出版業界関連の気になるニュースまとめ(2014年2月24日~2014年3月2日)「本を読まない大学生が4割超」「スマホでの電子書籍利用者が2000万人超」など

毎週月曜恒例。出版業界関連の先週のニュースで、ボクが気になったものにコメントをつけてまとめていきます。電子出版界隈が中心です。先週は「本を読まない大学生が4割超」「スマホでの電子書籍利用者が2000万人超」などが話題になっていました。

デジタルコンテンツのダウンロード版とオンデマンド製本版の同時販売が可能に! (シーズネット プレスリリース) ※2014年2月20日

ダウンロード販売マーケットプレイス「DLmarket」で、オンデマンド印刷版の販売が可能になりました。ここは基本がPDFなので、漫画や写真集などの固定レイアウト作品には向いているのではないかと思います。先週のニュースですが、見落としていたのでピックアップ。

honto電子書籍ストア – 一部電子書籍商品のダウンロード期限を延長しました – 電子書籍ストアニュース ※2014年2月20日

こちらも先週の動きですが、見落としていたのでピックアップ。小学館コミックの再ダウンロード期限が1年間から5年間に延長されました。出版社側の意向とはいえ、撤廃できないのは悲しいところ。年末に調査した時点では、SBクリエイティブ、河出書房新社、光文社、小学館(コミック)、少年画報社、筑摩書房、中央公論新社、中央公論事業出版、ティアラ文庫、ハーレクイン(コミック)、フランス書院、ぶんか社、プランタン出版、三笠書房などに、1年間の再ダウンロード期限が設定されていました。ある種のバロメーターになるかも。

マンガ業界を盛り上げたい――コミックスマートの取り組み (1/2) – ITmedia eBook USER ※2014年2月24日

マンガ家を発掘して支援・マネジメントするためのプログラムと、連載型マンガ配信プラットフォームを同時に提供している会社の取り組みについての記事。制作スタジオを無料で利用できるというところがユニークですね。

Yahoo! JAPAN IDで「電子貸本Renta!」が利用可能に – ITmedia eBook USER ※2014年2月24日

Yahoo! IDによるRenta!へのログインだけでなく、逆もできるというのがポイント。今後の展開として、本棚連携も視野にいれているというのは期待。

「格安SIMカード」は仕事に使えるか? 第12回:格安SIMで電子書籍を買っても大丈夫? Kindleと楽天Koboで試してみた – 誠 Biz.ID ※2014年2月26日

興味深い視点の記事。モバイルだと通信量の上限があるから、ファイルサイズ情報は結構重要。ところが表示されていない電子書店は結構多いです。Kindleストアですら、モバイル版だとなぜかファイルサイズが省略されているというありさまだったり。モバイル環境にこそ必要な情報を、なぜ削っているのか不思議で仕方がない。

【新文化】 – 出版物貸与権管理センター、「児童書レンタル実験」の結果を公表 ※2014年2月26日

レンタルと販売を同時に行ったら、販売も伸びたそうです。「そういえば出版物のレンタル事業って、いまは認められていたんだっけ」というのをこのニュースを見て思い出しました。2007年から制度化されているんですね。ちなみに出版物貸与権管理センターのサイトを見たら、2013年10月1日に13億6千万円の使用料を分配しているそうです。

本を読まない大学生、初めて4割超す…生協調査 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞) ※2014年2月26日

「本」は読まなくても、「文章」を読む機会は増えているんじゃないかという気が。

EPUB3.0の適合状況を確認できるウェブサイト“EPUBTest.org”が公開 | カレントアウェアネス・ポータル ※2014年2月26日

国際電子出版フォーラム(IDPF)が関わっているというところで、信頼性と影響力の大きい情報配信だと思います。日本語対応状況の比較が欲しいな……。

アップル、電子書籍めぐる独禁法違反訴訟で控訴 – CNET Japan ※2014年2月27日

既定路線ですが、動きが報じられたということで。

75ページに及ぶ控訴状には、Appleが同市場に参入したことにより、「1社集中の状態にある市場において競争が始まり、よりよい結果が得られ、価格水準が下がり、革新が加速した」と記されている。

さすがにその論理は無理がないか?

