(※写真:写真素材 足成より)
出版(紙・電子問わず)関連でボクが気になった先週のニュースについて、コメントをつけてまとめていきます。毎週月曜配信。
編集者の日々の泡:再販廃止15年で、英国出版市場が「どうなった」か
※2013年1月28日
「再販価格維持制度を廃止した英国の出版界が、その後どう変わったか?」という新文化通信ルポに対する感想。1995年に再販制度が廃止になって、独立書店が半減したとのこと。ただ「再販制度が要因かどうかはわからない」と。再販制度を維持している日本でも書店はバタバタと潰れているので、再販制度が要因というよりネット通販や大型チェーン店との競争に中小店が負けていったのではないか、という気がします。書店数は減ってるけど床面積では増えているし、出版点数も増え続けているわけですもんね。
Kindle本でクラウドが使えなくなるトラブルについての詳細と著者・ヒロサワさんより読者へお詫びの言葉を頂きました | きんどるどうでしょう
※2013年1月28日
「Kindle本にはマルウェアが仕掛けることができる」なんて妙な噂も流れていましたが、タイトルが長すぎたというだけの話だったようです。また、著者も不具合を狙ってやったわけではなかったそうで。ひと安心。
しかし、今回はたまたま不幸な偶然で起きてしまった事件ですが、中長期的に考えると……電子書籍が”リッチコンテンツ”という方向に進化していけばいくほど、必ず「悪意を持った制作者によるウィルス本」というモノが発生するのであろうな、と。プログラムの世界と同じことになるわけですよね。プラットフォームにより事前チェックが、非常に重要になってくるのでしょうね。
図書館の電子書籍をより可視化する方法 – ITmedia eBook USER
※2013年1月29日
これは面白い。「Now in eBook Format!」というステッカーや棚カードで、紙版書籍と電子書籍を視覚的にリンクさせる試みです。これそのままBookLive!+三省堂や、ソフトバンク・スマートブックストア(トーハンのc-shelf)にも応用できるのでは。
「このダイレクト出版がすごい! Vol.1」主催者として感じた2つの“残念” : アルカンタラの熱い夏
※2013年1月29日
タイトルに釣られました。「イベントで”著者”の方たちと話ができなかった」のと「livedoor Blogで電子書籍を作れることがほとんど知られていない」という話。
DNP、オリジナルの電子雑誌制作を含むセールスプロモーション支援ソリューションを発表 – ITmedia eBook USER
※2013年1月29日
電子雑誌、なかなかうまくいきませんね……記事中にもその理由が書かれていますが、「レイアウトに意味があり、作り手の意図が(解像度などが異なる)デバイスごとに担保するのが難しいこと」というのは、かなり致命的な問題という気がします。電子雑誌は何冊も買って読みましたけど、誌面がそのまま電子化されているのではっきり言って読みづらい。9.7インチのiPadですら、液晶部分は文庫本見開き程度の面積しかないわけですもんね。「誌面」という、限られた面積に対しどうやって情報を配置するか?という発想で作られたモノを、そのまま電子媒体へ転用しようとするから無理があるのではないかと。
絶版作品を含む平凡社「東洋文庫」の電子書籍597冊、BookLive!で配信 -INTERNET Watch ※2013年1月30日
リフロー型ではなく、紙面スキャンの固定レイアウトです。絶版作品の電子化なので、それだけでも価値があるといえばそうなのですが……。
GALAPAGOS STOREでジュニア層向け配信サービス – ITmedia eBook USER
※2013年1月30日
ドコモから発売予定の「スマートフォン for ジュニア SH-05E」で利用できる電子書店。ドコモオフィシャルのBOOKストアや、ドコモが出資しているhontoではなく、機器の製造元であるシャープ運営のGALAPAGOSというところが、裏側でどんな綱引きがあったんだろうといろいろ想像をかきたてられます。この端末はGooglePlayが使えませんから、選択の余地がないんですよね。こどもが喜んで使うようなラインナップになっていればいいのですが。
honto、EPUB 3形式のコンテンツ配信に対応 – ITmedia eBook USER
※2013年1月30日
Koboが先鞭をつけたEPUB 3対応への流れが、他社にもどんどん波及しています。
電子コミック5500作品以上が月額1480円で読み放題の「シーモア読み放題」 -INTERNET Watch
※2013年1月30日
定額制の波が電子書店にも押し寄せています。「読み放題ライト」で月額780円なので、auのブックパス「読み放題プラン」月額590円よりちょっと高め。ボクが気になるのが、著者・出版社への配分がどういうロジックになっているか。読まれた回数に応じて、かな?
価格を決めるのはあなた――電子書店「言い値書店」オープン – ITmedia eBook USER
※2013年1月30日
Pay What You Wantモデルの電子書店。0円ダウンロードして、後から払うということもできるようになっています。投げ銭感覚ですね。
記者の眼スペシャル2013 – 「電子書籍全盛時代」はバラ色の未来か:ITpro
※2013年1月31日
「いまだにこんな感覚なの?」とかなり批判を浴びていた記事。「紙と電子、それぞれ長所・短所がある」ところまではいいのですが、「紙の良さを最大限継承した電子書籍になるよう、使いづらい電子書籍に対して積極的に文句を付けよう」という結論には、ボクも首を傾げてしまいました。「愛あるダメ出し」はいいんですが、「紙の良さを電子で再現すること」というのは必要なことなのでしょうか?紙と電子、それぞれいい所があるのだから、長所を生かして共存すればいいと思うのですが。
アマゾンの2012年:E-Bookは+70%、P-Bookは+5% « EBook2.0 Magazine
※2013年1月31日
Amazonの2012年業績。紙書籍売上も、まだ伸びているんですね。
hon.jp DayWatch – 文化庁、国立国会図書館の蔵書の電子書籍版7作品を紀伊国屋書店「Kinoppy」で配信実験スタート
※2013年2月1日
国立国会図書館のデータを、さまざまな形で加工して配信しています。青空文庫とのハイブリッドとか、試みとしては面白い。
BookLive、辰已法律研究所の専門書配信へ――入手困難な過去問集も割引価格で – ITmedia eBook USER
※2013年2月1日
電子ならではの試み。「必要とする人は少ないが、希少性が高く入手困難」なコンテンツって、電子媒体(プリント・オン・デマンド含む)の方が向いてるんですよね。紙だと「印刷」という工程があるので、部数が少ないと原価が跳ね上がってしまう。
【KDP最前線】プロの漫画家が個人出版をはじめた理由『限界集落〈ギリギリ〉温泉』作家・鈴木みそ氏インタビュー | きんどるどうでしょう
※2013年2月1日
単純に「出版社中抜き」ではなく、「Kindleでの利益の一部を出版社にバックする」提案をしたというのが新しい。
Google+ガイドブックの改訂版[導入編]がパブー経由でKindleストアに配信されました – 見て歩く者 by 鷹野凌 –
※2013年2月2日
なんとKindleストアの「ヒット商品」で1位になっていました!
みなさまのおかげです。本当にありがとうございます。「過去24時間で最も売上が伸びた商品」というランキングなので、いまはもう圏外になっちゃってますが、「コンピュータ・ITのベストセラー」でもかなり上位に食い込んでいたようです。
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はやく次の巻を仕上げなければ……(;^ω^)