出版(紙・電子書籍)関連の気になるニュースまとめ #45(2012年12月17日~12月23日)

(※写真:写真素材 足成より)

「紙書籍・電子書籍」関連でボクが気になった先週のニュースについて、コメントをつけてまとめていきます。毎週月曜配信。

ソニーのReader「PRS-G1」がさらに値下げして8980円に – ITmedia eBook USER ※2012年12月17日

11月の頭に値下げしたばかりなのに、1ヶ月半でさらに値下げです。3G回線付きモデルのG1は旧モデルのままなので、そろそろ新しいのが出るかと思っていたのですが……前回の値下げがKindle Paperwhite 3G(1万2950円)対抗、今回の値下げがBookLive!のLideo(8480円)対抗でしょうか。なかなか苦しいところですね。

ヤマダ電機、電子書店「ヤマダイーブック」オープン – ITmedia eBook USER ※2012年12月18日

「電子書籍の購入でポイントが貯まる!」よりも、「端数ポイントで電子書籍が買える!」という捉え方をした方がいいような気がします。Rabooが端数の楽天ポイントを使う場所として活用されていたらしいですからね。もうすぐ期限切れ!という時に、ポイントだけで使い切りやすい(余計な出費をせずにすむ)というメリットはあると思います。

BCCKS(ブックス)オリジナル書店を作成できるサービスを開始 | ダ・ヴィンチ電子ナビ ※2012年12月18日

以前からセルフパブリッシングをやっていた方にとっては朗報みたいですね。ボク自身が使っていないのでちょっと実感がわかないのですが、BCCKSのエディタが非常に高度な表現力を持っているらしく、そこで作成したEPUBを他のストアで販売しても構わないというのが大きいようで。逆に言うと、BCCKSのビジネス的にそれはどうなんだろう?と心配になってしまいます。

TSUTAYA.comと電子貸本Renta!が提携、電子書籍レンタルに弾みが付くか – ITmedia eBook USER ※2012年12月18日

電子貸本Renta!は面白い試みなんですけど、ちょっと高いんですよね。ちょっと古い本は48時間1チケット(=105円)なんで、まだ納得感があります。でも、新しい本だとだいたい48時間3チケットで、無期限なら4チケットか5チケット。105円の差なら「借りる」という選択肢って無いと思うんですよ。どうせ「所有」できないのなら、もっと期間を短くして「1時間50円レンタル」くらいにした方が需要を喚起できるんじゃないかという気がします。

「kobo mini」についてのお知らせ: 電子ブック楽天<kobo> ※2012年12月18日

発売予定の当日になって延期のお知らせで、それも2日間だけ延期という。いったい何があったんでしょうね? 広報からは「必要だと考えるサービス品質に至っていない」という発表があったようですが。

“Kindle本”自費出版、日本でも「ロイヤリティ70%」選択可能に – ITmedia ニュース ※2012年12月19日

Kindle独占販売(90日間)の「KDPセレクト」への登録が必須なのと、1MBあたり1円の通信費がかかるのと、最低価格250円・最高価格1250円という制限があるところがポイントです。「情報商材」系がなだれ込んでくるのを危惧していたのですが、この制限なら来なさそうですね。一安心。

世界三大タブレットを「コンテンツ目線」で評価してみた–ハードウェア・電子書籍編 – CNET Japan ※2012年12月19日

Kindle Fire HDの発売当日にこういう記事がアップできるというのは、事前によほどしっかり準備してなきゃできないはずで、さすがだなあと脱帽するしかありません。「コンテンツ目線で評価」という切り口は、ボクもやりたかった方向性の記事。

BOOK☆WALKERで電子書籍が購入できるオリジナルプリペイドカード 『BOOK☆WALKERカード』を限定販売 紀伊國屋書店、アニメイトの一部店舗で明日12月20日より販売開始! |株式会社ブックウォーカーのプレスリリース ※2012年12月19日

紀伊國屋書店で販売というところにちょっと驚きました。BOOK☆WALKERとKinoppyの提携(本棚連携とか)が近々あるかもしれませんね(※憶測です)。

Jコミ、JコミFANディングを正式スタート――漫画にライブ感を持ち込めるか – ITmedia eBook USER ※2012年12月20日

赤松健さんによるJコミの新しい仕掛け本格運用です。試験運用時と同様、あっという間に完売してしまった事例もいくつかあるようで。電子透かし入りの高解像度PDFと、物品や飲み会といった特典があるクラウド・ファンディングですが、実際には「ファンによる支援活動」的な意味合いの方が強い気がします。CAMPFIREを利用したうめ先生みたいに、ある程度名の知れた著者じゃないと難しいのかな……。

ニコニコの「ブロマガ」一般ユーザーに開放 広告モデルにも対応 – ねとらぼ ※2012年12月20日

一般開放と同時に広告モデルにも対応したわけですが、「じゃあ普通のブログと何が違うの?」という気がします。要するに「有料課金型の記事も配信できるブログ」ってことですよね。うーん。

ニュースリリース – 電子書籍はeBookJapan : Kindle FireおよびKindle Fire HDにおけるeBookJapanアプリについてのお詫びとお知らせ ※2012年12月20日

