ブックパスの書誌情報は文字数制限が厳しくて著者名や紹介文が切れてしまうのだが、出版社や著者はいままで何とも思わなかったのだろうか?

「月刊群雛」4月号表紙

先日から「BCCKS」のストア配本機能を使い、「日本独立作家同盟」の「月刊群雛」をさまざまな電子書店へ配信しています。実は、大小さまざまな問題が発生しているのですが、中でもブックパスのコレはさすがに酷いだろ、と思ったので記事にしておきます。

日本でサービス展開している電子書店のうち、個人作家が直接取引できて、商業出版作品と同じ土俵に並べられるところは、Kindleストア(KDP)、GooglePlayブックス(パートナーセンター)、iBooks Store(iTunes Connect)、楽天Kobo(Kobo Writing Life)と、海外系のストアに限られています。

しかし、「BCCKS」のストア配本機能を使うことで、個人作家にはまだ直接門戸を開いていないBookLive!、Reader Store、紀伊國屋書店Kinopp、ブックパスにも配信が可能になりました。こういう「ディストリビューション(流通)サービス」をやっているのはBCCKS以外に、ブクログのパブーメディアチューンズがあります。

BCCKSは、Webアプリでオンライン制作ができたり、オンデマンド印刷版が作れたり、EPUB 3出力に対応していて縦書きできたり、複数の著者で印税配分できるシステムが整っている点が他より優れており、ストア配本できる電子書店もどんどん増やしているところです。こういう頑張ってる会社は応援したいところ。

ただ、実はこれまで、大小さまざまな問題が出ています。

  • Kindleストアは著者名が最大10名までしか登録できない

    → 「月刊群雛」の参加者は20名近いため、優先順位を決めて対処することに

    (※なお、商業出版は10名以上でも登録できる)

  • iBooks Storeの審査に通らない

    → Kindleストアへの直リンクを貼っているとダメらしい

  • Reader Storeとブックパスでタイトルが勝手にすべて全角になってしまう

    → 半角/全角が入り混じってしまう場合が多いので、デフォルトで全角変換する形になっているらしい

  • 紀伊國屋書店Kinoppyで配信されない

    → 理由は問い合わせ中だがまだ分からない

  • BookLive!で2月号だけ配信されない

    → 理由は問い合わせ中だがまだ分からない

BCCKSの方々の苦労が偲ばれます……まあ、ストア配本は始まったばかりなので、いろいろ問題があるのは当たり前の話。順番に直していけばいいのです。

しかし、タイトルが勝手に全角になってしまう件は、商業出版作品にも結構見られる問題なので、正直どうなんだろう? と思うのです。出版社や著者は、気にならないのだろうか? 申し出れば修正してもらえるので、今後は大丈夫だと思うのですが。

ところが、もっときつい問題が。ブックパスでは著者名や紹介文が途中で切れてしまうのです。改行も効かないため、酷い見た目になっています。

ブックパスの「月刊群雛」2月号

月刊群雛 (GunSu) 2014年 02月号 ~ インディーズ作家を応援するマガジン ~/鷹野凌|ソメイヨシノ|晴海まどか|笠井康平|竹久秀二|Kurokiti|山田佳江|鈴乃あみ|塩澤源太|海野李白|犬子蓮木|十千し/小説・文芸│ – auの電子書籍ストア –

ブックパスの「月刊群雛」3月号

月刊群雛 (GunSu) 2014年 03月号 ~ インディーズ作家を応援するマガジン ~/鷹野凌|雅日野琥珀|小形克宏|網葉きよら|米田淳一|緒形雄二|塩澤源太|しんいち|本城冴月|海野李白|夕凪なくも|かわせひろし|/小説・文芸│ – auの電子書籍ストア –

これは別にBCCKSを通じてだからというわけではなく、商業出版作品でも切れちゃってる事例はゴロゴロしてます。

ブックパスの「アフタヌーン」2014年5月号

アフタヌーン 2014年5月号 [2014年3月24日発売]/アフタヌーン編集部|冬目ケイ|若緒|弐瓶勉|ひぐちアサ|市川春子|幸村誠|黒田硫黄|赤星トモ|木村紺|木尾士目|藤島康介|秀河憲/コミック・その他│ – auの電子書籍ストア –

著者名が途中で切れちゃってます。しかもこれ、途中で切れた状態の64文字全体が「著者名」として登録されているので、クリックしても同じ著者の本は絶対出てこない仕様です。

ワーク・シフト 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図<2025>/リンダ・グラットン/実用書・経営│ – auの電子書籍ストア –

こちらは紹介文が途中で切れちゃってます。

問い合わせてみたところ、著者名には64文字、紹介文には768文字の制限があるそうです。理由は、スマートフォン向けだからとのこと。なんだそりゃ。

ボクの知る限り他の電子書店は、長い紹介文は途中から折りたたみ[続きを読む]という形で対処しています。ちなみにKindleストアは、紹介文を最大4,000文字入力できます。

同じbooklista系のReader Storeは、きちっと著者名1人づつきちんと登録されてます。右カラムの「新刊通知」スイッチまで、ばっちり対応しています。もし今後別の作品を配信したとしても、これならきっちり関連付けできるでしょう。

Reader Storeの「月刊群雛」2月号

月刊群雛 (GunSu) 2014年 02月号 ~ インディーズ作家を応援するマガジン ~ Reader™ Store – ソニーの電子書籍ストア

紹介文もちゃんと全部記述されているし、改行も効いています。

Reader Storeの「月刊群雛」2月号紹介文部分

こういうところって、すごく大きな差になると思うのですよね……。

というか、いままでブックパスに配信してきた出版社や著者は、こういうの気にならなかったのだろうか? こういう細かいところをおざなりにしていると、売れるものも売れなくなると思うのですが。確実に機会損失しますよこれ。

というわけでKDDIさん、さっさと直して下さい。お願いします。

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