「Jコミと提携の無料漫画アプリ」「KDPアワード」「Kindle アーカイブ」など出版業界関連の気になるニュースまとめ(2014年10月27日~11月2日)

Nexus 7のKinoppy

毎週月曜恒例。出版業界関連の先週のニュースで、ボクが気になったものにコメントをつけてまとめていきます。電子出版界隈が中心です。先週は「Jコミと提携の無料漫画アプリ」「KDPアワード」「Kindle アーカイブ」などが話題になっていました。

定額制は約2割、記事売りは15%超が利用――ジャストシステム調査 – ITmedia eBook USER ※2014年10月27日

「Fastask(ファストアスク)」の自主調査レポート。利用端末の「PC(デスクトップ/ノート)が最大の40.0%」というところに違和感を覚えたのですが、「次いでスマートフォン(iPhone)が26.6%、スマートフォン(Android)が24.3%」と分けてるからですね。

ちなみにインプレスの『電子書籍ビジネス調査報告書2014』では、パソコンでの利用は32.8%、スマートフォンが54.0%(iPhone+Androidと考えると同じくらい?)、タブレットが11.2%(サンプルP238)。

ソフトバンクが無料漫画アプリに参入 Jコミとタッグ「ハートコミックス」 “ソシャゲ風”ビジネスモデルで (1/2) – ITmedia ニュース ※2014年10月27日

7月の『Jコミ』改め『絶版マンガ図書館』の記者会見で公表されていたSBイノベンチャーとの提携によるもの。この提携の狙いは……

とのことです。まず「認知」してもらうことが大切ですもんね。

ASCII.jp:パイレーツアップデートで多数の海賊版サイトの検索順位が大幅下落 ※2014年10月28日

「出版」と直接関係があるニュースではないですが、「著作権違反サイトが検索上位に表示されないようにするアルゴリズム」ということでピックアップ。「DMCA違反の割合が極めて高いWebサイト」が対象です。

トーハン、来年1月からアマゾンジャパン㈱と取引きを開始 – 新文化|WEB本の雑誌 ※2014年10月28日

おお!? というニュース。対象ジャンルは「定期雑誌(増刊・別冊を含む)、ムック、コミックス(雑誌・マルチメディア扱い)の新刊」とのことで、書籍扱いコミックスや書籍は日販のまま。二大取次を競わせて、条件が良い方に切り替える、という形になるのかな……。

小説執筆支援ソフトを活用して書かれた小説「僕は小説が書けない」が発売 -INTERNET Watch ※2014年10月28日

これは面白い試み。いずれ、アルゴリズムで自動生成された小説が、人間の書いた作品と見分けがつかなくなる時代が来るのでしょうね。

【第18回】「ジャンプ」がついに本格電子化!「週刊少年ジャンプ+」の狙いとは? | ダ・ヴィンチニュース ※2014年10月29日

まつもとあつしさんによるインタビュー。これまではサイマルで毎号電子化発行する体制が整っていなかった(時々出していたのは、その実験だった)とのこと。なるほど。

Amazon、Kindle/Fireの新製品体験会を開催 ~KDP著者を表彰する「KDPアワード」の創設も発表 – PC Watch ※2014年10月29日

広報から連絡はもらっていたのですが、行けなかった……ぐぬぬ。「Kindle Voyage」はなかなか評判良いようですね。「KDPアワード」は高城剛氏が受賞。「えー?」みたいな声があちこちで散見されましたけど、KDPで出してる7点中2点がKDPベストセラーだというのが本当なら順当なのでは。

Amazon、国立国会図書館が所蔵するパブリックドメイン古書のKindle版を配信開始 – ITmedia eBook USER ※2014年10月29日

これは恐らく、「国立国会図書館デジタルコレクション」の画像データを「復刻・翻刻等を目的とした利用に限って」提供開始したことを受けての事業化だと思われます。このニュースを受けて、「文化庁eBooksプロジェクト」の主査をしていた福井健策さんがこんなつぶやきを。

紀伊國屋書店はせっかく文化庁プロジェクトに参加していたのに、結局Amazonに先を越されてしまったのですよね……なんだかなあ。

あと、インプレスR&Dの「NDL所蔵古書POD」はAmazonから打診があって始めた事業なのに、今回の「Kindle アーカイブ」には絡めていないっぽい(Kindle アーカイブの本に関連づけされているのはゴマブックスのPOD)というのも、なんか切ない感じ。