Kindle FireやKindle Fire HDでeBookJapanが利用可能に!」というリリースを見て「競業避止しないのかー寛容だなあ」と思っていました。下記のレビューを書く際に検索してみたら、出てこない。あれ?と思ってeBookJapanの公式アカウントに聞いてみたら、把握していなかったという。Amazonアプリストアのディベロッパー登録にはお金がかかりますから、承認しておいてKindle FireやKindle Fire HDでは配信しないというのはかなり酷いと思うんですよね。しかも理由がはっきりしないという。

Amazonの新型7インチタブレット「Kindle Fire HD」を使ってみた (1/3) – ITmedia eBook USER ※2012年12月21日

寄稿しました。ソーシャルボタンの数字があまり伸びていないので、あまり読まれていないのかなー?と思ったら、ソーシャル以外での流入が非常に多いそうです。ルーターの相性でWi-Fiの設定ができない難民が爆増中らしいのですが、ボクの観測範囲(ガジェット好きが多いと思います)にはあまり困ってる人がいません。つまり、「名の通った所が出した安価なタブレット端末」ということで飛びついた方、飛びつこうとしている方が多いのかな、と。Nexus 7を買った顧客層とはかなり違うっぽいですね。

Kobo、日本語版Androidアプリをリリース――専用端末以外から利用可能に – ITmedia eBook USER ※2012年12月21日

koboイーブックストアが品ぞろえを一挙拡充――小学館作品など配信開始 – ITmedia eBook USER ※2012年12月21日

批判記事を書いた次の瞬間に新しい動きがあるという非常に間の悪い思いをしました。koboのAndroidアプリは、リリースまで時間がかかっただけあって、わりと良いデキだと思います。小学館作品を今まで配信してなかったのは、アプリのリリースに合わせてたのかな? だとすると次は、iOSアプリのリリースに合わせて集英社のカラー版がリリースされるかも。

ソフトバンクモバイル、書店でも電子書籍を購入できる「スマートブックストア」を提供 – ITmedia Mobile ※2012年12月20日

以前トーハンからリリースがあった時に「書店で電子書籍買う奴なんかいるか!」みたいな批判を受けていた仕組みが動き始めました。ボクは応援したい側なので試してみたいのですが、ソフトバンクの回線持ってない……。しかし、てっきりDigital e-honを使うのかと思っていら、メディアドゥとの提携ということで。せっかく紙書籍の共有在庫システム(e-hon)があるのに、それを連携させないのは非常にもったいない気がするのですが……。

[追記]

しまった、「ソフトバンク以外のスマートフォンでも利用できる」を見落としてた!しかしc-shelfのサイトにビューワアプリの直接リンクが貼ってないってどういうこと?(;^ω^)

Android用アプリ「Book Reader」

iPhone用アプリ「Book Reader」

試してみてわかりました。スマートブックストアのサイトはPCからだとアクセスできません。会員登録はモバイルからやる形ですね。c-shelfはあくまで書店の店頭販売システムということのようです。むむむ、ちょっとややこしい。

メーカー非公式初音みっくす | 電子書籍のGALAPAGOS STORE ※2012年12月21日

GALAPAGOSオリジナル仕様で4000×2000の高画質イラストです。さっそく購入してみましたが、iPad Retinaで見ても非常に綺麗でした。以前エントリーに書きましたが、集英社のデジタルフルカラーコミックと同様に、こういう高付加価値路線というのはアリだと思います。「いいぞもっとやれ!」とエールを送っておきましょう。

部屋とディスプレイとわたし:電子書籍で世界がもっと楽しくなる方法を考えよう 「売れる・売れない」を超える「第三極」のために (1/5) – ITmedia ニュース ※2012年12月21日

堀田純司さんによる「いいからさっさとアフィリエイト用意して、ユーザーを巻き込みやがれこのやろう(意訳)」という激。永江一石さんも以前「LideoがKindleと戦うために、やらなくてはいけないこと」というエントリーで同じようなことを言ってました。アフィリエイトを用意すると「売り場が勝手に増えていく」から非常に良いと思うんですけどねぇ……。

楽天koboと提携することになりました – 猫司書の図書館資料探し ※2012年12月21日

長野電波技術研究所の古文書電子書籍を、なぜKindleやAppleではなくkoboなのか?という理由を説明したエントリー。「アマゾンでは規約上、古文書は扱わない」「アップル検閲ともいえる審査があるのが嫌だ」というのと、「楽天は日本企業だから」という話です。

【楽天株式会社】│楽天いどうとしょかん:楽天ブックス×楽天たすけ愛 ※2012年12月21日

楽天はこういう地道な活動もしているということでピックアップしておきます。

なぜkindle評判高くkobo低い?電子書籍業界を占う(1/2) | ビジネスジャーナル ※2012年12月22日

「Amazonなら大丈夫」という信頼感が強い、という話。結局その「信頼感」が、購入した書籍が消えてなくなってしまうかどうかに関わるのが大きいんですよね。楽天=Rabooもそうですが、ソニーやシャープも、撤退・閉店してきた過去がある。今まさに会社が傾いていて、事業の存続性という部分に疑念を感じているユーザーも多いと思うんです。

漂流するソニーのDNA

漂流するソニーのDNA プレイステーションで世界と戦った男たち

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ソニー頑張れ(TдT)

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