出版(紙・電子書籍)関連の気になるニュースまとめ #65(2013年5月6日~2013年5月12日)

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出版(紙・電子問わず)関連でボクが気になった先週のニュースについて、コメントをつけてまとめていきます。

ソニー、電子書籍15カ国で配信 欧州・豪でサイト :日本経済新聞 ※2013年5月6日

ソニーは、自社の端末でも現地の書店大手が手がける電子書籍の配信サービスを利用できるオープンな仕組みを採用。地元企業の協力を得やすい体制を作りサービスを充実させアマゾンに対抗していく。

日本もはよ!!booklista以外も!!

Amazonに対抗するには、どの電子書店で買っても1つの本棚で管理できるという方向性しかないと思っているのですが、こういう形で提携できるのはAdobeのDRMを使っているという共通項があるからであって、現実的には異なるDRMを使っているストアが手を組むのは技術的に難しいのでしょうけどね……。

Life is beautiful: Kindle ダイレクト・パブリシング、失敗から学んだこと ※2013年5月7日

中島聡さんがKindle ダイレクト・パブリシングにトライして、いろいろ失敗した体験談。失敗から学べばいい、Amazonがちゃんと対応してくれるから、未来は明るいという前向きな姿勢が気持ちいい。電子書籍のコミュニティで紹介したら「EpubCheck通しましょう」という指摘があったので、自分の作ったEPUBを「EPUB Validator」で試しにチェックしてみたら、エラーの山で戦慄しました。目次が出ない理由がわかってよかった……。

オーバーラップ文庫が早くも電子書籍配信 「IS」など5タイトルがBookLive!に | アニメ!アニメ! ※2013年5月7日

こうやって、紙と電子がほぼ同時にリリースされるのが、今後は当たり前になってくるんでしょうね。

INTERVIEW 遂に上陸! 「ザ・ハフィントン・ポスト」日本版・編集長のマニフェスト « WIRED.jp ※2013年5月7日

ボクも、マガジン航の仲俣さんと一緒に、取材をしてきました。記事は数日中に出ると思います。しかし、真価が問われるのはまだこれからというのに、妙な批判がやたら目につくような……それだけ脅威に感じられているということなのかもしれませんが。

【連載】インターネット時代の企業PR:第9回 削除しようとしたとき炎上は始まる – ITmedia マーケティング ※2013年5月7日

楽天Koboスタート時に、炎上したレビュー欄を不可視にしてしまった事案が取り上げられていました。楽天市場へ出店している企業にはこれまで一切認めてこなかったレビュー欄の不可視を、自社商品の場合はやってしまったというのが。レビュー欄に対する信頼性を自ら貶めてしまったわけで。

メディア・パブ: お気に入りのジャーナリストに購読料を払うニュースサイト ※2013年5月7日

これは面白い試み。例えばcakesには、純粋にPVで執筆料が支払われるのと、自ら宣伝することで獲得した売上を配分するシステムがありますが、この事例の場合は「この執筆者を支援したい」という読者の思いをダイレクトに伝えられるわけで、ある意味有料メルマガの仕組みにかなり近いものがあります。

ASCII.jp:Kindleで本を出したい方はいらっしゃいませんか!? (1/3)|Kindle出版体験記――ツッコミ多め版 ※2013年5月8日

「ツッコミ多め版」とあるように、例えば何も考えず三菱東京UFJ銀行を登録しちゃってるけど大丈夫?とかいろいろ心配になる連載。

出版社が倒産すると著者はどうなるのか – ITmedia eBook USER ※2013年5月8日

究極的に、すべては法的契約・フレームワークに落ち着く。中小出版社と自費出版社はまともな法的書類を準備していないかもしれない。契約にサインするなら、出版社が破産申請した場合に備えて、著作権の保護と返還が確実に行われるようにしておくことが必須だ。

日本の場合、契約書すらまともに取り交わさない場合が……。

電子書籍に及び腰の出版社と業を煮やす経産省 | BCN Bizline ※2013年5月9日

本文にはタイトル以上のことは書かれていませんが、これからこういった「コンテンツ緊急電子化事業」とは何だったのか? という論考がいろいろ出てくるだろうな、と思った記事。

新人発掘の無料漫画サイト「画楽ノ杜」オープン – ITmedia eBook USER ※2013年5月8日

集英社(の関連会社)による、新人発掘を目的としたプラットフォーム。マガジン・ラボクラブサンデー裏サンデーガンガンオンラインマンガごっちゃなど、他社が先行している事例にようやく集英社も参入しました。

EBook2.0 Magazine — データから読むインディーズ出版のノウハウ ※2013年5月9日

販売価格設定が「3ドルが心理的な抵抗線になっている」というのが興味深い。日本の場合は、そもそも紙書籍(文庫本)が米国に比べかなり安価なので、単純に比較することはできませんが。

漫画出版社を飛び出した、漫画家の話。出版社を離れ電子出版をした理由とは!? | ビーカイブ ※2013年5月9日

ごとう隼平さんによる、出版社へのエール。10000字対談「佐藤秀峰 × ごとう隼平」電子書籍について語る(ガジェット通信)と合わせて読みたい。

99円の電子書籍が日本を席巻することは避けられない : アゴラ – ライブドアブログ ※2013年5月9日

フムフムと読んでいて、最後の段落でずっこけました。

セルフ出版には、Kindleのみならず、楽天のKoboや、アップルのiBooks、グーグルも追従してくるだろう。

えーっと、もうやってますけど。「日本語圏の書籍市場は、英語圏に比べてはるかに小さい。」というのもよくわからない……まあ、そういう細かい部分へのツッコミは置いておくとしても、85円とか99円の電子書籍が、初版しか出ない紙書籍をリプレイスしていくのは間違いないとボクも思います。

タブレット版「gooウェブ検索」に電子書籍の検索機能が追加 – ITmedia eBook USER ※2013年5月10日

本機能では、「honto」「電子貸本Renta!」「Kindleストア」「eBookJapan」「BOOK☆WALKER」の5電子書店から商品を検索可能。

横断検索機能を提供するところがだんだん増えてきましたね。提携先がなぜこの5社なのだ?というところに疑問は残りますが。しかし、Googleなら既存のシステム(ロボット巡回によるインデックス化)の延長上でこういう仕組みが作れると思うんですが、なぜやらないんだろう? Googleブックスは紙書籍だけだもんなあ……。

メディア・パブ: オンライン広告収入の伸び悩みが、新聞サイト有料化を加速 ※2013年5月12日

無料公開して広告で収益を得るというモデルがうまくいっていないから、ペイウォールを築く方向へ進んでいるという話。

日本経済新聞:電子書籍「日経ストア」、5月21日オープン ※2013年5月12日

日経グループ全般を扱うストアになるみたいですが、日経BPストアはどうするのかな? 日経IDによるログインみたいなので、恐らくストアの仕組み(購入履歴とか)は共通だと思うのですが。

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