出版(紙・電子書籍)関連の気になるニュースまとめ #63(2013年4月22日~2013年4月28日)

Nexus 7のGALAPAGOSアプリ

出版(紙・電子問わず)関連でボクが気になった先週のニュースについて、コメントをつけてまとめていきます。

日本人は電子ペーパーよりアプリが好き?! 楽天koboが市場動向を解説 -INTERNET Watch ※2013年4月22日

しかし、日本ではフィーチャーフォンが長らく市場を席巻。小さな画面でケータイ小説を読むといった行為への慣れがあるので、スマートフォンアプリでの読書にも抵抗がない───。白石氏らは、Android版koboリリース後の実感から、そう考えるに至ったという。

「考えるに至った」というのが苦しいなあ……という印象。恐らくそんなことは初めからわかっていたけど、トップ判断で端末を優先させてしまったのでは(※想像です)。

独自タブレット端末「kobo arc」を日本市場へ投入する際には、”rakuten HOME”みたいなのがプリインストールされてるんでしょうね。Amazonに対抗するには、Yahoo!BBみたいに端末はタダでばら撒いて、通信費とコンテンツ販売で儲ける方向しかボクには思いつきません。

「自炊代行業者も土俵に上がって」 蔵書電子化のルール作りは可能か、著者や出版社の代表が議論 (1/2) – ITmedia ニュース ※2013年4月22日

IT戦士・岡田有花さんのレポート。ボクのレポートより、具体的に誰が何を言ったかに焦点をあわせた形になっています。

「ブラよろ」電子書籍配信で取次元が謝罪 10サイトで無断配信、二次利用規約守らず – ねとらぼ ※2013年4月22日

メディアドゥは規約を勘違いしていたわけではなく、連絡が遅くなってしまっただけのようですが。「事後報告でもいい」というのは、利用開始するのと同時に連絡するくらいに捉えておいた方がいいのでしょうね。

使い勝手のよいサイト上位は「アマゾン」と「iBook」―電子書籍販売サイトに関する調査 – インターネットコム ※2013年4月23日

残念ながら、モニターの偏りと、設問設定のおかしさを疑わなければならないリサーチ。iBookstoreが2位に入ってますけど、たぶんApp Storeでアプリ型電子書籍を購入した人が大量に含まれていると思います。3位にパピレスが入っているのに、同じく老舗のeBookJapanはランク外。10位にOCNeBooksというNTTグループによる電子書籍ポータルサイトがランクインしているという。8位の「Book Web」は恐らく紀伊國屋書店ウェブストア(Kinoppy)のことだと思いますが、選択肢が「Book Web」となっていた時にKinoppyユーザーが選ぶか?という。

比較的信頼性が高いのは、「全体1,076人のうち、電子書籍を”購入したことがある”人は173人(16.1%)」という部分だけだと思います。現時点で電子書店別の利用動向をある程度信頼できる数字で把握するには、調査対象が1万人くらい(購入したことがある人が1600人くらいになる)必要なんじゃないかな。まあ、1位Kindleストアは揺るがないと思いますが(;^ω^)

ロンドン・ブックフェア2013報告 « マガジン航[kɔː] ※2013年4月23日

これは興味深いレポート。”出版の民主化”っていいですね。

ケータイ小説投稿サイト『Gocco』の投稿作品30タイトル以上が作者に無断で電子書籍化される – ガジェット通信 ※2013年4月23日

なんというフリーダム。とりあえず、著作者人格権の不行使特約は無効らしいですよ。2ちゃんねるみたいな匿名型掲示板ならともかく、ユーザー投稿型のサイトでこんなことやって許されるわけないのに……。

10000字対談「佐藤秀峰 × ごとう隼平」電子書籍について語る – ガジェット通信 ※2013年4月23日

面白い対談。「電子書籍について語る」というより、「電子”出版”について語る」というタイトルの方が相応しい気がしますが。

電子書籍「ニコニコ静画」のAndroid端末向けアプリが配信 – CNET Japan ※2013年4月24日

これで主要電子書店では、唯一iBookstoreだけがAndroid非対応となりました(対応デバイス一覧参照)。まあ、AppleがAndroid対応アプリを出すようなことは、今後もないでしょうから期待はしません。

