「dマガジンが300万契約を突破」「文化庁京都への移転が決定」など出版業界関連の気になるニュースまとめ #213(2016年3月21日~27日)

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毎週月曜恒例。出版業界関連の先週のニュースで、ボクが気になったものにコメントをつけてまとめていきます。電子出版界隈が中心です。先週は「dマガジンが300万契約を突破」「文化庁京都への移転が決定」などが話題になっていました。

楽天に再燃する悲観論、安定成長のジレンマ:日経ビジネスオンライン ※2016年3月22日

Rakuten Koboなど買収した企業の「のれん代」を減損損失計上してから、「成長が鈍化」と叩く記事が目に付きます。この記事はKoboを愛用している記者の方によるもので、厳しい言葉にも愛があります。“利益を犠牲に成長を重視するアマゾンの勢いと、財務の安定性を重視しているように「見える」楽天” という対比には、なるほど納得。

人工知能は小説を書けるのか ~人とAIによる共同創作の現在と展望 – PC Watch ※2016年3月22日

星新一賞への応募報告会。1作品は一次審査を通過したそうです。興味深いプロジェクトなのですが、まだ現時点では人間の関与が大きいとのこと。しかし、いずれ完全に自動で生成できるような時代が訪れるでしょうね。

13.3インチ電子ペーパーのAndroid端末「Good e-Reader」–スタイラスでメモ書きも – CNET Japan ※2016年3月22日

ソニー「DPT-S1」がPDFリーダー専用機なのに対し、こちらはAndroid4.0.4でGoogle Play対応。つまり「Androidに対応している電子書店なら、どれも使える」ことになります。魅力的。$699。

日本図書館協会、「図書館における障害を理由とする差別の解消の推進に関するガイドライン」を公開 | カレントアウェアネス・ポータル ※2016年3月22日

日本図書館協会が障害者差別解消法に関するガイドラインを公開しています。5.基礎的環境整備(6)サービスに「アクセシブルな電子書籍の配信サービス」という記述が。(注)には「多くの障害者や高齢者も使える電子書籍のこと。残念ながら現状ではアクセシブルなものがほとんどないが、改良を進めているベンダーもある」と手厳しい。ただ同時に「アクセシブルな電子書籍の配信は自宅でそのまま利用できるため、障害者にとって大きな可能性を持っている」と、メリットについても明記しています。普及、進むかな?

ドコモの「dアニメストア」がサービス拡充、dマーケットは1500万契約を突破 – ITmedia Mobile ※2016年3月23日

文中に「3月13日にdマガジンが300万契約を突破」とあります。年末に250万契約という情報がありましたので、3カ月で50万人増えたことに。まだ勢い止まりませんね。

文化庁移転…「文化首都」夢が実現 : 地域 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE) ※2016年3月23日

国会対応など一部機能は東京に残るそうですし、文化庁単独だと200名程度。東京一極集中の是正には小さな一歩ではありますが、それでもまずは一歩踏み出したことを評価すべきでしょう。なお、京都には国立国会図書館関西館もあります。奈良県との県境近く。

英Nielsen Books「英国の電子書籍市場における個人作品のシェアが16%→22%に増加」 – hon.jp DayWatch ※2016年3月24日

アマゾンが数字を出さないので、調査会社も苦労しているようで。だからといって、Author Earningsのクロール調査をどこまで信用していいのか、という問題も。日本でも「出版月報」は取次ルートだけで、直販ルートは含まないと明記されてます。個人作品はもちろんのこと、アマゾンとの直取引が増えていくと、「出版月報」で発表される「出版市場」は実態以上に目減りしていくことに。

電子書籍、制限外しの「コミスケ3」提供 40歳ソフト会社役員ら3人に有罪判決 – 産経WEST ※2016年3月24日

「DMM.com 電子書籍」のWindowsアプリなどで採用されている、画面キャプチャー(PrintScreen)禁止機能を回避するアプリを提供してた事件。ちょっと不思議なのが、逮捕時の容疑は「著作権法違反(技術的保護手段を回避するプログラムの製造)と特定商取引法違反(誇大広告)」なのですが、求刑は「不正競争防止法違反罪」であること。画面キャプチャー禁止回避程度だと、著作権法120条の2(技術的保護手段を回避するプログラムの製造)では立件できなかったということなのかな?

欧州委員会、電子書籍のVAT税率を紙書籍と同等に下げることを加盟各国に認める方針 – hon.jp DayWatch ※2016年3月25日

まだ素案の段階みたいですが、興味深い動き。従来は「電子書籍はサービスである!」として、紙書籍と同等のVATは認めない方針で一貫していたのですよね。


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