毎週月曜恒例。出版業界関連の先週のニュースで、ボクが気になったものにコメントをつけてまとめていきます。電子出版界隈が中心です。先週は「定額読み放題サービス1位はdマガジン、2位はコミックシーモア」「西尾維新デジタルプロジェクト始動」などが話題になっていました。
対談「50年後の文芸はどうなっているのか?」藤谷治✕藤井太洋 « マガジン航[kɔː] ※2016年5月2日
藤谷治さんと藤井太洋さんの対談。藤谷さんの「小説家になるにも幸運は必要だし、書いたものが読まれるのにも幸運が必要で、それは作品の内容とは一切関係がない」という発言は身も蓋もないのですが、運にも左右されるというのは恐らく正しいのでしょう。それに対する藤井さんの「やはり誰かが褒めて、拾い上げないと作品は浮き上がってこない」という発言は、実体験に基づいている実感なのだと思います。
菊池健×椙原誠×山内康裕:Webマンガと市場構造 「そのプラットフォームでしか見られないコンテンツを、どれくらい用意できるか。」 – DOTPLACE ※2016年5月5日
昨年12月に「マンガサロントリガー」で行われた鼎談書き起こし中編は、「マンガボックス」の戦略について。
コミックストアを拡充して3ヶ月くらいで、LINEマンガさんに次いでAppStoreのブックカテゴリーで2位の売上を出せるようになってきました。
「AppStoreのブックカテゴリーで2位」というのは、「売上」なのでトップセールスランキングのことでしょう。つまり、Apple IDを使ったアプリ内決済での売上ランキング。小学館「マンガワン」や集英社「少年ジャンプ+」あたりとしのぎを削っているようです。
定額制サービスは「Hulu」「LINE MUSIC」「dマガジン」が人気 – ケータイ Watch ※2016年5月6日
「定額制電子書籍読み放題サービス」利用者は、有効回答1725人のうち376人で15.3%。1位 dマガジンは納得貫禄。2位 コミックシーモアは昨年の国際電子出版EXPO(ボイジャーブース)で、2014年4月からの1年間で読み放題の売上が1.5倍になったと言っていました。フィーチャーフォン時代からの会員資産だけが強さではない、ということになりますね。
3位 Yahoo!ブックストアは、昨年の国際電子出版EXPO開催日に読み放題を始めたばかりでまだ1年経っていないのですが、もうこのポジションというのは凄い。4位 ブックパスをあっという間に抜き去っているということに。やはり通信キャリア縛りサービスは辛いですね。
“西尾維新デジタルプロジェクト”始動 一挙電子書籍化、30週以上連続で次々配信 | アニメ!アニメ! ※2016年5月6日
大物キタ━(゚∀゚)━! 「忘却探偵シリーズ」など最近の作品は電子化されていたので、時間の問題だとは思っていましたが。やっと、です。公式サイトに西尾維新さん本人のメッセージで「電子化不可能と言われていた西尾維新の小説に、このたび、デジタルプロジェクトが発足しました」とあるのに思わず笑ってしまいました。
英国の新しい新聞「ニューデー」はなぜ消えた?(小林恭子) – 個人 – Yahoo!ニュース ※2016年5月6日
イギリスで2月に新しく出たばかりの新聞「ニューデー」が、数カ月で終了。ジャーナリスト小林恭子さんが、その理由について解説。「紙だから、無理だった」ということ以上に、ポジショニングや価格設定の問題、そして何より諦めが早すぎるという点を挙げています。
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