毎週月曜恒例。出版業界関連の先週のニュースで、ボクが気になったものにコメントをつけてまとめていきます。電子出版界隈が中心です。先週は「日本文藝家協会が著作権侵害の非親告罪化に“慎重であるべき”」「苦戦する図書館カフェ(米国)」などが話題になっていました。ちょいとネタ少なめ。
ダウンロード – KADOKAWA-EPUB PORTAL ※2015年11月20日
KADOKAWA-EPUB 制作仕様(制作ガイドライン)がアップデートされてました。eBook USERが更新終了したので、こういう情報がメディアに流れなくなったのが痛い。
手塚治虫「知られざる名作」英訳版がデジタル化 « WIRED.jp ※2015年11月24日
『海のトリトン』が「知られざる名作」扱いなのにちょっと驚いた。
株式会社メディアドゥ 第17回図書館総合展出展のご報告 ※2015年11月24日
「第17回 図書館総合展」出展・登壇報告 | 京セラ丸善システムインテグレーション株式会社 ※2015年11月25日
メディアドゥと京セラ丸善システムインテグレーションの広報さんから、図書館総合展出展報告が届いたので紹介。メディアドゥの発表資料(PDF)は、OverDrive図書館営業責任者Claudia Weissmanパートが日本語化されてます(現地で紹介されたときは英語だった)。公開資料なのに、左下にずっと「confidential」って入ってるのがすっごい気になるのですが。
軽減税率、残る焦点は経理方式 対象に新聞・出版物も(1/2ページ) – 産経ニュース ※2015年11月25日
たまたまGoogleアラートに引っかかってきたので気がついたのですが、
新聞や書籍・雑誌類もどこまで対象品目に入れるかの課題が残されている。
往生際が悪いというか、自分たちの都合優先というか、なんというか……。
著作権侵害の非親告罪化には「慎重であるべき」 文芸家協会が声明 – ITmedia ニュース ※2015年11月25日
日本文藝家協会までこういう声明を出すとは。安倍総理の指示もあり、非親告罪化に関しては当初心配されたような事態にはならずに済みそうです。問題は、保護期間延長。権利者側は賛成してる人が多いですから……thinkTPPIPやMIAUの「期間延長は、登録作品のみを対象」という提案がどこまで受け入れられるか。
日経電子版 渡辺洋之「月4200円課金するには、紙以上の価値がなければならない」|メディアビジネスの未来|cakes編集部|cakes(ケイクス) ※2015年11月26日
日経電子版立役者を、cakes加藤貞顕氏がインタビュー。有料会員数が4月時点で43万人。併読率はどれくらいだろう? と思って調べてみたら、媒体資料(PDF)に載ってました。2015年7月1日時点で、有料会員数が43万184、「うち19万7178は朝刊も電子版も有料で購読」という記述があるので、電子版単独の有料会員数は23万3006ってことに。電子版単独の方が併読より多いんですね。凄い。
2015年の「電子出版アワード」、一般投票の受付を開始 -INTERNET Watch ※2015年11月26日
一般投票も受け付けているところがユニークです。私が理事長をやってるNPO法人日本独立作家同盟や月刊群雛は、残念ながら今年もノミネートされず。ぐぬぬ。
News & Trend – なぜCCCはプライバシーマークを返上し、T会員規約を改訂したのか(後編):ITpro ※2015年11月26日
先週ピックアップした前編は図書館関連のことに触れられていましたが、後編は主に第三者提供についてと、記者が感じた疑問点。Yahoo!やBookLive!など、TポイントでCCCとがっつり提携している電子書店もあるので、今週もピックアップしておきます。
Michael Tamblyn is the new CEO of Kobo ※2015年11月26日
Kobo創始者の1人Michael Tamblyn氏がCEOに着任したそうです。楽天から送り込まれている「コストカッター」との異名を持つ相木孝仁氏は、会長に就任予定とのこと。
苦戦する図書館カフェ(米国) | カレントアウェアネス・ポータル ※2015年11月27日
「図書館に併設されるカフェは採算が合わず、撤退する例や新規開館時に参入する業者が見つからない例が多い」とのこと。これってやり方次第で、周囲にあまり何もない所に図書館・書店・喫茶店・レンタル屋の複合施設ができれば(そして充分な駐車場が用意されていれば)、ある程度集客は見込めるとは思うのですが。CCCが狙ってるのはソコですもんね(指定管理者で儲けが出なくても、付随する商売で儲けられればいい)。