毎週月曜恒例。出版業界関連の先週のニュースで、ボクが気になったものにコメントをつけてまとめていきます。電子出版界隈が中心です。先週は「マンガ図書館Z」「comico books」などが話題になっていました。
漫画家の赤松健氏とGYAOがタッグ、ヤフー傘下で「マンガ図書館Z」がスタート -INTERNET Watch ※2015年8月3日
ボクも取材に行って現地から記事更新してますが、まとめでは商業媒体の記事をピックアップ。配付資料に「プロ・アマチュアを問わず」と書いてあるのに記者発表では説明がなかったので、慌てて質問しましたヨ。
[視点]続・電子書籍市場動向〜「火花」は電子書籍市場規模に影響を与えるか? | OnDeck ※2015年8月5日
OnDeckによる『電子書籍ビジネス調査報告書2015』の考察。「2014年から2015年にかけては電子書籍利用者(有料の電子書籍利用者と無料の電子書籍利用者の合計)がわずか3%しか増加していない」のは、PC調査だからではないでしょうか。スマートフォンは持っていても、PCは持ってない若年層ってかなり多いはず。すなわち、PC調査の母集団には、スマートフォンだけユーザーが存在しない。
と思ってたら、ちょうど先週末にサンプルPDFが出ていました。今回からスマートフォンユーザーを対象とした調査もやっているのですね。n=11043という、わりとガチ調査。PC調査の電子書籍利用率が29.3%(有料13.5%+無料15.8%)なのに対し、スマートフォン調査は39.5%(有料15.5%+無料24.0%)。これもし去年から調査してたら、たぶんがっつり増加していると思いますよ。
KADOKAWA、書籍の新工場を所沢市に 製版から印刷・製本、出荷まで一体化 – ITmedia eBook USER ※2015年8月6日
これ、6月にも同様の発表をしているんで、何が変わったんだろう? と思ってプレスリリースをチェックしてみました。「工場棟のプロジェクトの開始を(取締役会で)決議」した、という話なんですね……って、6月に発表した時点では取締役会で承認されてなかったの!?
NHNプレイアート、出版事業に参入 双葉社と提携 :日本経済新聞 ※2015年8月6日
オリジナルレーベル「comico books」を創設、自社で出版機能を持ち発刊ペースを速めていくそうです。双葉社は書店営業や流通業務。以前インタビューしたときに「介在する関係者が多いほど、どうしても収益配分は自然と小さくなってしまうのでは」という意地悪な質問をしたのですが、やはり自社でやる方向へ舵を切ったようです。
「角川文庫プレミアムクラブ」の読み放題サービス8月末で終了、今後はクーポンを配布する新サービスに – ITmedia eBook USER ※2015年8月6日
「角川文庫プレミアムクラブ」サービス内容変更のお知らせ http://t.co/hptv9QHc6a
読み放題が終了して、500円分のクーポンを毎月3枚配布に変わるのか(´・ω・`)
— 鷹野 凌/月刊群雛発売中 (@ryou_takano) 2015, 8月 5
ボクが気づいた翌日、記事になりました。いつからお知らせ出ていたかは不明。数少ない有料読み放題サービスの1つでしたが、難しかったみたいですね。
講談社、北米向けコミック配信を本格化 2017年末までに約2000点に拡大 – ITmedia eBook USER ※2015年8月7日
記事中では触れられていませんが(関連記事には載ってる)、国際電子出版EXPOの直前にメディアドゥが「米国で講談社作品の電子配信業務を受託」というリリースを出しており、その流れの延長線上にあるニュースでしょう。
メディア・パブ: NYタイムズの有料デジタル購読数が100万部突破 ※2015年8月7日
4年とちょっとで100万部。お見事。
受賞作をPOD書籍で出版 エブリスタ×Amazonの新文学賞 – ITmedia eBook USER ※2015年8月8日
エブリスタはいろんな出版社と組んで「文学賞」をやっていますが、今回は「Amazon POD」というところが新しい。「受賞作はPOD書籍としてAmazon.co.jp上で販売される」だけが受賞特典ってのもすごい。これ、アメリカのAmazon.comでは個人がAmazon PODと直接取引できるので、特典になり得ないんですよね。