(※写真:写真素材 足成より)
DVDリッピング規制によるレンタル業界への影響を考えている時に、映像ソフトの中古市場ってどうなっているんだろう?という疑問が頭に浮かんできました。いろいろ調べてみたんですが、最近の状況を把握できるようなテキストになかなか巡りあいません。
というわけで、これは「詳しい方、教えて下さい」というエントリーです。
ちなみにゲーム業界は、中古市場を目の敵にして訴えて、最高裁まで争って敗れています。
- 「中古ソフト問題」とは何だったのか(ゲームミュージックなブログ) ※2007年3月30日
このエントリーで挙げられている「中古取引の還元制度」は、ブックオフの新古書が問題になった時にも持ち上がった話ですね。ブックオフに大手出版社が出資することになって、話が立ち消えになりました。ブックオフの収益増が出資した出版社の利益になっても、著作者に還元されることはないのですが、いったいなにがどうなったやら。
過去には、文化審議会著作権分科会の議題にも挙がっていました。
- 文化審議会著作権分科会法制問題小委員会(第3回)議事要旨 ※2002年9月5日
CCCDの話が出ているので、これは主に音楽CDのことを念頭に置いた話のようです。
音楽CDの中古市場問題に関しては、こんなエントリーがありました。
- CDをリップしてから中古屋に売却問題への対応策を考える(栗原潔のテクノロジー時評Ver2) ※2007年5月18日
ボクも「6.充分安い料金でのダウンロード販売」が最も妥当だと思いますが、残念ながらいまだにそういう方向ヘは進んでいないですね。
ゲーム関連だと、わりと最近こんなエントリーもありました。
- Denis Dyack氏 「中古市場がゲーム業界を食い荒らしている」(Choke Point) ※2012年3月28日
これを見てふと思ったのが、オンラインゲームやソーシャルゲームって「パッケージ」ではないので、中古市場が存在しないんですよね。もちろんアカウントの売り買いとか、アイテムの売り買いといった別の問題はありますけど、ゲームが中古として流通することで新品の市場を食い荒らすということは起きないわけです。
……といった具合に、いろいろ調べたのですが映像ソフトの中古市場が今どうなっているか?という疑問に答えられるようなテキストが見つからないのです。たぶんボクの調べ方が悪いのだと思います。というわけで、いろいろ妄想してみます。
コレクターは、まず手放さないだろうというのは判ります。所有欲を満たすことが目的なので、開封しないようなケースも結構あるでしょう。
ブックオフみたいに「新古市場」的な問題になるとしたら、もう少しライトなユーザーで新作DVDレンタルが出るまで待てないけどなるべく安く済ませたいという人がどのくらいいるか、というところでしょうか。
例えば……
機動戦士ガンダムUC 5 [Blu-ray] 6,090円 (発売日2012年6月8日)
機動戦士ガンダムUC (Mobile Suit Gundam UC) 5 [Blu-ray]
posted with amazlet at 12.06.21
バンダイビジュアル (2012-06-08)
売り上げランキング: 8
Amazonでは現時点で新品4,445円、中古は最安値でも3,940円です。
中古映像ソフト買取査定サイトで調べると、現時点では3,045円と表示されます。
このサイトでは[お売り頂けないもの]に未開封/新品と明記されているので、これは開封済みの映像ソフトの買取価格ということになります。
もちろん作品の人気にもよると思いますが、Amazonで新品を購入しリッピングして即売却・換金すれば、負担は差額の1,400円で済むわけです。
レンタルだと新作が1泊2日でだいたい400円くらいでしょうか。待てばもっと安く済むわけですが、販売開始からレンタル開始までの期間は映像ソフトによって異なるようなので、状況は個々に異なるでしょうね。
ちなみに上記の「機動戦士ガンダムUC 5」は、発売から2週間しか経っていないのに、Amazonで9本の中古品が出品されています。そして中古品として流通・売買された利益は、販売元・製造者には還元されないわけです。
ボクは、健全な中古市場はユーザーの裾野を広げ、結果的に新品市場を活性化させるという考えを持っています。ただ、コンテンツビジネスの場合、特にデジタルモノは中身が劣化しないので、物品の中古市場と簡単に比較はできないだろうな、とも思います。
といったところで、映像ソフトの中古市場はいったい今どういう状況なんでしょう?詳しい方、教えて下さい。または、書籍を紹介して下さい。