教育ITソリューションEXPO
学校向けIT専門展、教育ITソリューションEXPO(EDIX)が5月21日から23日まで東京ビッグサイトで行われています。ボクの興味のメインは、電子図書館サービス。まずは「TRC-DL」からレポートさせていただきます。
株式会社図書館流通センター(TRC)
株式会社図書館流通センター(TRC)は、大日本印刷、丸善などと同じブースでの出展です。
電子書店hontoの紹介コーナーもありました。
電子図書館サービスの名称は「TRC-DL」で、ユーザーはウェブブラウザ上から操作できます。ただしもちろん、図書館が発行したID・パスがないと利用できません。
[借りる]ボタンをクリックするとすぐに貸出完了となり、そのまま[今すぐ読む]をクリックすると……
ブラウザ上で即座にストリーミングで閲覧できます。ビューワはボイジャーの「BinB」を使っています。
以前のTRC-DLは、閲覧のために専用アプリケーションをインストールしておく必要がありました。ところが、利用者からの問い合わせが殺到し、パソコン教室状態になってしまったとか。その反省から「誰でもなるべく簡単に利用できるようにしよう」ということで、ブラウザビューワに切り替えたそうです。
その他に、コンテンツ(1万数千点)の充実という意味で、All About Booksの本(約3000点)を読み放題で提供したりしているそうです。ふと疑問に思って「青空文庫はコンテンツにあるんですか?」と尋ねたところ、検討はしているけど図書館側で嫌がるケースがあるらしく、まだ未配信とのこと。
なんでも、ネットで無料で見られるコンテンツなのだから、それを図書館でわざわざ配信するのってどうなの?という意見があるらしいです。なんかだか、もったいない。「どこでも見られるコンテンツ」であろうと、その図書館が所有しているコンテンツの検索システムで出てこなければ気づかない人もいるのだから、ラインナップには入れておくべきだと思うのです。
もっとも、青空文庫の占める割合が多いとサービス開始当初の楽天Koboみたいに批判されちゃう可能性があるのは否めませんが、別に悪いことしてるわけじゃないのですから堂々としてりゃいいと思うんですよ。
2014年5月時点で、18館に導入しているそうです。以前は、1冊いくらの買い切り契約しかなかったのが、いまは年間契約とか、数年間のレンタルとか、いろんなバリエーションも用意しているそうです。そういう条件面を変えていくには、出版社との折衝も必要なんですよね。いろんな苦労があったんだろうな、と思います。
ちなみに、応対いただいた方にOverDriveの日本上陸に関して尋ねてみたところ、「競争相手がいることで、図書館側がサービス比較をしてくれるようになる」「切磋琢磨できるので、いいことだと思う」とのことでした。
これまでもOverDriveが他国へ進出する際には、直接進出ではなく現地の法人と提携する形を採っているそうです。今回もメディアドゥとの資本提携ということで、これまでのやり方は踏襲されています。
メディアドゥの主要業務は電子取次(しかも取引額が大きいのは「LINEコミック」)ですから、もしかしたら電子洋書の取次という形でTRCと業務提携というのもあり得るかも? と。必ずしも競合するとは限らないという見解もあるようです。なるほど。
TRCの創業は1979年、図書館の指定管理者制度や業務委託などで接点を持っている強みがあります。なにしろ、受託運営しているのが公共図書館414館、学校図書館210校、その他15施設(2014年4月1日時点)です。
裏を返せば、それだけの接点を持っていてなお、現時点では電子図書館の導入先は18館でしかない、という現実。OverDriveが来ることでこれがどうなるか。いろいろ楽しみです。
次回レポートは、京セラ丸善システムインテグレーション株式会社を予定しています。