先週は「アマゾンが電書でもMFN(最恵国待遇)条項を撤廃」などが話題に。毎週月曜恒例の、出版業界関連気になるニュースまとめ、2017年8月14日~8月20日分です。
アマゾン、「最安値契約」を撤回…電子書籍配信 読売新聞(2017年8月15日)
アマゾン、出版社に電子書籍の最安値求める契約見直し 朝日新聞デジタル(2017年8月15日)
アマゾン:最安値要求を撤廃 電子書籍巡り出版社に 毎日新聞(2017年8月15日)
アマゾン、優遇契約撤回 出版社に電子書籍最安値 産経ニュース(2017年8月15日)
アマゾン、電子書籍でも最安値保証撤廃 公取委に報告 日本経済新聞(2017年8月15日)
アマゾン 電子書籍配信で不利にならない契約条件を撤廃 NHKニュース(2017年8月15日)
お盆休みど真ん中に、新聞やテレビなどマスメディア各社が一斉に取り上げたビッグニュース。公正取引委員会の報告はこちら。なお、日経新聞に書かれている「KDPは対象外」というのは、公取委に直接確認してみましたが、事実です。つまりKDPで配信されていた『ブラックジャックによろしく』がプライスマッチで無料にされた件と今回の公取委の発表とは、無関係ということになります。エージェンシーモデルとホールセールモデルとでは条件が異なっていたなど、いくつか複雑なポイントがあるのですが、詳しい解説は別の機会に。
「出版社は傲慢な面が多く、デジタルシフトの速度が遅い」:ある雑誌編集者の告白 DIGIDAY[日本版](2017年8月15日)
日本ではなくアメリカの話。しかし、日本も似たような傾向があるかも? なお、元記事のタイトルは “It’s a mix of fear, frustration(恐怖と不満のミックスだ)” なので、日本向けに変えているようです。
講談社、松田町(神奈川)と学校教育分野で包括連携協定 新文化(2017年8月17日)
講談社「じぶん書店」の横展開。他の出版社を仲間に入れるかと思ったら、配信先を広げる方向に。バックはもちろんメディアドゥ。小中学生向けの電書配信サービス「みんなのブッククラブ」。全国に展開していくのかな?
メディアの風景:電子化で書評変わるか=武田徹 毎日新聞(2017年8月17日)
ジャーナリストで評論家の武田徹氏による、「NetGalley」への期待。批評とプロモーションの両立を目指して欲しい、とのこと。まずはコンテンツの数。次に、公平中立なレビュアーをどうやって増やすか。「発売前のゲラが読める」というのは確かに魅力なのですが、レビューを書く行為そのものに対価があるわけではありません。そして今後「NetGalleyのレビューで本が売れる」となってきたときには、アマゾンレビューのように高レビュー工作員が湧いたりステマ行為が横行するのではないか、という危惧があります。中立的な立場を貫けたらいいですね。
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