あり得そうな話だと思うのですが、果たして。本田雅一さんの考察記事も参考になります。
楽天、「東北復幸祭〈環WA〉in PARIS」に車両型移動図書館「楽天いどうとしょかん」を出展 – ITmedia eBook USER ※2014年8月28日
楽天は、地道なCSR(corporate social responsibility)活動を続けてますね。
アマゾン、出版社「格付け」 電子書籍、有利な契約優先:朝日新聞デジタル ※2014年8月28日
一部の出版社は提案を受け入れたが、大手出版など多くの出版社は猛反発し、協議を続けている。文芸春秋は6月、「短期間で一方的な条件を提示するのは、優越的地位の乱用などの疑義を招くのでは」などと抗議した。
反響が真っ二つに割れているのが興味深い。ボクは「取次だって、公正中立というわけではないからなあ」という見解。もっとも、直販する力を身に付けちゃえば、問屋や小売店の横暴に怯えずに済むんですよね。そういう意味で、KADOKAWAがBOOK☆WALKERを育ててきたことは、先見の明があるなあと思います。
Amazonから全ての本を引き上げて過去最高収益を得る出版社とは? – GIGAZINE ※2014年8月28日
いまいちピンとこないなーとモヤモヤしていたら、大原ケイさんがnoteで解説記事を書いてくれました。7000人の販売員が、高いコミッション率とネットワークビジネスのような組織形態によって、ガンガン直販してるわけです。そりゃ強い。
電子書籍のKobo、「Rakuten Kobo」に社名変更 – ITmedia ニュース ※2014年8月29日
既定路線。本拠地カナダでKoboのシェアはKindleより断然高く、2015年にRakuten Canadaをオープンするから、そのシナジーを狙っているのだと思われます。「Rakuten」を世界ブランドにできるか?
ASCII.jp:ベストセラー連発の投稿小説サイトE★エブリスタは4年間で書籍化300作品! (1/4)|まつもとあつしの「メディア維新を行く」 ※2014年8月29日
まつもとあつしさんによる、エブリスタ社長の池上真之氏へのインタビュー。スタッフが5名とか、「ネットと向き合うのは、これからの作家に求められるスキルの一種」とか、「“n対n”で切磋琢磨できる場を作っている」とか、売れるまで作家を経済的に支える「スマホ作家特区」とか、「エブリスタは著者の代理人として出版社さんに権利を許諾する立場になる」など、いろんな意味で興味深いです。
改正著作権法の再許諾を考える-原出版社と文庫出版社の立場が逆転: 日本出版者協議会 ※2014年8月29日
従来の著作権法では出版権の「再許諾」ができなかったのが、可能になったことについて中小出版社の立場からの論考。「取引条件が悪ければ再許諾を拒否することもできる」という考え方をしているので、今後は他社による文庫化がなかなか進まなくなるかもしれません。
読書に関する調査|国内調査|市場調査・インターネットリサーチの【楽天リサーチ】 ※2014年8月29日
楽天リサーチモニターはアンケートに答えると楽天スーパーポイントが貰えるので、一番最後の「利用している電子書店」に関してはめっちゃバイアスかかってます。そりゃKoboが多くなるに決まってる。「スキマ時間になんらかのジャンルの電子書籍を読むことがあると回答した」人が30%というのは、若干高ブレしている印象。それ以外はまあまあ信頼できるかな? という感じです。通勤・通学時に「何も読まない」が64.3%というのは、SNSやゲームが多いのかな。
マンガ制作ソフトの最高峰「CLIP STUDIO PAINT」がKindleフォーマット出力機能を搭載 - COMITIA109会場にて先行公開、無料セミナーも開催 -|株式会社セルシスのプレスリリース ※2014年8月29日
週末のリリースだからか、記事になっていませんがピックアップ。セルシスさん、EPUB出力後回しかよ!とツッコミを入れておきます。
「ニューズピックス」4.7億円調達 アプリに講談社の雑誌 :日本経済新聞 ※2014年8月30日
グノシーにKDDIが、スマートニュースにグリーなどが、そしてニューズピックスに講談社などが出資です。なんかニュースアプリ系がバブルみたいになってますね。なんか持ち上げられ過ぎという感があります。キュレーションだけで自らコンテンツを産まない会社が、どこまで伸びられるのか? 多くの一般ユーザーは「Yahoo!トピックで充分」と思ってるような気がします。
ウェブメディアだからこそ、バカ正直にコツコツやるほうが生き残る。|コミックナタリー編集長・唐木元インタビュー|唐木元|cakes(ケイクス) ※2014年8月30日
7年間ずっと真面目にコツコツやってきた方だから、言葉に重みがあります。「お詫びと訂正」が出るメディアは、信頼できる。対照的に、バイラルメディア系の運営者が語るサバイバル戦略のなんと薄っぺらいことか。