しかし、この1年間ですっかり「電子書店がマルチデバイス対応なのは当たり前」という状態になってきましたね。あとは、iOS非対応のReader Storeがいつ対応するか?くらいでしょうか。ちなみにアメリカのReader Storeは、iOSはもちろん、PCにもMacにも対応しているのですが……。

日本電子出版協会(JEPA)主催の「EPUB25 セルフパブリッシング狂時代」に行ってきた ※2013年4月25日

ボクのレポートです。商業メディアはどこも記事化してないっぽ。むむむ。登壇者自身の感想は↓こちら。

ライトノベル強し:角川グループの電子書籍ビジネス、年間24億円規模に – ITmedia eBook USER ※2013年4月25日

「スマートデバイス売上が340%増」で、「フィーチャーフォンを含めた売上が24億円」と、いろいろ条件付きの断片的な数字が公表されています。棒グラフの縦軸に数字入ってないし(;^ω^)

しかし、棒グラフには数字が入ってないだけで実態通りだとすると、Kindleストアがオープンした2012年10月以降の伸びが凄まじいですね。2013年3月期の直販比率が30%とのことですが、恐らく今期はもっと低くなるのでは。コンテンツを他の電子書店にも提供するようになったのは2012年1月からなので、2012年4月の数字はまだ直販比率がかなり高いはず

文藝春秋、初の電子小説誌『つんどく!』創刊 – ITmedia eBook USER ※2013年4月25日

文藝春秋がボーンデジタル誌を始めたというのは、とてもいい動きだと思います。ただ、当面は不定期刊行というのが残念。あまり頑張ってボリューム満点で重厚なものにしようとせず、量は少ないけど毎月とか毎週とか、とにかく定期的に出し続ける方がいいんじゃないかなあ。

コミックナタリー – スーパーダッシュ&ゴー!休刊、連載作は今夏WEBへ移行 ※2013年4月25日

一部の連載は、他誌へ移籍するようです。出版社運営のウェブマガジン、どんどん増えてますね。紙からデジタルへの移行は”撤退戦”なので非常に難しいのですが、ウェブマガジンという形態がきっちりユーザーに認知されるようになってきたので、今後漫画誌の移行はわりとスムーズにいきそうな感じ。

電子テキストの“黒船”、「Kno」が日本上陸:PC Online ※2013年4月25日

「Kno」って知らなかったのですが、大学生協と提携したというのは非常にでかいと思います。教育出版系も、戦国時代ですね。あれ? コープデリeフレンズ電子書店は……?(;^ω^)

メディア・パブ: NYタイムズのデジタル有料事業に暗雲が ※2013年4月26日

こちらも紙からデジタルへの移行は”撤退戦”です。成功事例として挙げられることの多いニューヨーク・タイムズデジタル版の、購読者の伸びが鈍化しているそうです。デジタル購読者数は約70万人。紙面の発行部数が平日で100万部強(Wikipedia)らしいので、まあそろそろ鈍化してもおかしくはないという感じが。低料金プランを用意するみたいですが、果たしてどうなるか。

ちなみに日本では、日経新聞が今年の1月時点で有料会員数25万人に到達しています。こちらは紙面が300万部弱(Wikipedia)なので、まだまだ伸びる余地はありそうですね。

楽天がぶち上げる「打倒アマゾン」に出版社は眉唾…kobo事業説明会に出版界から非難轟々(1/3) | ビジネスジャーナル ※2013年4月26日

「担当者がすぐに辞めてしまう」というのは非常に生々しい話。それにしても、この記事を書いている「碇泰三」さんはかなりの業界通のようですが、ビジネスジャーナルしか名前が出てこない。いったい何者なのか……。

【注意】Android 用Kindleアプリのアップデートでコミックの画質が落ちる不具合がでてるみたい | きんどるどうでしょう ※2013年4月26日

不具合ではなく、画質を落としてページめくりを高速化する仕様っぽいです。オープン直後に「Kindleのイラスト画質はあまり良くない?」という記事を書いているのですが、これでますますKindleでコミックは買いたくなくなりました。

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