楽天koboイーブックストアのWikipedia情報にはDRMがかかっているのでライセンス違反ではないか? ※追記アリ

昨日のエントリーで取り上げた「koboイーブックストアの“Wikipedia”作品」について。ボクは「数稼ぎ」という批判をされるのは当然のことだと思いますが、Wikipediaのコンテンツはクリエイティブ・コモンズ 表示-継承(CC-BY-SA)で公開されているので、ライセンスに関しての問題は無いだろうと思っていました(過去形)。

※末尾に追記アリ。問題は解消されました。

それをTwitterでつぶやいたところ、

(「思う」が二重になってる……)

こんな指摘を頂きました。

なるほど、と思いライセンスの文章を読み直して見ました。

4. 制限

(中略)

b.あなたは、以下のいずれかのライセンスに基づく限りにおいて、二次的著作物を頒布または公共で発表することができます。

(中略)

(I) あなたは、頒布または公共で発表する二次的著作物の複製物の各々に、適用するライセンスの写しあるいはそのURIを添付または表示しなければなりません。

(II) あなたは二次的著作物に適用するライセンスによって付与される利用許諾受領者の権利の行使を変更または制限するような条件を提案したり課すことはできません。

(III) あなたは頒布または公共で発表する二次的著作物の複製物の各々に、本作品に含まれる適用されるライセンスとその免責条項に関する注意書きの内容を変更することなく、かつ見やすい状態でそのまま掲載しなければなりません。

(IV) あなたは、二次的著作物の頒布または公共での発表にあたって適用するライセンスによって付与される利用許諾受領者の権利の行使を変更または制限するような技術的保護手段を用いることはできません。 第4節b項は二次的著作物が編集物の一部となった場合にも適用されます。しかし、編集物のその余の部分が適用されるライセンスに従っている必要はありません。

※太字下線はボクによるものです

なるほど確かに、DRM(Digital Rights Management:デジタル著作権管理)をかけてはいけないことになっていますね。「表示-継承」なら、自由に複製できなければいけないというわけです。

そこで、koboで配信されているWikipedia情報に、DRMがかかっているかどうかを確認してみました。かかっていなければセーフ。

川端康成さんのファイルを Kobo touch にダウンロードして、パソコンに繋ぎます。

ファイルのタイムスタンプから判断するに、このファイルで間違いないようです。拡張子が付いていないので.epubを末尾に追記してDropboxに放り込み、iBooksで開いてみました。

一番上に「川端康成」と表示されていますが、本文は読めません _(:3」∠)_

ちなみにインデックスは見えました。

……三木谷さん……。

三木谷さん!!

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[2012年9月21日19時追記]

また消えました。

WikipediaにしてもISBNにしても、恐らく事前の確認を怠ったうっかりミスなんでしょうけど、現場のスタッフに「事前に確認をする余裕」が全くないような状態に陥っているのではないかという気がします。「やってみてダメなら引っ込めればいい」という考えで突き進んでいるとは思いたくないのですが……。

[2012年9月22日17時追記]

また復活していました。

そこで、DRMがどうなっているか、確認をしてみました。改めてウィキペディア情報をライブラリに追加し、Kobo Touch の更新をしてみました。すると、このエントリーの検証のためにライブラリ登録をした「川端康成」はもちろん、購入した有償書籍まで更新・再ダウンロードされました。

合計4ファイルが更新されました。元々Kobo Touchに入っていたのがウィキペディア情報1つと、購入した有償書籍が2つ、これが再ダウンロードされるのを画面で確認しました。新たにライブラリ追加したウィキペディア情報と合わせ、4つということになります。

このファイルを全て一旦ローカルに保存し、今度はそのまま「Readium」で開いてみました。

ウィキペディア情報は、DRMフリーに更新されました。

ちなみに4ファイル中2ファイルはReadiumで読み込めませんでした。有償書籍はDRMがかかったままということですね。なんで更新・再ダウンロードされたんだろう……。

ともあれこれで、ライセンス的には問題なくなりました。まさに「スピード!スピード!スピード!」の楽天を地でいく対応だと思います。やってみてダメだったらすぐ直せばいいじゃん、みたいな。これだからこの会社は恐ろしい。

このスピードで、普通のラインナップを増やして下さい。普通のラインナップで「8月末6万冊」などの約束を守った上で、プラスアルファの付加価値としてのウィキペディアだったら、誰にも文句は言われないはず。

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