毎週月曜恒例。出版業界関連の先週のニュースで、ボクが気になったものにコメントをつけてまとめていきます。電子出版界隈が中心です。先週は「Kindle新端末登場」「Kindleのブラウザビューワ登場」などが話題になっていました。
「出版不況」再び–本・雑誌が売れないのは“活字離れ”のせい? – CNET Japan ※2014年9月16日
前回の記事に対する批判やツッコミに、きっちり対処しているところが林さんらしい。今回のメインは2ページ目以降で、よく言われる「活字離れ」「読書離れ」「文字離れ」はウソだというのを、データを元にきっちり説明しています。雑誌が苦境なのは間違いないけど、書籍は違うぞ、と。
【新文化】 – 集英社の主要雑誌15誌、1584書店でデジタル版付録に ※2014年9月16日
苦境の雑誌立て直し施策。雑誌を買うとデジタル版が無料で付いてくる、文教堂「空飛ぶ本棚」の利用可能店舗が一気に拡大しています。三省堂書店の「デジ本プラス」も、外部へ提供すればいいのに。
ボクは、こういう仕組みをコンビニが提供し始めると、電子雑誌の普及が一気に進むと思っています。書店がコンビニと手を結べるかどうかという難題。真似されて新規でシステム構築される前に、システム提供して利用料貰った方がいいと思うのですが。
KindleのeBookでAmazonアカウントに侵入するハック – TechCrunch ※2014年9月17日
「.azw フォーマットは影響を受けない」とのことなので、普通にAmazonで購入したKindle本は大丈夫。配布されている .mobi ファイルは注意が必要、ということになります。まあ、配信元が信頼できるかどうか、というところですね。
【第17回】マンガとアニメの海賊版は駆逐できるのか?――MAGの取り組みを聞く | ダ・ヴィンチニュース ※2014年9月17日
まつもとあつしさんによるインタビュー。何度も言いますが、削除要請だけではなく、正規版への誘導を図っているところがポイント。「今回のMAGの取り組みからは少し外れますが、CODAでは海賊版サイトの正規化への働きかけも行っています。」というのもいいですね。ただ排除するだけじゃダメなのを、ちゃんと分かってる。
世界のデジタルメディア利用実態、日本は発展途上――デロイト調査 – ITmedia eBook USER ※2014年9月17日
日本はフィーチャーフォンが普及したので、スマートフォンの普及が遅れているというのはよく言われること。しかし、デジタルコンテンツの利用に関しても、結構保守的なんですね。元データ(PDF)を見ると、ニュース取得方法は、テレビが40%以上で、ポータル(Yahoo!ニュースが大半でしょう)が27%、紙の新聞が21%、3つ合計で90%……あれ? 複数の情報源から取得している場合は、どう答えればいいんだろう?
Apple、iPadとOS Xのイベントを10月開催か – TechCrunch ※2014年9月18日
iPhone 6 / 6 plus の発売日にリークされた情報。以前から噂されていた、12.9インチの大型iPadがついに登場でしょうか?
Amazon、Kindle上位モデル「Kindle Voyage」など新端末発表 – ITmedia ニュース ※2014年9月18日
iPhone 6 / 6 plus の発売日に合わせてリリースするところが、さすがAmazonという感じ。しかも5モデルを一気に投入という荒業。しかし、使ってみないと正当な判断は下せませんが、個人的にはちょっと首を傾げる感じ。
E INK最上位モデルの「Voyage」を「Paperwhite」と比べると、215グラムから180グラムと軽くなり、厚さが9.1ミリから7.6ミリ、解像度が212ppiから300ppi、フラットパネル化、ベゼルの圧力センサーでページめくりなどなど、確かにいろいろパワーアップしています。
ところが、最安価なキャンペーン情報付きWi-Fiモデルでも、価格が倍というのは痛い。さすがに2万円強は辛い。
Kindle Voyage―Wi-Fi、キャンペーン情報つきモデル
posted at 2014.9.21
Amazon (2014-11-04)
売り上げランキング: 26
Fire HD 7(ニューモデル)を2013年モデルと比べると、1.2GHzデュアルコアが1.5GHzクアッドコアに、345グラムが337グラムに。ただし、バッテリー駆動時間が10時間から8時間に減っている。価格は同じ。まあ、マイナーチェンジです。
posted at 2014.9.21
Amazon (2014-10-16)
売り上げランキング: 1688
Fire HDX 8.9(ニューモデル)を2013年モデルと比べると、2.2GHzクアッドコアが2.5GHzクアッドコアに、重さ大きさ解像度は同じ。ただしこちらもバッテリー最大12時間が11時間に減っている。これもマイナーチェンジ。
Fire HDX 8.9タブレット (ニューモデル)―16GB
posted at 2014.9.21
Amazon (2014-11-04)
売り上げランキング: 9158
フロントライトなし廉価版モデルの「Kindle(6980円&キャンペーンでAmazonギフト券3000円プレゼント)」と
posted at 2014.9.21
Amazon (2014-10-02)
売り上げランキング: 2
「Fire HD 6タブレット(キャンペーン価格で8GBが9980円)」は、価格が魅力的なのでそれなりに売れると思います。
posted at 2014.9.21
Amazon (2014-10-16)
売り上げランキング: 73
「Voyage」の2万円強という価格設定は、恐らくAmazonも一部の好事家にしか売れないと思っていることでしょう。松と梅だけだと梅が売れるけど、松竹梅だと竹が売れるという法則があるので、「Paperwhite」を売りたいのかな、という感じ。
集英社、「わたしのマーガレット展」でBeaconを用いた電子書籍のO2Oプロモーション – ITmedia eBook USER ※2014年9月19日
ACCESSの電子出版プラットフォーム「PUBLUS」に追加された新機能。ユーザーの位置情報を元に、来店ユーザーにだけ特典データを配信するといった、Offline to Onlineの試みです。今年の東京国際ブックフェアや国際電子出版EXPOには、こういう仕掛けに関する展示が結構目に付きました(マガジン航へ寄稿した「リアル書店で電子書籍を売るO2O事業が続々登場」の後半を参照)。
ブラウザで本が読める「Kindle Cloud Reader」が利用可能に – ITmedia eBook USER ※2014年9月19日
日本語のリフロー書籍には非対応というのが痛い(恐らく縦書き表示がうまくいかないため)ですが、他の電子書店でもブラウザビューワはマンガ・雑誌だけ対応というところが多く、致し方ないのかな、という感じ。電子マンガ・電子雑誌に追い風なのは間違いないと思います。
使ってみましたが、読むのが早いと先読みダウンロードが追いつかず、光回線でも結構待たされイライラ。本棚から右クリックして「本をダウンロードして保存する」しちゃった方が快適に読めます。
発売中の週刊ファミ通10/2・9合併号を買うと週アス電子版がもらえるって知ってる? – 週アスPLUS ※2014年9月19日
面白いコラボ。KADOKAWA合併効果なのかな?
eBookJapan、「最先端ビジネス良書」コーナーを設置――情報工場が協力 – ITmedia eBook USER ※2014年9月19日
ビジネス書の内容を300~400文字に要約して紹介する常設コーナー。「ディスカバラビリティ」の向上という意味で、興味深い動き。ちなみに「※ダイジェストは出版社または著者の許諾を得て作成、配信しております。」なので、勝手に要約しているわけではありません。念のため。