(※写真:写真素材 足成より)
電子書籍以外の「出版」関連でボクが気になった先週のニュースについて、コメントをつけてまとめていきます。毎週月曜配信。
世界中で発生する対海賊版書籍の戦い – 電子書籍情報が満載! eBook USER ※2012年10月29日
世界的には紙書籍の海賊版がまだまだ多いという話。なんでわざわざコストをかけて……と思ったのですが、閲覧するデバイスが普及していない地域なら、印刷した本がイチバンですよね。
電子化に腰が重い出版社につきつけられた著作権のジレンマ(1/3) | ビジネスジャーナル ※2012年10月30日
「千載一遇のチャンス」ですって。何がどうチャンスなのか読んでもさっぱり分からないというのがアレなのですが、海賊版対策なんていうタテマエに無理やり持っていこうとするから理解されないんじゃないですかね?
先日行われたCCJPシンポジウム:「出版社の新しい著作隣接権を考えるシンポジウム」でも言われていましたが、素直に「このままでは出版社がやっていけなくなっちゃうので、法で守って利益分配して下さい」って素直に言った方がまだ理解されやすいような気がします。
全国のファミリーマートでAmazonの商品が受け取り可能に -INTERNET Watch ※2012年10月31日
いままでローソンだけだったんですが、ついに提携を拡大し始めました。恐らく他のコンビニも追従することでしょう。Amazonが便利になればなるほど、書店では売れなくなる。
Amazonが弱いのはすぐ在庫切れするところですから、そこを共有在庫的な仕組みで対抗できるe-honやHonyaClubが、利便性の部分でもAmazonに負けないよう努力しなければならないと思うのですが……実際使ってみて思ったのが、提携していない書店が多すぎる。本来、中小書店を守るための仕組みのはずが、利用しているのは大手だけ。生き残れないでしょそれじゃ。
「才能の無駄遣い」を続けていくために:日経ビジネスオンライン ※2012年11月1日
うーん、「才能の無駄遣い」って、才能がお金に還元されないところで無駄に才能を発揮しているから”無駄遣い”なのですよね。つまり、全く別の所で安定した収入があって、才能の発揮は趣味という状態。「出版社的にはお金にはならないけど、著者には初版印税で還元できる」という余裕が無くなってきてしまっているという現状を憂いているという話だとは思うのですが、それを「『才能の無駄遣い』を続けていくために」という切り口で語ってしまうのは、どうもどこかズレている気がしてならない。
posted with amazlet at 12.11.05
新潮社 (2012-04-13)