毎週月曜恒例。出版業界関連の先週のニュースで、ボクが気になったものにコメントをつけてまとめていきます。電子出版界隈が中心です。先週は「図書館総合展」「OverDrive上陸」「プラス電書」などが話題になっていました。
ポット出版、紙書籍に電子書籍を無料で提供する「プラス電書」サービスを開始、まず最新の2作品から ※2014年11月4日
文教堂「空飛ぶ本棚」や三省堂「デジ本プラス」は書店主導なので特定の書店しか対応していませんし、昭文社の「まっぷる」は専用アプリでしか見られません。それに対しこのプラス電書は、通信販売含めどこの書店で紙版を購入しても、提携している複数の電子書店で電子版が貰えるというサービスなのが特徴。
北米の日本マンガ売上が6年ぶりに反転 2013年の売上高80億円弱 ICv2が報告 | アニメ!アニメ! ※2014年11月4日
クランチロールなど正規配信が功を奏しているようです。伸びたと言っても前年比8%ですが。
カヤック、読み放題マンガアプリ「フルコミ」リリース――第1弾は「キャプテン」 – ITmedia eBook USER ※2014年11月4日
基本無料の読み放題マンガアプリ、儲かると見たのか様々なところが参入していますね。だいたいどこも、1日に読める時間か、ページ数が制限されている形です。
Reader Store、SENアカウントでのログインに対応 – ITmedia eBook USER ※2014年11月5日
やっとMy Sony IDだけではなく、Sony Entertainment Network(SEN)アカウントでのログインが可能に。さすがに統合するのは無理だったか。海外から撤退してから、色々良い改善が加わっています。撤退しなければできなかったのかな?
メディアドゥ、OverDrive電子図書館システムの実証実験を慶應義塾大学メディアセンターと開始 – ITmedia eBook USER ※2014年11月5日
ついにOverDrive日本展開開始です。図書館総合展でデモを見てきましたが、「購入(By it now)」ボタンは当初非対応みたい。さて、国内の出版社がどれだけ参画するか。
図書館総合展リポート:OverDriveの電子図書館サービス導入第1号が示した「7つの教訓」 – ITmedia eBook USER ※2014年11月6日
10月29日のJEPAセミナーと、11月5日の図書館総合展でのフォーラムの、合わせ技記事。とりあえず国内展開は、期間限定で初期費用無料みたいですが、どれだけの図書館が導入するか。電流協が実施した公共図書館向けアンケートでは、72%が導入する予定なしという結果ですが……恐らく大学図書館はもっと積極的だと思います。
posted with AZlink at 2014.11.10
植村 八潮,野口 武悟,電子出版制作・流通協議会
ポット出版 (2014-11-13)
売り上げランキング: 144389
電子書籍、読み放題広がる 月500円で90誌1年分も :日本経済新聞 ※2014年11月7日
定額読み放題(サブスクリプション)サービスもどんどん増えています。少し前に、ドコモのdマガジンが3ヵ月で契約52万人というニュースもありましたね。
過去一年間の電子書籍利用率約2割、利用端末はスマホが一番 – ガベージニュース ※2014年11月7日
雑誌やコミックを除いた数字で有料利用が10.3%というのは、結構頑張ってるかも。ちなみに2010年・2011年・2012年の調査は単純に過去の利用経験を聞いていますが、2013年から「過去1年間」に質問が変わっているので、連続性がなくなっています。だからグラフ化していないんだな……。
【日本の議論】「アマゾンが牙をむいてきた」怒る日本の出版社…契約内容で取引各社を“格付け”、アマゾン優位の関係に懸念(1/3ページ) – 産経ニュース ※2014年11月7日
偶然なのか何なのか、「対アマゾン」的記事が連発しています。「ユーザーのため」という大義名分でディベロッパーをどんどん締め付けますから、反発されるのは当たり前。アマゾン的には全然想定の範囲でしょう。ジェフ・ベゾスの大きな笑い声が聞こえてきそう。
Kindle対抗へ──ドワンゴが「i文庫」「読書メーター」を買収した理由、川上会長に聞く (1/3) – ITmedia ニュース ※2014年11月7日
こちらは「Kindle対抗」。しかし、Kindleのビューワって、別に特別優れているとは思わないですけどね。i文庫が使いやすいPDFビューワなのは間違いないけど、EPUBにそれが応用できるのかどうか。読書メーターが書籍レビューサイトとして日本一というのは本当なのか。
出版社が発行する電子書籍は、紙の書籍と同等の価格で販売されるケースが多く、「紙代も印刷費もかからないのに高い」という声もある。
これは川上会長ではなく岡田有花さんの文ですが、表示価格で平均2割安く(1年前の調査)、紙版にはない「セール」もあるのに「同等の価格」って……先入観だけでサラッっとこんなこと書かないで欲しいなあ。
【山口真弘の電子書籍タッチアンドトライ】Amazon.co.jp「Kindle Voyage」(前編) ~高解像度300ppi、厚みわずか7.6mmのフラッグシップモデル – PC Watch ※2014年11月8日
良いのは分かるけど高いよ……選択肢が松竹梅と3つあると、真ん中の竹が選ばれることが多いそうで、安くなった「Paperwhite」が売れるだろうなあ。
楽天が出版取次「大阪屋」に出資する事情 | 週刊東洋経済(ビジネス) | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト ※2014年11月9日
こちらも「打倒アマゾン」。まあ、健全な競争があるのは良いことです。