TPPの知的財産権と協議の透明化を考えるフォーラム(thinkTPPIP)は3月13日、中央合同庁舎第8号館にて「TPPの知的財産条項に対する緊急声明」を西村内閣府副大臣に手交し、その後新宿で賛同団体の方々とともに記者会見を行いました。以下、そのレポートです。
2月24日に公表した緊急声明案への賛同団体・個人の募集に対し、記者会見までに70団体・283名の賛同が集まったそうです。まだ賛同申し込みは受け付けているので、団体はこちら、個人はこちらからどうぞ。
「TPPの知的財産条項に対する緊急声明」とは?
津田大介氏(ジャーナリスト、MIAU代表理事)
著作権の「保護期間延長」「非親告罪化」などの問題は、過去にもさまざまな議論があった話です。いろんな立場から、いろんな意見を持っている人がいます。ところが、この緊急声明に関して言えば、関係者が反対する理由はまず「ない」のではないかと思います。それは、この緊急声明自体はTPP自体への賛否を述べているわけではなく、まずは情報公開を求めているからです。
福井健策氏(弁護士、ニューヨーク州弁護士、thinkC世話人)
TPPは秘密交渉です。実際いま何が話し合われているのか、本当のところは分かりません。たまに報道等へリークされる情報はありますが、観測気球的で信頼性に乏しいのが現状です。
平田オリザ氏(劇作家、日本劇作家協会副会長)
例えば、2月にはNHKから以下のニュースが連続で出ました。
ところが3月12日には共同通信から、このようなニュースが流れます。
いずれも政府は「誤報(まだ何も決まったわけではない)」という見解です。そもそも秘密交渉ですから、こういう情報がリークされるのもおかしいし、政府の立場としてはそう答えるしかないのですよね。
国民不在の密室交渉
赤松健氏(漫画家、Jコミ代表取締役)
最近は密室性が以前より高まっていて、政府主催の説明会では「説明できない」ことの説明が繰り返されるばかりだそうです。国民不在の密室で交渉が進み、最終的に妥結案だけが降りてくる形で本当にいいのでしょうか?
中村伊知哉氏(慶應義塾大学メディアデザイン研究科教授)
弁護士の福井健策さんは記者会見で、「誰かが密室で作り上げたルールに従うだけ、という未来を想像してください。嫌だと思うなら声を挙げてください」と呼びかけました。
TPPは自由貿易のための協定ですが、知的財産条項は「文化」にも関わる問題です。私も、もっとたくさんの人が興味を持ち、声を挙げて欲しいと思います。
記者会見の詳細は、ニコニコ生放送のアーカイブをご覧ください。