出版(紙・電子書籍)関連の気になるニュースまとめ #54(2013年2月18日~2013年2月24日)

(※写真:写真素材 足成より)

出版(紙・電子問わず)関連でボクが気になった先週のニュースについて、コメントをつけてまとめていきます。毎週月曜配信。

KDPで電子書籍の稲穂は実ったか (1/3) – ITmedia eBook USER ※2013年2月18日

山本直人(さあにん)さんが漫画家の鈴木みそさんにインタビューした記事。なんと描き下ろし漫画まで付いているという豪華さ。2ページ目の例のポーズには、思わず爆笑してしまいました。コンテンツを生み出したら次は、どうやって多くの人に知ってもらい、購入してもらうかが肝要ということなのだと思います。

電子書籍の専門媒体「OnDeck」、日刊版「OnDeck on Facebook」を提供 -INTERNET Watch ※2013年2月18日

速報的なものは日々SNSで、ある程度読みやすいように編集加工したものは週単位で、時間をかけた重厚なものは月単位で、という感じでしょうか。

電子書籍や自作雑貨などを出品できる『dクリエイターズ』が5月スタート ※2013年2月18日

購入者・クリエイターともに、キャリアやデバイスに関係なく利用できるというのがドコモっぽくなくていいですね。しかし、決済どうするんだろう?

Amazonの日本売上高が判明 12年は78億ドル – ITmedia ニュース ※2013年2月19日

このニュースを見て、「とっくにAmazonが抜いてたでしょ?オレの感覚どおりだよ」と言ってる人を見かけました。手数料売上メインの楽天と、直販比率の高いアマゾンとを、どうやって感覚的に比較するのだろうと不思議に思い、流通額で比較をするエントリーを書きました。アメリカではマーケットプレイスが39%を占めている(ただしこの記事だと売上額なのか売上点数なのかが明確ではない)そうですが、日本ではどういう状態なのでしょうね?

インプレスR&D、電子書籍とプリントオンデマンドによるロングテール出版の試み -INTERNET Watch ※2013年2月19日

「WordファイルをEPUBに変換するツール」というのが非常に気になります。というのは、例えば「FUSEe」というEPUB専用のオーサリングソフトでもWordファイルが取り込みできるのですが、あちこちに span style=’font-family:”MS 明朝” とか span lang=”EN-US” とか入っちゃって、結構大変な状態になるんですよね。テキストエディタを経由してプレーンな状態にしてから貼り付けた方が、後々困らずに済むような感じです。インプレスR&Dのツールは、どんな感じなんでしょうね?

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ミクシィ「毎月1冊無料」でフォトブック参入、新規事業第3弾の勝算 -INTERNET Watch ※2013年2月19日

最近のミクシィは他社のモノマネ新規事業ばかりリリースしている気がするのですが、これは毎月1冊無料で送っちゃうという太っ腹ぶりがなかなかユニーク。収益化できるんでしょうか?

権利者とユーザーは垣根を越えられるか、コンテンツ流通のWin-Winな未来とは -INTERNET Watch ※2013年2月18日

読んでいて本当に吐き気がしてきた記事。ユーザーそっちのけで「権利者」視点ばかり。

hon.jp DayWatch – 電子書籍制作ベテランのDave Cramer氏、シンプルな電子書籍フォーマット「EPUB Zero」を提案 ※2013年2月20日

「複雑なEPUB3」って、縦書き対応のことかな? とちょっと思いました。横書き文化圏には不要ですもんね。

hon.jp DayWatch – Amazon、電子書籍ファイル制作ツール「KindleGen」「Kindle Previewer」をアップデート、XMDF形式にも対応 ※2013年2月20日

XMDF形式にも対応というのがなかなかニクい。これで過去のデータ資産が再活用できますね。ただ、異体字を画像外字対応していた部分なんかは、手作業で直さなきゃいけないんだろうな……。

クリエイター奨励プログラムにニコニコ静画が全面対応 ニコニ・コモンズ お知らせ ※2013年2月20日

イラストだけではなく、ニコニコ漫画・スクロール漫画にも対応というところでピックアップ。クリエイター奨励プログラムが登場した時にはいろいろ心配しましたが、第三者の権利侵害に関してはわりと厳しくチェックをしていることがわかって安心した記憶があります。

【第1回】「電子書籍って読みたい本がなかなか見つからないのはどうして?」 ――インプレスグループの全方位戦略 | ダ・ヴィンチ電子ナビ ※2013年2月20日

冒頭にいきなり「まず著作隣接権(出版に係る権利)が日本ではまだ成立していないという状況があります」とあって、仰け反りました。出版で著作隣接権って、「日本では」どころか諸外国にもありませんから。要するに、著者と出版社がちゃんと契約を結ぶという習慣がなかったから、難儀な思いをしているという話(インプレスは違う、とも書いてありますが)です。「契約書を締結する」ということがどれだけ面倒かはボクもよく知ってますが、だからといって「著作隣接権がないから」と言っちゃうのはちょっと安直過ぎるのでは。

その後に続く本編部分は、けっこう面白かったです。いくらダイレクトパブリッシングが簡単になったとはいえ、進行や品質を管理する編集工程の需要は確実に残ると思うんです。

KDPの売上にかけられる米国所得税を回避する方法 「確認編」 – キンドる速報(KDPの感想・レビュー) ※2013年2月20日

Kindleダイレクト・パブリッシングでは、ちゃんと手続きしないと米国所得税で30%源泉徴収されちゃいますよ、という話。

hon.jp DayWatch – 電子書籍のDRM論争がヒートアップ、米国で書店オーナー達がAmazonと大手出版社を訴える ※2013年2月21日

「電子書籍DRMが公正な競争を阻害している」という訴え。Amazonは、「DRMを希望しているのは出版社だ。ウチはDRMフリーでも出せる」と言うでしょうね……。

柳田國男など:国立国会図書館、著作権処理が終了した図書約2万3000点をインターネット上で公開 – ITmedia eBook USER ※2013年2月21日

国立国会図書館が持っている膨大なアーカイブの一部が公開。「著作権処理」がなかなか厄介なんですよね……詳しくは「TPPの知的財産権と協議の透明性を考えるフォーラム(thinkTPPIP)」公開シンポレポートをご参照ください。

hon.jp DayWatch – Apple社、電子書籍に付けた附箋をノートにまとめてくれるユーザーインターフェイスを特許申請 ※2013年2月20日

またアップルはこういうことを……(‘A`)

宇宙兄弟20巻発売――hontoでは“あの後”が読める限定漫画が特典に – ITmedia eBook USER ※2013年2月22日

「電子版だけの特典」というのがだんだん増えてきましたね。

「読書革命」なんていらない?Koboの炎上が照らしたもの : 本とeBookの公園 ― 21st century Book Story ― ※2013年2月24日

楽天Koboの炎上を振り返りながら、その挑戦する姿勢に対しては一定の評価をしつつも、目指す方向性が少し違うという厳しい指摘。Koboの詳細が発表された時に不安視する記事が見当たらなくて、「おいおい大丈夫かよ?」と思ってこのエントリーを書いた(そしてその不安は的中した)記憶があるのですが、「実は相当な炎上案件であることが開店前から外部でも予想されて」いたそうです。ふーむ。まあ、関係者・当事者だと現在進行形の案件についてはおおっぷらには言えないかな?

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