「出版情報登録センター」「X-Ray」「ブラ読み」など出版業界関連の気になるニュースまとめ #147(2014年12月8日~14日)

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毎週月曜恒例。出版業界関連の先週のニュースで、ボクが気になったものにコメントをつけてまとめていきます。電子出版界隈が中心です。先週は「出版情報登録センター」「X-Ray」「ブラ読み」などが話題になっていました。

IPO会社社長に聞きたい | アルファポリス・梶本社長「ヒット作を出す確率の高さが高利益率の源泉」 | 会社四季報オンライン ※2014年12月8日

先日東証マザーズへ上場した、アルファポリス梶本雄介社長へのインタビュー。営業利益率31.6%と、一般的な出版社と比べて驚異的に高収益なのが特徴。3ページ目にさらっと凄いことが。

ネット上で読者ニーズを把握していることが全体の8、実売印税の導入が2、といった割合でしょうか。

(中略)

印税に関しては税率を従来の8%から5%へ引き下げるなどの対応を取る出版社もあるため、実売印税採用による優位性はこれまでに比べると薄らいでいるかもしれません。

実売印税なんだ……アドバンス無いのかな? 定価1200円×平均1.6万部だから、著者印税8%なら150万円強。まあ、実売印税や低めの印税率でも、「ヒット率が高い」から他社と比べてもさほど悪い条件ではないのかもしれませんが。

ところで、著者印税って一般的には10%だと思っていたのですが、いつのまに8%がスタンダードに? しかも5%に引き下げ? 絵師にも印税分配していて著者印税単独では低めになってるって話なら分かりますけど、このインタビューで話をしているのは会社の収益率の話ですからねぇ……。

eBookJapanのユーザー数100万人突破――1人当たりの平均購入冊数も明らかに – ITmedia eBook USER ※2014年12月8日

100万人突破、おめでとうございます。MAU (Monthly Active Users) はどのくらいなんだろう? 2009年6月時点の平均購入部数は1人当たり23部だったのが、2014年11月には1人当たり44部まで増えているというのが凄い。普通は会員数が増えれば自然にライトユーザーも増えるから、平均は下がると思うんですよね。サービス改善を続けてきたからこそでしょう。

紀伊國屋書店/東芝のペンタブレットに電子書籍アプリ提供 | ICT教育ニュース ※2014年12月10日

あまりどこも取り上げていないニュースですが、おいおいと思ったのでピックアップ。東芝自身が運営している「BookPlace」の立場は、とツッコミを入れておくべきでしょう。まあ、Windows Store アプリに対応していない(米国向けには対応している)から、国内ユーザーのことを考えたら仕方がないのかもしれませんが。そもそも、Windows Store アプリに対応している電子書店が、Kinoppy、eBookJapan、マガストア、コミックシーモアくらいしかないのが……。

東芝は、以前はBookLiveと組んでやってたのを自社独自のストアに切り替えたものの、電子ペーパー端末から撤退という噂もあったし、なんだかやってることがたいそうちぐはぐしている印象です。というか、家電メーカー系はみんな(ry

ソーシャルDRMに合本機能――JTBパブリッシング「たびのたね」はこうして生まれた – ITmedia eBook USER ※2014年12月10日

たびのたね」のJTBパブリッシング、12月5日のJEPAセミナーレポートではなく、ITmedia eBook USER単独でインタビューに行ってます。さすが西尾編集長。

トーハン/KADOKAWAと書店店頭活性化を図るパートナーシップ | 流通ニュース ※2014年12月12日

ちょっと驚きましたが、さすがKADOKAWAという感じ。トーハンの「オンライン書店e-hon」と「Digital e-hon」が、「BOOK☆WALKER」と提携です。Digital e-honでKADOKAWAコンテンツを配信開始して、ポイント20倍のキャンペーンをやっています。「将来閉鎖するのでは?」という不安を、本棚連携という形で解消するうまいやり方。次はどこと連携するんだろう?

【新文化】 – JPO、出版情報登録センターの説明会を開催 ※2014年12月12日

JPROの説明会、かなり広い場所でしたが満席でした。詳細は既にレポート化していますので、そちらをご確認ください。説明会は、年内にもう1回やるそうです。

【新文化】 – 「再販関連」説明会、「部分再販の前進を」と相賀委員長発言 ※2014年12月12日

講談社・野間社長に続き、小学館・相賀社長も部分再版(時限再販)をやるべきだと主張しています。新潮社・佐藤社長が「電子書籍にも再販制を!」などと寝ぼけたことを言っているのと好対照。

日本語Kindle書籍に新機能「X-Ray」 ボタン1つで“書籍の骨格”キーワード映し出す – ITmedia ニュース ※2014年12月12日

とりあえず現時点で対応しているのは、吉川英治の『三国志』や司馬遼太郎の『龍馬がゆく』など、青空文庫のパブリック・ドメイン作品だけ(日本語約1500冊)みたいです。Wikipedia検索と、書籍内検索の強化版、といったところ。Amazon.comでも1万5000点しか対応していないので、これから対応書籍が増えていくかどうかは未知数。

GALAPAGOS STOREで「ブラ読み」、試し読みがブラウザビューワで可能に – ITmedia eBook USER ※2014年12月12日

1月に発表したブラウザビューワが、ようやく「GALAPAGOS STORE」に……と思ったら、対応したのは立ち読みだけ。もともと “3月から「GALAPAGOS STORE」およびB2B向けに提供している「book-in-the-box」に順次提供を開始” っていう話だったんですけどね。「mibon」にもまだ提供されてないし。うーん。

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