(※写真:写真素材 足成より)
「電子書籍」関連でボクが気になった先週のニュースについて、コメントをつけてまとめていきます。毎週月曜配信。
電子書店サービス終了で起こる悲劇をなくせ:ebj、「電子書籍お助けサービス」で楽天Rabooでの購入金額を負担 – 電子書籍情報が満載! eBook USER ※2012年11月5日
非常に「うまい」やり口だと思います。上限が5000ポイントですから、要は「電子書籍を積極的に購入する顧客を1人最大5000円で買う」行為なわけです。対外的には「救済」という名目によってeBookJapanへの良いイメージ(と楽天への悪い印象)を植え付けられますしね。
今回はたまたま閉鎖する店舗に対するアクションですが、恐らく今後、携帯電話みたいに「乗り換えキャンペーン」的な動きをする電子書店が出てくるのではないでしょうか。「他店で購入した書籍が、当店でも配信している場合は、乗り換え時に新たに買い直す必要は無いですよ」とか。出版社が許さないかな?(;^ω^)
hon.jp DayWatch – トーハン、電子書籍販売サイト「Digital e-hon」リニューアルのお知らせ ~コンテンツ大幅増加と出版物連動施策の実施~ ※2012年11月5日
「従来から配信している医学文献も合わせ配信コンテンツ数は約11万点」とありますが、このニュースを見た直後に調べてみたところ、医学文献は医学:53856件、看護:25053件、コメディカル:10173件、計89082件。つまり一般書籍は約2万件です。
少し使ってみましたが、とにかくサイトが重たい。e-hon(書店在庫を通販できるサイト)との相互連携ボタンが付いているのですが、もうちょい簡単に比較できるようになっているといいのに。まあとりあえずこれで、紙と電子の「ハイブリッド型」電子書店が1つ増えたことになります。トーハンが書店に提供する電子書籍流通サービスは、これが核になるんでしょうね。
【山口真弘の電子書籍タッチアンドトライ】Amazon「Kindle Paperwhite」(ストア編) ~E Ink搭載の新型Kindleで日本版Kindleストアを使う ※2012年11月6日
日本語版の正式発表前にAmazon.comから購入した端末による発売前レビュー。この記事が出た後にファームウェアのアップデートがあり、マンガの白黒反転頻度設定や、余白の細かな調整もできるようになったようです。ちょいと余談ですが、PRS-T2にしてもKindle Paperwhiteにしても、専用端末にある機能がAndroid・iOS向けアプリでは結構削られているのがなんだかなーという感じが。
【PC Watch】 東芝、電子書籍端末「BookPlace DB50」を直販で6,000円値下げ ~5,000ポイント付きで15,900円 ※2012年11月6日
BookPlace DB50は、今年の2月に発売開始されたAndroid 2.3.4ベースのカラー電子書籍専用端末。本体15,900円だとKindle Fire HD とほぼ同じですが、5000ポイント付いてくるので結構お得かも。ちなみに東芝BookPlaceの中身はBookLive!なんですが、iOSからは使えません。だったらBookLive!使った方がいいじゃん(;^ω^)
日米Kindleアカウントを結合しても購入ストアは自由に切り替えできます – 電子書籍情報が満載! eBook USER ※2012年11月6日
これはいい情報。ただ、かなり面倒。
ハーレクインの業績に見るEブック先駆者の行く末は?— Whither and how will romance weather the e-storm? | Books and the City ※2012年11月7日
欧米におけるハーレクイン社の業績について。電子書籍の先駆者だけど、業界全体が伸びている中で業績を落としているそうで。
BookLiveが電子書籍リーダーに参入 「朝日新聞デジタル for booklovers」がプリイン – 本のニュース | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト ※2012年11月7日
BookLiveがWiMAX内蔵電子書籍端末「BookLive!Reader Lideo」発表――その狙い – 電子書籍情報が満載! eBook USER ※2012年11月7日
