出版業界関連でボクが気になった先週のニュースについて、コメントをつけてまとめていきます。電子出版界隈が中心です。先週は、Amazonで紙書籍の購入者に電子版が安価に提供される「Kindle MatchBook」のリリースが話題になっていました。
Amazon.co.jp: Kindle本を作成するには eBook: Kindle Direct Publishing: Kindleストア ※日付不明
Amazon公式の、Microsoft Word 2010 によるKindle本の作成マニュアル。いつからかわかりませんが、「詳細情報、コンテンツ、フォーマットに問題が見つかったため、この本は現在販売しておりません」という警告が表示され、購入不能になっています。Word は試験的に対応していたはずですが……日本語対応は難しかったのかな?
進む「デジタルファースト」 出版界、Web・電子書籍・紙の相乗効果狙う (1/2) – ITmedia ニュース ※2013年9月3日
ウェブ媒体に連載した後で書籍を出すなどの「デジタルファースト」事例についての記事。西内啓さんの「統計学が最強の学問である」は、いまでもcakesで公開されています(ただし、ペイ・ウォールがありますが)。以前は雑誌連載だったものが、ウェブ連載に置き換わったと考えると理解しやすいですね。
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ダイヤモンド社 (2013-01-28)
売り上げランキング: 11
E★エブリスタ、個人作家作品の販売部数ランキングを発表 – ITmedia eBook USER ※2013年9月3日
1位が1ヶ月間で約4400部というのは、結構多いなーという印象です。もともとケータイ小説・コミックで確固たる支持基盤を持っているインフラ。例えば「小説家になろう」でヒットするのは異世界転生モノばかりと言われており、そこにどういう顧客がいるのか、そこではどういう作品がウケるのかという傾向が結構色濃くなってきている感じがします。
米国で、デジタル雑誌提供サービス“Zinio for Libraries”を導入する公共図書館が増加中 | カレントアウェアネス・ポータル ※2013年9月3日
Zinioは電子雑誌専門の電子書店ですが、公共図書館への導入が進んでいるというニュース。以前、Nexus 10で電子雑誌の比較検証をやったとき、Zinioは唯一文字がベクタ画像になっており、非常に読みやすく感じたのを思い出します。今後、日本の図書館にも導入があるかも? 注目しておきましょう。
Amazon、紙版書籍購入者に対して無料(ないし安価)での電子本提供プログラムを開始予定 | TechCrunch Japan ※2013年9月4日
CDを買ったらMP3が付いてくる「Amazon AutoRip」と似たようなサービス。もし日本に導入されたらどんな影響があるか、考察記事を書きました。
新型 Kindle Paperwhite は国内10月22日発売、1980円分のクーポンプレゼントも実施 – Engadget Japanese ※2013年9月4日
新型 Kindle Paperwhite の国内販売、意外と早かったです。旧モデルより2,000円高いですが、WiFiモデルのみ11月30日まで1,980円分のクーポンが付いてきます。高速化とリフレッシュ現象の抑制に加え、日本向けモデルのみ内部ストレージが2GB→4GBに増量されています。
hon.jp DayWatch – 台湾E Ink社、“リフレッシュ現象”をほぼ解消したモノクロ電子ペーパーパネル「E Ink Carta」を発表 ※2013年9月5日
新型 Kindle Paperwhite だけではなく、ソニー PRS-T3 にも搭載されているそうです。
ソニーのはこれにさらに独自改良らしいですが、実際に比べてないのでどこまで違うはか不明 RT E Ink社、“リフレッシュ現象”をほぼ解消したモノクロ電子ペーパーパネル「E Ink Carta」を発表 http://t.co/wMBG7oqhJs
— Munechika Nishida (@mnishi41) September 4, 2013
画像中心のコミックなどの場合がどうなるか気になりますね。
急速充電対応&高解像度化した電子書籍リーダー『PRS-T3』:IFA2013 ※2013年9月5日
解像度の向上(Kindle Paperwhite、Kobo gloと同等に)と高速充電対応、専用保護カバーの開閉で電源オン/オフ対応が主な変更点。他社が採用している内蔵型フロントライトには対応せず、専用保護カバーの上部からLEDライトで照らす形を採っています。カバー含む200gなので、最軽量級なのは先代と変わらず。ハードはいいとして、問題はソフトウェア廻りがどれだけ進化しているか……。
海賊版抑止へ電子出版権を 文化審が中間報告 :日本経済新聞 ※2013年9月5日
来年の通常国会で、著作権法改正がほぼ確定しそうです。「議員立法はやらない」と公式の場でも明言されているようなので、これでもう変な方向にねじ曲がることは恐らくないでしょう。ただ、海賊版抑止効果というより、出版社に対する義務が重くなるだけのような気が……。
イーブック経常益14%増 2~7月単独、電子書籍が好調 :業績ニュース :企業 :マーケット :日本経済新聞 ※2013年9月5日
パピレスは増収減益でしたが、イーブックイニシアティブジャパンは増収増益。フィーチャーフォンに手を出さなかったのが大きな違いかな。
Amazon Studentが再販契約違反と抗議した出版協への回答は、通常の1.5倍還元キャンペーン : 見て歩く者 by 鷹野凌 ※2013年9月6日
自分の書いた記事ですがピックアップ。まあ、もともと予定されていたキャンペーンの日程が偶然回答期限と重なったのか、キャンペーンの日程に合わせて回答期限が設定されていたのかわかりませんが、Amazonが出版協の申し入れを全く意に介していないのは確かでしょう。
月額10ドルで電子書籍読み放題のiPhone向け新サービス「Oyster」 – ITmedia ニュース ※2013年9月6日
10万点以上が読み放題と、取り扱い点数がかなり多いです。日本にもブックパスとかyomel.jpなどで読み放題プランがありますが、取り扱い点数が少ないんですよね。電子書籍もサブスクリプションの時代になるかどうか。
第二回 KDP一斉無料キャンペーン「風立ちぬ杯」結果発っ表ぅ!!/1位「よいこの有害図書」 2位「相原ユタカの“年収3万円!プロサッカー選手放浪記”タイ編」 | きんどるどうでしょう ※2013年9月8日
土日に行われた、KDP作家の一斉無料キャンペーンの結果発表。1位は星井七億さんの「よいこの有害図書」ですが、カスタマーレビューが大変な状態になってますね……。
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ナナオクプリーズ (2013-09-02)
売り上げランキング: 282
上のエブリスタのところでもチラッと書きましたが、こういう作品が喜ばれる場と嫌悪される場がある、ということなのかなあ。3位にはアダルト作品も入ってるんですけどね。うーむ。