「マンガ大賞・本屋大賞ノミネート作発表」「KindleとKoboでKADOKAWA70%オフ」など出版業界関連の気になるニュースまとめ #101(2014年1月20日~2014年1月26日)

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毎週月曜恒例。出版業界関連の先週のニュースで、ボクが気になったものにコメントをつけてまとめていきます。電子出版界隈が中心です。先週は「マンガ大賞・本屋大賞ノミネート作発表」「KindleとKoboでKADOKAWA70%オフ」などが話題になっていました。

「マンガ大賞2014」ノミネート作品決定 – ITmedia eBook USER ※2014年1月20日

Kindleストアのマンガ大賞特集を見ると、ノミネート10作品中8作品が電子化されているようです。去年は11作品中5作品だったので、結構電子化が進んでいますね。

2014年本屋大賞、ノミネート作品決まる – 新文化|WEB本の雑誌 ※2014年1月21日

Kindleストアの本屋大賞特集を見ると、ノミネート10作品中5作品が電子化されているようです。うーん、こっちは去年とあまり状況が変わっていないような。

タフな交渉で相手をたたきつぶすのがアマゾンの文化:日経ビジネスオンライン ※2014年1月21日

「ジェフ・ベゾス 果てなき野望」から、Amazonのタフな交渉に関して。ジェフ・ベゾスがなぜ「スティーブ・ジョブズの失敗をくり返したくない」と言ったのか、という理由が面白い。早く読みたいけど、手が回らない……。

ジェフ・ベゾス 果てなき野望-アマゾンを創った無敵の奇才経営者

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「読書」は電子書籍の浸透進むが紙がまだ優勢…アメリカ読書事情 – ガベージニュース ※2014年1月21日

アメリカで「過去1年間で読書をした」人が全体で76%、紙で読んだ人が70%、電子書籍の利用率が28%。つまり、電子書籍(またはオーディオブック)だけという人が6%、紙も電子もという人が22%ということになると思われます。ボクは「過去1年間」なら紙も電子も読んでますね。

全国の書店にハーレクイン専用のインテリジェント本棚、インテルが協力 -INTERNET Watch ※2014年1月21日

「電子書籍」は立ち読みファイルをスマートフォンなどへ転送可能、ということで、購入はできないのかな? 「ハーレクイン専用」という点とあわせ、どうも中途半端な気が。リアル書店との提携という意味では興味深いのですが。

70%以上OFF――角川書店祭り、Kindle/Koboで展開 – ITmedia eBook USER ※2014年1月22日

KindleとKoboの激しい殴り合い。Amazonプレイスマッチング、恐るべし。巻き込まれたKADOKAWAは、2月に大規模キャンペーンをやるみたいです。ちなみに、楽天Koboのキャンペーンページは対象商品が無限スクロールで確認できて、結構いい感じ。Koboイーブックストアだと1回1回クーポーンコードを入れなきゃいけないので大変ですが、楽天ブックスはカートに入れてまとめて1回だけラ・クーポンを入力して決済できるのでラクです。

デジタルブックワールド2014報告:第1回 米国の出版業界はチェンジとチャレンジの年 | OnDeck ※2014年1月22日

今後4回にわたって連載される、デジタルブックワールド2014のレポート。従来は、ファイル形式の「変換」やプラットホームへの「配信」が電子出版の主要な課題だったが、今後は以下のようなことが課題になるだろう、とのこと。

いかに魅力的な作品になるうる素材(コンテンツや著者)を発掘したり、育成したりできるか、ソーシャルネットワークによるデジタルマーケティングを駆使して読者を巻き込む施策に取り組めるか、著者と出版社の相互利益となる深いエンゲージメントができるか、読者への高い付加価値の提供ができるかなど、いままでの出版社の活動とはまったく異なるワークフロー、組織構造、スキル、経験が必要となる。

これって、もともと出版社が果たすべき役割なのでは……? という気も。

Apple、iPad向け電子教科書「iBooksテキストブック」、日本でも提供 -INTERNET Watch ※2014年1月22日

「iBooks Author」で制作するとApple向け専用になってしまうというところで、二の足を踏むところが多いのではないか? という気が。AppleがiTunesみたいに「iBooks for Windows」や「iBooks for Android」を出すというなら、話は別なんでしょうけど。

今村友紀 「〈出版×デジタル〉の未来予想図 〜作家・今村友紀による『ツール・オブ・チェンジ』精読〜」 #05:物書きに残された4つのポジション -「プライシングとマネタイズ」の未来予想図(後編) – DOTPLACE ※2014年1月23日

現在の状況で文筆業を続けていくために取り得るポジションには、「スーパースター」「何でも屋(マルチタレント)」「プラットフォーマー」「兼業作家」の4つがあるとのころ。ボクは何でも屋かな……。

hon.jp DayWatch – 米Adobe、電子書籍ビューワーソフト「Adobe Digital Editions 3.0」を公開、縦組表示も改善 ※2014年1月23日

さっそく試してみたのですが……

ADE3.0

縦書き、確かに綺麗になってます。でも、論理目次が何か変なのと、操作系が逆になってる(ページめくりが右カーソルで、戻るのが左カーソル)というところが何とも……まあ、これから修正されるとは思いますが。

楽天Kobo、PCでも電子書籍を閲覧可能に、デスクトップビューアー機能追加 -INTERNET Watch ※2014年1月24日

昨年「第1四半期に出す」と既に予告されていたことではありますが、意外と早かった。Adobe Digital EditionsやAdobe RMSDKのバージョンアップとほぼ同時です。これで、まだデスクトップ用ビューワを日本向に展開していないKindleやSony Readerも動くかな……? そして、年初の予想どおり、雑誌が盛り上がるか?

ところで、同期が始まると購入済み全書籍がダウンロードされる仕様は勘弁して欲しいのですが。

2013年の出版物の推定販売金額は前年比3.3%減の1兆6,823億円 | カレントアウェアネス・ポータル ※2014年1月24日

出版科学研究所の数字には「電子書籍市場」が含まれていない(この記事には明記されている!)ので注意が必要です。

Kindleストア連携での販売料率の変更に関するお知らせ – パブー | ブクログのパブー ※2014年1月24日

いままで35%だった料率が、25%にダウンします。ボクはKDPを使っているので個人的には影響しないのですが、全体を見据えたときに非常に気になる動きです。経緯として説明されている部分に注目。

取次会社とKindleストアを運営するAmazon社との契約内容に変更が生じ、2014年1月20日に、料率の変更とその開始時期が2014年2月に正式決定したとの報告を受けました。

つまり、Amazonが電子取次企業への締め付けを行っている(=KDPへの誘導を図っている)ということになります。上で紹介した日経ビジネスの「タフな交渉で相手をたたきつぶすのがアマゾンの文化」から引用。

Kindleの一般公開後も、ベゾスは電子書籍獲得への圧力をますます強めた。その一例が「ガゼルプロジェクト」だ。ベゾスは「チーターが弱ったガゼルに近づくようにアマゾンは小さな出版社にアプローチしなければならない」と命じた。

なかなか動かない出版社に対し、特に小さい出版社からアマゾンは脅しをかける。アマゾンでの検索や顧客への推奨のアルゴリズムで優先順位を下げると通告したのだ。

今回のこの動きが、どういうプロジェクト名になっているかはわかりませんが、Amazonとはこういう企業なのだということを頭に入れておく必要はあると思います。

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