「文化庁、著作物データベース作成へ」「東京国際ブックフェア」など出版業界関連の気になるニュースまとめ #239(2016年9月19日~25日)

Nexus 7のBOOK☆WALKER

毎週月曜恒例。出版業界関連の先週のニュースで、ボクが気になったものにコメントをつけてまとめていきます。電子出版界隈が中心です。先週は「文化庁、著作物データベース作成へ」「東京国際ブックフェア」などが話題になっていました。

起業支援の拠点に TSUTAYAが梅田の関大新キャンパスにBOOK&CAFE | THE PAGE 大阪 ※2016年9月15日

1週前の記事ですが見落としていたのでピックアップ。TSUTAYAの次の一手は大学内BOOK&CAFE。

本屋の「文教堂」、アニメ・文具で打開できるか | メディア業界 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準 ※2016年9月18日

1週前の記事ですが見落としていたのでピックアップ。筆頭株主が大日本印刷から日販に変わった文教堂について。トーハンからの帳合変更が起こるだろうとのことで、大手取次2社による書店の奪い合いがますます激しくなっている感。

鳥山明を見いだした鳥嶋和彦が語る 信頼される編集者って? 〈dot.〉|dot.ドット 朝日新聞出版 ※2016年9月20日

「作家には『描きたいもの』と『描けるもの』というのがあって。編集者は作家と一緒に『描けるもの』を見つけないといけない」「編集部の意見と作家の意見が対立したら、必ず作家側に立たなくてはいけない」などの至言が。つまりこれがいまはできていない、という指摘なのだと思います。

“Amazon読み放題”で個人作家はこれだけ稼いだ 1カ月の収益、鈴木みそさんが公開 – ITmedia ニュース ※2016年9月20日

先週のニュースまとめでお二人のブログをピックアップしましたが、メジャーなメディアでニュースになったので改めて。冷静に考えると、佐藤秀峰さんは11円セールで1億3000万円以上を稼いでいるわけで、KDPの読み放題はトップクラスでもこのくらいか……と感じてしまいます。裾野は間違いなく広がっていると思うのですが。

媒体はデジタルよりも紙 中高生の読書活動を調査 | 教育新聞 電子版 ※2016年9月20日

「読書」にマンガが含まれているか否かで、大きく結果が異なるはず。マンガが含まれるなら「comico」「マンガボックス」「マンガワン」などの無料アプリで相当読まれているはずですから。そもそも中学生は半分くらいしか携帯デバイスを持ってないので、残り半分は紙しか選択肢がないという。

「東京国際ブックフェア」のセミナー「電子書籍、どうしたら読まれるの? ぶっちゃけ座談会」で、議題の1つが「どうすれば10~20代の電子書籍ユーザーが増えるのか?」だったそうですが(「10~20代の電子書籍ユーザーを増やす」のは難しい? – アオヤギさんたら読まずに食べた)、未成年は「購入する」以前の接触機会が増えていれば充分なのでは、という気がします。思い返してみると、自分が10代のころはほとんど立ち読み or 図書館 or 友人宅で読んでいたし。

書店撤退、大型店でも ネットに押され、売り上げ減 賃料重荷に:朝日新聞デジタル ※2016年9月21日

リブロ池袋本店の閉店は、あとに三省堂が入っていることにも触れて欲しかった。事例を挙げて情緒的に語るのではなく、数字を挙げて欲しい、とも思います。

アマゾンと楽天、「読み放題」の勢いは続くか | インターネット | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準 ※2016年9月21日

楽天マガジンは当初見込みを上回る契約数とのこと。Amazonも、出版社向けの上乗せ契約を早めに打ち切っているのは想定以上に読まれたからなので、読み放題に需要があるのは間違いないようです。

定額制読み放題と今後の展望 インプレス総合研究所「電子書籍ビジネス調査報告書2016」より<第3回> – INTERNET Watch ※2016年9月22日

「電子書籍ビジネス調査報告書2016」をもとに再編集した記事の第3回。前回の記事は雑誌のみのサービスで、今回は「ブックパス」「コミックシーモア」「Yahoo!ブックストア」など雑誌以外がメインとなる読み放題。先行他社はコミックが中心でしたが、「Kindle Unlimited」は文字モノのラインアップが点数的にはそれなりに充実しています(「ブックパス」読み放題の小説は2300点に対し、「Kindle Unlimited」は2万点超)。読み放題の会員数は「dマガジン」以外発表していないので、どこが強いとはまだ言いづらいのですが、そのうち利用率調査が出るかしらん?

著作物の「窓口」一本化 文化庁、データベース作成へ:日本経済新聞 ※2016年9月23日

「来年度に事業の委託先を公募し、運用も民間に任せる方針」とのこと。「権利者による権利者不明作品問題を考える勉強会」が提案していた「拡大集中処理」と「拡大裁定制度」の具体化?8月初旬にJASRAC新理事長が美術・文芸分野の著作権管理にも意欲を示していたことを思い出しました。

本の展示会「第23回東京国際ブックフェア」が開幕、470社が100万冊を展示、割引販売も – INTERNET Watch ※2016年9月23日

初日に行って、ぐるっと一週回ってきました。ほぼどのブースにもレジがあって、エプロンをしたスタッフがいるという「本の安売り市」状態。これはこれで悪くないとも思いましたが、電子出版系があまりに寂しい。完全に一般向けのイベントになったわけで、認知拡大を図りたい電子書店は出展したほうがいいのでは。専用端末並べて売る(または配る)とか。

図書館で本を借りると、作家に1冊15円の印税 フィンランドの先進的図書館事情 ※2016年9月24日

フィンランドで取り組まれている公共貸与権(public lending right)について。カレントアウェアネス・ポータルの2005年の記事によると、最初に導入されたのはデンマークで1942年のことだったそうです。フィンランドも1961年と、けっこう古い。日本でも1990年代末ごろに導入が検討されていたそうです。これ、孤児著作物の場合はどうなるんだろう?

【山口真弘の電子書籍タッチアンドトライ】楽天「Kobo Aura ONE」 ~7.8型の大画面、防水機能も搭載したE Ink電子ペーパー端末 – PC Watch ※2016年9月24日

山口さんの辛口レビュー。私も「Kobo Aura ONE」は買いましたが、電子ペーパーは文字モノを読むための端末(コミックはカラー表示できる液晶端末で読むもの)だと思っているので、「画面の大きさを活かしてコミックを読む」なんてことは考えもしなかった(むしろ文字モノだからこそ文字数が多く表示できるので大画面のメリットが活かせると思う)し、文字モノは「画面の白黒反転が目立ちやすい」なんてこともないし、レスポンスが悪いと感じることもありませんでした。むしろ問題は、行間や余白設定がいまだに日本語では非対応なところ。「Kobo touch」時代からビューワのソフトウェア開発が止まってるのでは……と思ってしまいましたヨ。


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