毎週月曜恒例。出版業界関連の先週のニュースで、ボクが気になったものにコメントをつけてまとめていきます。電子出版界隈が中心です。先週は「TPP交渉で著作権保護期間延長?」「LINEマンガ1000万ダウンロード突破」などが話題になっていました。
フジテレビがマンガ配信サービスを開始、DBやワンピなど4万冊超を提供 – コミックナタリー ※2015年2月2日
「フジテレビオンデマンド」内での展開と聞いて当初、電通のYouTubeチャンネル「MANGAPOLO」が噛んでいるのかと思ったのですが、普通の電子書店でした。シャープのEBLIEVAを使っているようです。動画側から見ると「コミックも配信中!」というお知らせがかなり下の方で、目立たない……やる気あるのかな?
ブックビヨンド、電子出版プラットフォーム「wook」の運営開始 – ITmedia eBook USER ※2015年2月2日
ドリームネッツ → キングジム → ブックビヨンド と事業譲渡された「wook」ですが、前向きに捉えれば「サービス終了するよりマシ」ということになるでしょう。「法人向けBtoB領域のサポートを強化」する方針とのこと。学研の営業部隊が頑張るのかな。
ちなみに Internet Archive で調べてみたところ、法人向けプランの初期費用5万円はドリームネッツ時代と同じ。販売機能のないスタンダードプランの5GBで年額24万円も同じ。月額9500円というのは1GBのプランで、後からできたっぽい。
ところで、記事中にある「地域別電子書籍ポータルサイトの運営・販促支援」って何だろ? と思ったら、活用事例に「沖縄eBooks」が。「Japan ebooks」に入り込もうとしてるのかな?
自分でスキャンしたファイルをKindle本に変換できるAmazon謹製ソフトが登場 – ITmedia eBook USER ※2015年2月3日
Amazon公式の自炊用アプリ。JPEGやPDFをAmazon独自形式に変換……って、なんで好きこのんでわざわざ汎用性の低いファイルに変えなきゃならんのだ、と思ってしまった。囲い込みたいんだろうなあ。
著作権保護は原則70年で調整へ TPP NHKニュース(魚拓) ※2015年2月3日
TPP交渉のリークはずっと日経だったので眉唾で見ていたのですが、ここにきてNHKからも。「秘密交渉」なのに、どこからこういう情報が、どういう意図で出てくるんでしょうね?
ねっと部:厚労省「アルバイトの労働条件を確かめよう!」キャラデザ募集、条件は「賞金なし、記念品」に絵師びっくり – ITmedia ニュース ※2015年2月3日
直接「出版」に関連するニュースではないのですがピックアップ。「労働条件を確かめよう!」キャラクター募集 → なぜかPDF化されてる募集要項を確認 → 賞金なし記念品のみ、というところに乾いた笑いが出ます。
しかもよく読むと「選定された作品の著作権など一切の権利は、厚生労働省に帰属」とある(これは普通のこと)けど、著作者人格権非行使条項がないから「ひこにゃん事件」と同じことが起こりうるという。厚労省ェ……。
電子雑誌読み放題サービスは実際に雑誌を買うよりどれぐらい得なのか? 『dマガジン』でそのお得度をシビアに査定してみた | ガジェット通信 ※2015年2月4日
紙版とがっつり比較。『週刊SPA!』dマガジン版の網羅率が53.42%と飛び抜けて低いですが、それ以外は100%に近い結果でした。ただ、たまたま選んだこの5誌の成績が良かっただけかもしれないので、他の雑誌がどうなのかも気になりますね。さすがに100誌以上を調べるのは厳しいと思うけど。
記事盗用で炎上の「BUZZNEWS」が閉鎖へ 「一通りの役割を終えたと判断」 – ねとらぼ ※2015年2月4日
盗用だらけのバイラルメディアにどんな「役割」が? と思ったら、某所で「反面教師」というコメントが。なるほど納得。しかしこれ、運営元の WebtechAsia がアンダーグラウンドに潜るだけじゃないかなという気も……闇は深い。
ASCII.jp:「最小限の編集機能と人の集まる場」がセルフパブリッシングの鍵 (1/2)|5分でわかる時事ソーシャル&コンテンツ ※2015年2月4日
まつもとあつしさんの記事。前半はcomicoについて。後半にちょこっとボクが出てきます。
「LINEマンガ」1000万ダウンロード突破 累計売り上げ49億円超 – ITmedia ニュース ※2015年2月6日
comicoが1月に800万ダウンロード突破していますが、いきなりぶち抜きました。いままで公式発表無かっただけに驚き。無料で読める「LINE マンガ連載」のリリースが2014年8月ですが、グラフを見る限りその前に700万ダウンロード突破していたことに。ほんまかいな。累計売上49億円を1000万で単純に割ると、1人あたり490円か……「マンガ付きスタンプ」恐るべし(逆)。
中野区の公立図書館が電子書籍サービス、絵本・名作文学・コミックをWi-Fi経由で -INTERNET Watch ※2015年2月6日
どこかと思ったら凸版印刷。『電子図書館・電子書籍貸出サービス 調査報告2014』に凸版印刷の取り組みは明和町電子図書館サービスの1例しか載っていませんが、無線LANが利用できる範囲で閲覧可能という仕組みは中野区も同じ。これで2例目ということになるのかな。
posted with AZlink at 2015.2.9
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