なお、三省懇から図書館送信・文化庁eBooksプロジェクト、そしてこの「Kindle アーカイブ」にいたるまでの経緯をまとめた「国立国会図書館デジタルコレクションの公開範囲変動(2014年10月) – 2sc1815jの日記」という記事があったので紹介しておきます。

BOOK☆WALKERが海外向けサイト立ち上げ、『らき☆すた』などの英語版配信 – ITmedia eBook USER ※2014年10月29日

版元が直接海外に向けて販売をする、というところがポイント。どうやって認知させるかが大きな課題になるとは思いますが(※講談社・小学館がLINE・メディアドゥと組んでやる世界展開「LINEマンガ」グローバル版は、既に海外に普及しているLINEがインフラになるので、認知させるのに大きな労力が要らない)、頑張ってほしい。

「ViVi」など買うと電子版を無料 講談社の4女性誌:朝日新聞デジタル ※2014年10月29日

空飛ぶ本棚」が好評だからか、紙の雑誌を買うと電子版が無料で付いてくる、というやり方がだんだんスタンダードになってきてますね。なりふり構っていられる状況ではない、ということなのでしょうけど。

ヤマダイーブック閉鎖から約3カ月、電子書店「やまだ書店」がプレオープン – ITmedia eBook USER ※2014年10月30日

通販の「ヤマダブックス」とのハイブリッドになるそうで。電子書店はサービスなのに、こんなにあっさりスクラップ&ビルドしたら、誰が信用してくれるというのか……。

なぜ3社体制!?

札幌市中央図書館、電子書籍の貸出サービスをスタート – ITmedia eBook USER ※2014年10月30日

図書館流通センターの「TRC-DL」を採用。4月にリニューアルしてビューワを「BinB」に変えてから、着実に利用館が増えています。札幌市中央図書館はずっと実証実験をやっていて、地元の出版社も一般社団法人北海道デジタル出版推進協会を設立するなど、うまく周囲を巻き込めているところが素晴らしい(昨年8月の「電流協フォーラムリポート」を参照)。淺野隆夫さん、お疲れ様でした。

血税投じたデータにタダ乗り? アマゾンが国会図書館使って電子書籍販売 〈dot.〉|dot.ドット 朝日新聞出版 ※2014年10月31日

朝日新聞出版がトンチンカンなことを言ってます。「タダ乗り」なんていう批判の方向性は、あまりに筋が悪い。誰が使ってもいいパブリックドメインのデータを、いち早くビジネスに結びつけようと努力をした結果が「Kindle アーカイブ」なのであって、日本の企業は単に競争に負けただけなのですよ。

それに、越境取引の消費税問題を話題にするなら、欧州のVATが来年初頭から購入者の居住地課税で確定している件にも触れて欲しいところ。日本もそれに準じようとしているわけだし。

出版状況クロニクル78(2014年10月1日~10月31日) – 出版・読書メモランダム ※2014年11月1日

毎月楽しみな、小田光雄さんの出版状況クロニクル。今月は、大阪屋の第三者割当増資が確定して楽天が筆頭株主になったことについて触れています。が、「増資先を予定していた楽天もDNPも候補から外れてしまったことは明らかである」などと言っていたことに関しては、とくに触れていません。一時期は[「増資するする」詐欺]なんて煽ってすらいたのですが。なんだかなあ。

米国では9割以上の公共図書館が電子書籍を提供:米国の公共図書館の電子書籍の利用状況調査の2014年版が刊行 | カレントアウェアネス・ポータル ※2014年10月日

OverDriveが「9割以上の公共図書館に配信している」と言っているので、この利用状況はとくに驚きはなし。フィクションの比率が高いのは、OverDriveの司書支援システムの力によるものかな。

やっぱり消えた「【裏技入り】ToLOVEるダークネス」第2弾 編集部「表現の限界に果敢に挑戦して参ります」 – ねとらぼ ※2014年11月1日

前回も思ったのですが、どうもわざとらしい感じが。「GoogleやAppleのプラットフォームには規制があって不便だから、みなさん直営のウェブ版を使いましょうね」って誘導している気がします。ちなみに、ケータイマンガが流行ってたころには、docomoが同じような規制をしていたそうです。うーん。

一部雑誌にもアレの影響が!?…諸種雑誌部数動向(2014年7-9月) – ガベージニュース ※2014年11月2日

「アレ」って何だよと思ったら、「妖怪ウォッチ」のおかげで小学生向け雑誌が急伸しているそうで。そういや、イベントで行列ができているとか、「全然買えない」と頭を抱えている親御さんの声をチラチラ目にします。流行は恐ろしい。

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