特徴を簡単にまとめると
- NEC製6インチE ink電子ペーパー
- 幅110×高さ165×厚さ9.4ミリ
- 重さは170グラム
- 無線LANとWiMAX回線内蔵(通信料無料)
- 内蔵メモリー4GB(外部メモリー非対応)
- 8480円(税込)
- 端末は三省堂書店で対面販売(※楽天市場でも)
- 三省堂書店の店頭決済で電子書籍を購入可能
- 朝日新聞デジタルの文化面版を毎日プッシュ配信
- ターゲットは中高年層
といったところでしょうか。狙いが明確だし手堅い感じ。爆発的に売れることは無いと思います。唯一のサプライズはWiMAXを積んできたところ。問題は、三省堂書店での販売で、三省堂に継続的なインセンティブが入るのかどうか。端末を売った瞬間だけのインセンティブなら、顧客を奪われることになるので現場は積極的に動かないでしょう。また、通常のレジとは別に常設コーナーを用意するようですが、1日中そこへ人員を貼り付けられるほどの余裕は書店にないはず。家電量販店のように、NECやBookLive!からスタッフを派遣するのでしょうか? 端末そのものより、そういった仕組み・仕掛けが気になります。
【レポート】BookLive発表の電子書籍端末「Lideo(リディオ)」はシニア向け! kobo Touchの教訓活かす? (3) タッチ&トライコーナーで感じた課題 | 携帯 | マイナビニュース ※2012年11月7日
この記事、最初は
ひと通りの地雷を踏むことで後発に道を正しい道を示したkobo Touchの尊い犠牲は無駄ではなかったとも思うのだ。
と書いてありました。ちょっと酷い。いまはこの1文、消えています。マイナビニュースは「訂正」ではなく「修正」して「無かったこと」にするからあまり好きじゃない。
Kindle Paperwhiteが値下げ–kobo gloと同額の7980円に – CNET Japan ※2012年11月7日
上記のBookLive!Lideoの記者会見発表が13時からだったのですが、その直前にこの値下げ発表がありました。戦がうまい。1枚も2枚も上手ですね。
楽天の電子書籍事業、社長は有望視するも黒字化には2~3年の見通し・・・朝刊チェック(11/7) | インサイド (その他、全般のニュース) ※2012年11月7日
黒字化に2~3年なんて、三木谷さんが許さないでしょ。
書店との連携でアマゾンに立ち向かう:日経ビジネスオンライン ※2012年11月8日
「セレンディピティ(偶然の出会い)」って確かに電子書店単体だと難しいのですが、ブクログや読書メーターといった書評サイトや、書評ブログ、SNSがある程度補完してくれるようにも思います。
Amazonが強いのは、誰でも簡単に作れるアフィリエイトを用意することで、Amazon自身が宣伝しなくても勝手にユーザーが宣伝してくれるというサイクルを作ったところにあると思います。A8とかTGとかバリューコマースといったアフィリエイト専業で仲介をしている企業もありますが、事前審査がなぜか通らないとか、リンク作成が面倒といった利用障壁があるんですよね……そして、そもそもそういう仕組みですら、利用している電子書店が少ないという。勝負にならんですよ、これじゃ。
アマゾン製品を売らない街の書店や量販店 | ITトレンド・セレクト | 現代ビジネス [講談社] ※2012年11月8日
そのAmazonが、アメリカでは手を広げ過ぎたため、書店や出版社・ウォールマートなどと利害が衝突し始めているという話。ぶっちゃけた話、何をいまさら感が。家電量販店でモノを見て触って、その場でスマホで値段調べて通販購入するという人も多いですから。
神田古本まつりで「電子書籍」体験を « マガジン航[kɔː] ※2012年11月9日
「これなら紙に近い」「文字の大きさも変更できて便利だ」「家が本で溢れているので、一定量でも電子化できれば助かる」という好感触の初心者の声が聞かれた。
実際触れてみると、印象って変わるんですよね。
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7980円になったKindle Paperwhiteですが、いまネットで予約しても配送予定はもう年明けになっています。家電量販店でも取り扱うようなので、11月19日に店頭へ行った方がいいかも。