毎週月曜恒例。出版業界関連の先週のニュースで、ボクが気になったものにコメントをつけてまとめていきます。電子出版界隈が中心です。先週は「定期購読サービスのOysterが閉鎖へ」「BOOK☆WALKER英語版」などが話題になっていました。シルバーウィークでちょいネタ少なめ。
日本十進分類法(NDC)のオープンデータ化に向けて | カーリルのブログ ※2015年9月21日
カーリルさんからの問題提起と署名活動の呼びかけ。日本十進分類法(NDC)は「デファクト」スタンダードだけど、いまから利用しようと思うと多額のライセンス料になるという話。提示する額が相手によって変わるようです。ひどい。
(データ)電子書籍利用、高校生15~16% :日本経済新聞 ※2015年9月21日
この記事の元になっている「高校生の読書に関する意識等調査」報告書は、4月16日に出ていたもの(文部科学省「子ども読書の情報館」)です。シルバーウィークに合わせて記事化したんですね。
「電子書籍の浸透はまだ一部」という記述に、出版関係者な方々が複数「いや、充分高いだろ」ってツッコミ入れてて笑ってしまいました。なお、調査票を見たら(マンガ・雑誌、新聞、教科書・参考書を除く)とあったので、実際「充分高い」と言えそうです。
Eブック定期購読サービスのOysterが閉鎖へ | TechCrunch Japan ※2015年9月22日
定額読み放題サービスのOysterが閉鎖され、創業者チームはGoogleに人材買収されたそうです。少し前に、ライバルのScribdも定額制モデルの転換を図っているという報道もありました。Amazonが定額読み放題サービス「Kindle Unlimited」を始めたのは2014年7月ですが、日本には未展開。音楽や映画は定額サービスが定着した感がありますが、本はなかなか難しいようです。
増える「書店ゼロ」自治体 : ライフ : 読売新聞(YOMIURI ONLINE) ※2015年9月23日
こちらも5月1日調べなので、シルバーウィークに合わせて記事化した模様。どこまでを「書店」とみなすか、によって大きく数字が変わりそう。例えばセブンイレブン「街の本屋」を自称していますが、こういう調査対象には入っていないはず。
KADOKAWAの「BOOK☆WALKER」が英語版をスタート NYコミコンから展開 | アニメ!アニメ! ※2015年9月24日
ついに英語版スタート。まずはKADOKAWAのライトノベルから。なお、BOOK☆WALKERは現時点でも公式に「海外から利用可能」とFAQに書いてあります(一部対象外・決済はペイパルもしくはウェブマネーのみ)。
ハイブリッド型書店サービス「honto」が会員数300万人を突破 – ITmedia eBook USER ※2015年9月25日
会員300万人突破ということで、いろいろデータが公開されています。会員数推移グラフに「2012年5月 bk1を統合しサービス開始」と書いてあるのですが、「ウェブの書斎」をリニューアルして「honto」を開始したのは2010年11月。つまり2012年5月以前は……?
なお、官報を自分で確認してないので伝聞情報なのですが、hontoを運営している2Dfactoの2014年度売上は、ブックウォーカーやBookLiveの3分の2くらい。旧bk1の通信販売売上があっても、事業規模的にはこの2社より小さいのが現状です。
新しくなった「マンガ図書館Z」の5つの秘密 ~悪魔を滅ぼす禁断の力~ – (株)Jコミックテラスの中の人 ※2015年9月25日
「(株)Jコミの中の人」が「(株)Jコミックテラスの中の人」に変わってる! リニューアルそのものは8月3日に行われており、当日行われた記者発表会から内容に変更があったわけではないようです。時間がなくて駆け足説明だったのが、がっつり説明されている感じ。
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