毎週月曜恒例。出版業界関連の先週のニュースで、ボクが気になったものにコメントをつけてまとめていきます。電子出版界隈が中心です。先週は「文化庁京都へ移転?」「Facebook Instant Articles日本で開始」などが話題になっていました。
ASCII.jp:ゲームにはソシャゲがあった。マンガにはいま、何がある? (1/4)|まつもとあつしの「メディア維新を行く」 ※2016年1月10日
先週のピックアップから漏れてました。「トキワ荘プロジェクト」ディレクター菊池健氏への、まつもとあつしさんインタビュー。3ページ目の “マンガの発表場所は増えたが「漫画家であり続けること」は困難になった” については、岡田斗司夫さんが福井健策さんとの対談本『なんでコンテンツにカネを払うのさ?』でこんなことを言ってました。
無料で小説を書く人、無料で映像を作る人、無料で音楽を作る人がこんなにも世界にはいる。そんな世界において、コンテンツで金を取ろうなんてことは無理に決まっています。
もうこの本読んでから4年も経ったのか!
シャープ再建、国主導で 革新機構、2000億円出資 最終協議 銀行に金融支援再要請 :日本経済新聞 ※2016年1月11日
超広大な堺工場を作ったころから、いろんな歯車が狂っていった印象。「GALAPAGOS STORE」やB向けの「EBLIEVA」はどうなるのかなあ。
「皇国の守護者」コミック版がマンガ図書館Zで突然の無料公開の後、削除 海賊版対策の抜け穴が問題に – ねとらぼ ※2016年1月13日
赤松健さんが「(株)Jコミックテラスの中の人」ブログで書いている「想定外に、第三者が公開許諾してしまう事案」の詳細がわからないのでなんとも言えないのですが、「ただもちろん、お怒りになっている先生も2名おられます。本音では、私はとても恐ろしいです。」「もしこの手法が強いバッシングを受けたら、私はもう電子書籍サイト運営から引退して、本業の漫画連載にでも集中しようかな・・・と思っています。」というコメントがとても気になります。背水の陣を敷いておられるような。
フェイスブック:インスタント記事 主要5紙参加の理由 – 毎日新聞 ※2016年1月14日
「超いいね!」ボタンとともに日本へやってきた「Instant Articles」は、ひとまず毎日、朝日、読売、産経、日経と、東洋経済が参加するようです。Yahoo!ニュースの二の舞にならないか心配。ウェブのトラフィックを奪われることになるわけで。
新聞社系のニュースが届きにくくなっている若年層を多く抱えるSNS上でのニュース配信が、日本でも本格化しそうだ。
Facebookって若年層多いのか……? と思って調べてみたら、意外と多かったです(総務省の調査)。おっさんSNSってイメージがあった。先入観はいけませんね。少なくとも、新聞を定期購読する中心層に比べたら段違いに若いのは確かでしょう。
文化庁、京都に移転へ 政府方針:朝日新聞デジタル ※2016年1月14日
文化庁って文部科学省のうちどれくらいを占めてるんだろう? と思ってWikipediaを見たら、2014年度の予算は約1032億円(約1.91%)、在職者数245人(約10.9%)とのこと。うーん、「行政機関の地方移転の目玉」かあ。「目眩まし」の間違いでは。
ニコニコチャンネル、有料ユーザー40万人突破 トップ5の年間売り上げ平均は1億円超 – ITmedia ニュース ※2016年1月14日
これも「新しい出版のかたち」の一つ。
加Rakuten Kobo、独自の電子書籍最低価格保証サービスを稼働、Amazon社の価格チェックbotを迂回 – hon.jp DayWatch ※2016年1月15日
これは面白い対抗策。いまのところ英語圏だけなのが残念。ユーザーの申請によって差額分を返金、さらに10%ポイント還元をつけることによって、Amazonより必ず安く提供する…… 体力勝負ですねこれ 。
エンジニアにとって、電子書籍は敵か味方か | あるある日記 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準 ※2016年1月17日
その問いはおかしくないか? と思ったら、「技術書は重い」という言い訳ができなくなっちゃう! というネタでした。なんか脱力したのでピックアップしておきます。
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