「Amazon、全商品送料無料が終了」「カーリルの高速横断検索サービス」など出版業界関連の気になるニュースまとめ #215(2016年4月4日~10日)

Nexus 7のBookLive!

毎週月曜恒例。出版業界関連の先週のニュースで、ボクが気になったものにコメントをつけてまとめていきます。電子出版界隈が中心です。先週は「Amazon、全商品送料無料が終了」「カーリルの高速横断検索サービス」などが話題になっていました。

岩波書店「文学」、年内で休刊…「部数減少」 : カルチャー : 読売新聞(YOMIURI ONLINE) ※2016年4月4日

歴史ある雑誌がまた1つ消えていきます。ちなみに4月1日には、集英社の小説誌「Cobalt」が休刊・ウェブマガジンへの移行を発表しています(ピックアップから漏れていた)。

株式会社メディアドゥ、電子図書館事業(「OverDrive Japan」)での日本語オーディオブックの導入について発表 | カレントアウェアネス・ポータル ※2016年4月4日

電子図書館「OverDrive」で日本語オーディオブック取り扱い開始。「日本オーディオブック協議会」ができたのがちょうど1年前なので、意外と時間かかったな、という印象。タイミング的に「障害者差別解消法対応」というのが、各方面に対し分かりやすいからかも?

ジェフ・ベゾス、「来週新しいKindleハードウェアを発表」とツイート | TechCrunch Japan ※2016年4月5日

従来とは違ったタイミングのリリース。きっと競合他社への嫌がらせに違いない、という考察記事を書きました。「充電式ケースでバッテリーさらに長持ち」なんて観測記事も流れていますが、スマートフォンと違ってバッテリーの保ちに不満を持つ事態に陥ることが、少なくともボクは過去一度もなかったので、要るか? と疑問。

ASCII.jp:Amazon、全商品送料無料が終了 2000円未満は送料350円 ※2016年4月6日

ヨドバシ.comへゴー!」という記事を書きました。プライム会員入会促進策の一環でしょう。出版に関連する話だけピックアップすると、とりあえず「Amazon.co.jpが発送する書籍」は今後も送料無料です。

世界初をうたうマンガ・アニメ百科事典「マンガペディア」が正式にリリース -INTERNET Watch ※2016年4月7日

Wikipediaみたいな名前ではありますが、ボランティアが情報を入力しているわけではなく、「著作権は株式会社リンクトデータに帰属」です。Wikipediaのようにクリエイティブコモンズライセンスで再利用可能な形には、なっていません。ちょっと残念。「編纂は百科事典で行うのと同じように進められ」ているとのことで、集合知型のニコニコ大百科ピクシブ百科事典などより情報の信頼性は高い? のか?

[編集長コラム]公開情報誌としてのOnDeckは終了させて頂きます(予告編) | OnDeck ※2016年4月7日

ウェブマガジンへ移行したのが昨年5月。1年で終了に。ただし「公開情報誌としての」と含みがあることと、編集長の井芹昌信さんが前向きなので、ただ終わるのではないのかも。続報を待ちます。

メディアドゥ、米国に電子書籍の取次・配信業務を行う子会社を2016年6月に設立へ | Social Game Info ※2016年4月7日

現地法人を設立。以前から、海外向けの配信事業は大きな柱の一つと公言しているので、既定路線でしょう。

京都府立図書館にカーリルの高速横断検索サービスが初導入 -INTERNET Watch ※2016年4月7日

カーリルが「数年以内に使えない横断検索システムを駆逐したい」という挑戦的なリリースを出しているのと、直前に「多摩デポ」で取材して詳しい話を伺っていたので、思わず記事にしました。

名物ラノベ編集者・三木一馬氏はなぜ独立したか « マガジン航[kɔː] ※2016年4月8日

思わず「わお」と声が出ました。NPO法人日本独立作家同盟のセミナーで、先日登壇いただいたばかりなんですよね。まつもとあつしさんが、さっそくインタビューしています。やはりコルク佐渡島庸平さんの影響か。頑張って欲しい。

英語教科書の「エレン先生」人気は出版元も想定外 なぜあのイラストが採用されたのか、そして初の試みとは – ねとらぼ ※2016年4月8日

いろんなメディアが取り上げてますが、版元の東京書籍をがっつり取材しているねとらぼをピックアップ。「二次創作」的なところでは、議論も盛り上がっています。

同人誌、非親告罪にならず=安倍首相:時事ドットコム ※2016年4月8日

安倍首相が「同人誌は市場で原作と競合せず、権利者の利益を不当に害するものではない」と断言しています。つまり上の「エレン先生」みたいな事例が非親告罪化することはない、はず。親告罪だから、権利者が差し止め請求等することは可能ですが。

Amazon買取サービス お申し込み受付終了について – Amazon.co.jp:Amazon買取サービス ※2016年4月8日

昨年6月に古本の買取サービスを始めたばかりなのですが、CD・DVD/ブルーレイ・ゲームの買取もろとも、いきなり終了していました。まだ本稿執筆時点では、どのメディアでもニュース記事になっていないようです。

購入履歴から自動で買取参考価格を提示するとか、1冊から無料集荷とか、送料無料で返送可能など、honto(ブックオフオンライン)の「宅本便」をよく研究している感があった(ボクの記事ではこの辺りで言及しています)のですが。なにがあったんだろう?


NPO法人日本独立作家同盟の次回セミナーは、4月24日(日)古田靖×鷹野凌「いま稼ぐ文章、これから稼ぐ文章〜著述業とおカネのはなし」です。「honto」の協賛で、参加者全員に電子書籍体験クーポン1500円分がプレゼントされます。チケットはお早めに。


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