スマホでの電子書籍利用者が2000万人超え、マンガアプリも台頭 -INTERNET Watch ※2014年2月27日

角川歴彦会長へのインタビューで「(電子書籍の)認知度が15%くらい」という数字が挙げられていたのですが、この調査によるとスマホでの利用率で15%超えてますね。ニールセンの調査が、どれだけ信用できるか……ちなみに「マンガアプリ」という分類基準もニールセンが決めているのですが、LINEマンガが入ってなかったりするのでよく分からない。

hon.jp DayWatch – Amazon傘下のオーディオブック配信最大手Audible.com、個人作家への支払い率を大幅引き下げ ※2014年2月28日

Audible.comのオーディオブック市場におけるシェアがどの程度かわからないのですが、支払い率を大幅に引き下げたところで他へ逃げられることはない状況になっていることは想像できます。どこか1ヶ所に依存していると(そこだけに市場を専有されちゃうと)、逃げたくても逃げられないのですよね。怖い怖い。

米国書籍市場 電子書籍の伸びは鈍化 | カレントアウェアネス・ポータル ※2014年2月28日

年末にJAGATのセミナーで文芸エージェントの大原ケイ氏から報告がありましたが、2013年におけるアメリカの電子書籍市場は成長率が鈍化しています。「ヒットを牽引するタイトルが出ていない」というのが大きいのかな……。

電子ペーパーと液晶の2画面スマホYotaPhoneに新モデル、電子ペーパーでもタッチ操作。2014年4Q発売 – Engadget Japanese ※2014年2月28日

7インチ級タブレットで、こういうのが欲しいなあ……GooglePlay非対応でも、apkファイルがインストールできれば構わないから。文字モノは、電子ペーパー端末の方が格段に読みやすいのです……。

愛媛)セブンイレブン県内初出店 松山、新居浜に3店:朝日新聞デジタル ※2014年3月1日

文教堂が数年前からスリーエフと共同出店展開していましたが、コンビニ業界最大手のセブンイレブンが書店併設という方向に進み始めたのは結構インパクトあるかも。小売業の競争、さらに激化ですね。

(デジタルトレンド・チェック!)電子書籍は誰のものか:朝日新聞デジタル ※2014年2月27日

【第12回】電子書店サービスが終了したら、買った本は読めなくなる? | ダ・ヴィンチニュース ※2014年2月28日

西田宗千佳さんとまつもとあつしさんから、ほぼ同時に同じ話題の解説記事。

違法コピーを防止するDRMがなくなり、自由にデータをやりとりできるようになれば、こうした問題は解消されます。音楽ではDRMがないファイルを販売する形態が主流になりました。電子書籍でも、将来的にはそうなるべきだ、と筆者は思います。

しかし、何回も同じものを反復して楽しむ音楽のようなコンテンツと、一度しか読まない人も多い本や映画のようなコンテンツにおける「DRM撤廃による違法コピーリスクの有無」を同一視していいのか、という議論もあり、現実的な問題として、短期間でDRMの完全撤廃に至るのは難しいでしょう。

違法コピーによる海賊版を防ぐためにDRMは必要だ、という意見は根強くあります。しかし音楽の世界でも繰り返し指摘されてきたことですが、本当にDRMがなければ海賊版が蔓延してしまうのか? 現状でも、iPadなどでは画面のコピーは取得できるのに、ファイル自体にコピーガードを掛けている意味はどのくらいあるのか?という議論は引き続き行われる必要があるでしょう。

お二人の、非常にバランス感覚に優れた見解が素晴らしい。一足飛びでの変化を望むのは早計で、徐々に変わっていくしかないんでしょうね。

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