毎週月曜恒例、年内最終。出版業界関連の先週のニュースで、ボクが気になったものにコメントをつけてまとめていきます。電子出版界隈が中心です。先週は「ブクログがブックオフグループに」「CCCが指定管理者の海老名市図書館がウェブサイトで剽窃」などが話題になっていました。
ブックオフ、書籍レビューのブクログを買収 – ITmedia ニュース ※2015年12月21日
年の瀬にあっと驚くニュース。「2014年12月期は売上高2928万円に対し361万円の最終赤字」という情報開示が辛い。胸が痛い。中の人を知ってるので心配だったのですが、発言が前向きなのでひとまず安心。
昨日開示がありましたが、ブクログはブックオフグループに入ることとなりました。ブクログを通じて、よりよい読書体験を提供していきます。引き続き私も変わらず関わっていくことになっています。よろしくお願いします。(お知らせもあげています) https://t.co/WZSCKSdizm
— アヨハタ (@ayohata) 2015, 12月 22
アマゾンが本の値引き販売 出版界、根強い警戒感:朝日新聞デジタル ※2015年12月24日
この記事、元のタイトルは「アマゾンが本の値引き販売 根強い警戒感、参加1社だけ(魚拓)」でした。「1社だけ」として名前の挙がっていた筑摩書房が「看過できぬ」と抗議をしたからでしょう。なんだかなあ。
「再販制度で競争原理働かず」アマゾン書籍担当・村井氏:朝日新聞デジタル ※2015年12月24日
再販価格維持と委託販売制度はワンセットで語るべきではないのか? と思うのですが。あと、値引き販売する代わりに、単行本が出てしばらくすると安価な文庫版が出る、というのは再販価格維持があるから生み出された「技」なのでしょうけど、こういう時代においてはむしろ足を引っ張る要因になってるんじゃないかな、という気が。新書とか文庫とか安すぎるし。電子版でいいじゃないか。
電子書籍は「なぜ」消えるのか?–世間にはびこる俗説を斬る – CNET Japan ※2015年12月25日
安定の林さん。ボクも同じようなネタを同じようなタイミングでDOTPLACEへ寄稿していました。「(4)ソーシャルDRMで直接配信する出版社は増えた?」のところです。
オープンフォーマットのEPUBで、DRMフリーならきっと2~30年後でも読めると思いますよ。営利企業が作った独自フォーマットで規格が公開されていないものは、数十年経ったらビューワ側が非対応になる可能性が高いというリスクはありますけど。
— 鷹野 凌@月刊群雛編集長 (@ryou_takano) 2015, 12月 25
官房長官、軽減税率「書籍・雑誌は業界が線引きを」 :日本経済新聞 ※2015年12月25日
「ポルノなどの有害図書は自主規制してもらい」って……新聞は「週2回以上の発行で定期購読」されていれば対象で、内容には踏み込んでいません。定期購読されてりゃポルノがばーんと載ってるスポーツ紙でも対象。まあ、これが業界団体の力の差か。権力者にしっぽを振らず「出版業界は表現の自由を守るため、軽減税率は不要です」って宣言すればカッコイイのに。
担当編集者が原稿を改ざん KADOKAWAの新作小説が急きょ発売中止、過去作も回収・絶版に – ねとらぼ ※2015年12月25日
KADOKAWA側が全面謝罪しているのでこれにて終了事案なのですが、ちょっとよくわからないところが。第2部の校正ゲラチェックで「改ざん」が発覚したとのことですが、8月に発売している第1部の校正ゲラチェックの時点ではどうだったんだろう?
徳島県の神社に奉納された絵馬の図柄が「トリコ」の猿王そのものではないかと物議 作者「モチーフにした」と認める – ねとらぼ ※2015年12月26日
「出版社への許諾は得ていなかった」とありますが、まず許諾を得るべき対象は著者の島袋光年さんなのでは。出版権で差し止め請求するのは難しそうな気が。
【TSUTAYA図書館】海老名市立図書館サイトが他サイトの写真・文章を盗用、謝罪(UPDATE) ※2015年12月27日
あまりにお粗末。以前、海老名市立中央図書館の館長であるCCCの高橋聡氏が「武雄市図書館の時はド素人でした」って言ってましたが、これじゃいまでもド素人でしょ。