「国立国会図書館の古書POD」「ヤフーとブックオフが資本提携」「改正著作権法が成立」など出版業界関連の気になるニュースまとめ #114(2014年4月21日~27日)

iPadのKindle

毎週月曜恒例。出版業界関連の先週のニュースで、ボクが気になったものにコメントをつけてまとめていきます。電子出版界隈が中心です。先週は「国立国会図書館の古書POD」「楽天Koboの2014年戦略」「ヤフーとブックオフが資本提携」「漫画家・青木光恵氏インタビュー」「改正著作権法が成立」などが話題になっていました。

国会図書館のパブリックドメイン古書、プリントオンデマンドで購入可能に -INTERNET Watch ※2014年4月21日

面白い試み。ただし記事はちょっと間違ってるかも……近代デジタルライブラリーの蔵書35万点には、パブリックドメインだけではなく、文化庁長官裁定も含まれるはず。細かいですが、大事なこと。

「世界に通用する電子書籍のビジネスモデルを」――楽天Koboは2014年こう仕掛ける – ITmedia eBook USER ※2014年4月21日

  • 特に雑誌に注力、セルフパブリッシングにも
  • 楽天ブックスとの統合
  • 出版社向けBIツール
  • 書店との連携強化
  • コボスタを活用したブランディング

プレゼン資料ではセルフパブリッシングのことを「自費出版」と書いてありますが、それは別モノなので頼むからやめて欲しい……。

ロンドン・ブックフェア2014報告 « マガジン航[kɔː] ※2014年4月22日

小林恭子さんのロンドン・ブックフェア報告。去年のこのレポートを見て、「日本独立作家同盟」の旗揚げを思い立ったのでした。しかし今回の報告は、セルフパブリッシングにはちょっと辛口。

セルフ・パブリッシングと既存の出版社を通じての出版の違いは、後者の場合「本を作る専門家から無料でアドバイスがもらえる、PRをしてもらえる、前払い金をもらえる」点にあるとオコナーは言う。

出版の選択肢は広がっている、だが「編集を必ずすることが鍵だ」

自己出版の道を選ぶなら、編集してくれる人を見つけ、しっかりとやってもらおう、そのためにお金をためておこう

まあ確かに、こういう点こそが出版社(というより編集者というべきか)の介在する価値の1つではあると思います。「本を作る専門家から無料でアドバイスがもらえる」というのは、ちょっと違うのでは(対価貰うでしょ)。

“読み捨てされる作家”が個人で電子雑誌を創刊したら何が起こったか 漫画家・青木光恵に聞く – ITmedia eBook USER ※2014年4月23日

eBook USERで、ここまではてなブックマークが付いた記事は久々に見ました。現時点でJコミに次ぐ歴代2位になっています。反響を見て、記事を書きました。

ヤフーとブックオフが資本・業務提携 店舗を買い取り拠点に、ヤフオクで販売 – ITmedia eBook USER ※2014年4月24日

「これで “せどり” は終わりだ」と、視界の範囲では結構話題になってました。結局、大日本印刷や大手出版社が資本を入れたのは、何だったのか……。

単行本500冊分:総ページ数12万8000――『石ノ森章太郎デジタル大全』が配信開始 – ITmedia eBook USER ※2014年4月24日

岩波文庫電子書籍版セット販売|紀伊國屋書店Kinoppy ※2014年4月24日

「全集」は、電子版だと場所をとらないのがいいんですよね。しかし、eBookJapanはこれまで直接契約だったのが、切り替えられちゃったんですね。まあ、致し方ないのか。

BookLive、中国の電子書店「淘宝閲読」で日本のコミックを提供開始 – ITmedia eBook USER ※2014年4月24日

BookLiveはすでに中国のポータルサイト「網易(ネットイーズ)」やインターネットサービスの最大手企業「騰訊(テンセント)」、大手SNSサービス「豆瓣(ドウバン)」などへ日本のコミック作品を提供中。

さりげなく書いてあるこれ↑知りませんでした。既報でしたっけ。見たけど忘れてるのかな。

塩野七生「ローマ人の物語」シリーズが電子化・Kindleストアで独占先行配信。 ※2014年4月25日

独占先行配信。新潮社ェ……。

hon.jp DayWatch – 楽天グループの加Kobo社、組織改革にともない現地スタッフの1割強をレイオフ ※2014年4月25日

楽天から送り込まれた新CEOには「コストカッター」の異名があるそうですが、さっそく本領発揮していますね。

シャープ、電子書店「mibon」へAndroid端末向けビューワアプリの提供を開始 – ITmedia eBook USER ※2014年4月25日

未来屋書店「mibon」はこれまで日販の「boocross」を使っていた(魚拓)はずですが、boocross側にはいまのところ特にお知らせは出ていません。完全に切り替えかな?

しかし、「book-in-the-box」そのままではなく、カスタマイズ提供なんですね。つまり本棚連携は……?

ストア配本にBOOK☆WALKERとeBookJapanが追加されました! :: BCCKS情報局 ※2014年4月25日

ニュースにはなっていませんが、嬉しかったので。(∩´∀`)∩ワーイ

ユーザーの皆様よりお預かりしたBOOK☆WALKERポイントを青空文庫を支援する「本の未来基金」へ寄付しました|株式会社ブックウォーカーのプレスリリース ※2014年4月25日

こういう「その後どうなった?」という報告、すごく大事。このリリースを見て、ポイントを確認したら結構貯まってたので、また寄付しました。

電子書籍の出版権認める改正著作権法が成立、来年1月施行 ※2014年4月27日

ついに成立。この法改正が重要なのは、恐らく「法律で守られていないから海賊版対策ができない」という心理的障壁(出版社ではなく、電子化を拒絶する著者側にある)を取り除くところにあるのかな、という気がします。

↑こういう点に注意しておく必要はありますが。

タイトルとURLをコピーしました